Five Years
「5年後に世界が終わるとしたらどうする?」
「てめえといるだろうな、」
「じゃあ4年経って、明日が世界の終わりだとしたら?」
「昼前におきて、てめえの作るメシ食って。セックスして。フロ入って。
またメシ食って、またベッドに戻って。多分また抱いて。寝る。」
プッと吹き出し。
「なんだよソレ?」
サンジはけらけらとわらう。
「理想だろ、」
とゾロはいたって平静。
「おまえはどうしてえんだよ?」
「んー?一緒だな。最高にうまいモン食わして、で、てめえとヤる。」
に、とわらい。
「上等だな、」
とゾロ。
5年もあれば、夢は掴めてんだろ、とさらりと口にし。
「うん、そうだな、」
サンジは相手の肩甲骨のあたりに軽くあごをのせる。
「でさ、きっと」
てめえとなら最後までわらってられそうなんだよな、と。
小さくわらった。
「へえ?珍しいな。俺も同感だ」
とゾロも返し。
自分の背中に肘を突こうとするサンジの腕を払おうとする。
痛てェっつーの、とか文句はいうものの。
上機嫌な笑い声と一緒に唇が落ちてきて、それを追うように絹糸の束が触れるような
感触が続き。そのままうつ伏せに幾つか重ねた枕に肘をついていてやることにする。
背中の方から声が続く。
「明日終わるかもしれねーし、10日後かもしれないし、この後何年もあるのかもわかんねーけど、
今日を思うように生きれたらそれで良いよ、」
そんな気持、と。そして、俺って健気じゃん、これ以上惚れるなよとからかうような口調で続け。
約束、とゾロが不意に口にした。
「・・・・は?」
ゾロはうつ伏せに肘をついたままで。
「俺は息している間は、てめえといる」
背中に軽く重なるようだった身体が一瞬、緊張するのを感じ取る。
けれどそれはほんの、瞬きの間で。
「・・・・へぇ?」
サンジは肩のあたりから覗き込み。
「それだけかョ、クソ剣豪」
耳元のピアスに唇で触れる。
「アテにならねえ。テメエ、無茶ばっかしやがるし」
軽い口調とはうらはらの、切実な言葉。
「だから。その先も、ま、俺にしとけ」
「しょうがねえな、」
ゾロはその金糸を指にからめ抱き込むようにして、身体の下に相手を引き込む。
「次もテメエで我慢しといてやるよ、クソコック」
そういって眼を細めるようにしてわらう。
そのまんま、いまのセリフ返してやる、と。
ちょっと身じろいで腕を自由にし、言い返し。
「でもなァ、てめえクソ迷子だし、」
至近距離に近づいた形の良いハナをぎうっとつまみ。
「しょーがねえ。俺が特別に探してやるよ」
「ああ、たのむ」
唇の熱のつたわる距離でささやき。
信じられないほど、やわらかく微笑む。
きっとこの表情は、自分のほか誰もしらないものなんだろう。
そう思うと。
「くそムカツク、」
そうささやく声はそれでもあまく掠れるようで。
ゾロは片眉を引き上げる。
「一瞬、明日で世界が終わっても良いかもっておもっちまったじゃねーか」
そして、返事のかわりに口づけをおとす。
開け放した窓からの風が、寄せていた布を大きくはためかせる。
瞬間のぞく蒼穹はたかく、風がどこまでも抜けていく。
永遠へと続く一瞬は
ふとした瞬間にのぞきこむ。
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みなさま、いつもありがとうございます。
感謝の気持を込めて。ただただあまいだけのある意味二矢テイスト暴走気味。なお話を。ささげさせていただきます。
よろしければ、ご笑納くださいませ。お持ち帰り用ですので、もしよろしければ、ですけれど。
ベッドリネンは麻。決まりでしょう。場所のイメージは、アマンプリのヴィラ。べたでも良いっ(笑)。
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