*25*

すきだ、としか言っていなかった気がする。言葉にだせるときも、喘ぐことしかできなくなったときも、喘ぐことさえ出来なくなったときも。
二度目に身体の奥深くまで熱を埋められたときは、穿たれて痺れが四肢の隅々まで重く、甘く拡がっていくことに半ば怯え、縋るように声に出していた。
「ア、―――っあぁッ、ぃ、ア、あぁ…っ」
泣き声めいて鳴いて体中がただひとりに縋っていた。
どこまで高められるのか怖くなった。波に呑まれそうで、ショーンの背中に縋り。ヴァンが涙を零しながら震え。
「やだ、こわい、ゃ、アッ、ああ」
首で抱き上げられ、穿たれながら鳴いていた。
「イイだけだって、ヴァアン。すげえイイだけだって…ッ」
唸るように告げられ、また一際熱い波に呑まれてヴァンが見開かれた双眸から涙を零していた。
ショォン、と切れ切れに名を呼び。喘ぎ、濡れて熱い内を押し上げられびくりと震え。堪えるように息を詰めるショーンの肩に一層爪を立てていた。

ぐう、と歯を食いしばり呻きを噛み殺し、また突き上げられ手が肩から滑り落ちる。
「っぅ、ァ、あっ、ショォ…っ、」
ショォン、すき、と。涙を零しながら熱く張り詰めた中心がはじけようとするのを唇を噛んで耐えようとし、けれどもぐ、と押し上げられて達し。
熱い身体がぐ、と引き下がり。昂ぶりが引き出されていくのにきつく眼を瞑り。は、と息を詰め、けれど次の刹那、肌に熱い滾りが迸るようなのに身体を跳ね上げていた。
「ぁ、ア……ッ」
びくり、と白い腿が跳ね。滑らかな下腹部が波打ち、息を吸い込もうと背が浮きかけ。
「ぁ、くっ」
甘い呻きに、とろ、とヴァンが視線を上げれば、体重が預けられ熱い身体が落とされる。

耳元を荒い息に擽られ、ヴァンがきゅ、としなやかな背中に爪を立てた。
「ショォ、ん、」
重なった体の間に、まだ冷え切らない熱を感じて、ヴァンがゆっくりと手を降ろしてみた。僅かな隙間に指を潜り込ませ、とろ、とソレを指に擦り付けてみる。
僅かに手指に残ったものを唇に含み、舌先でゆっくりと指を舐め取ってみた。
くちゅ、と。小さな音が口許からあがるのに、自覚なしにヴァンが酷くとろりとした笑みを乗せ。
視線が僅かに上げられたのを感じて眼差しをなげれば、ショーンがリネンに頬をつけたまま、くぅと微笑むのがみえ、ショーン、とまたかすれきった声で名を呼んでいた。
「ヴァアン、」
どこか、掠れて甘い声に、ぺろりとヴァンが舌で唇を舐め上げた。
ゆっくりと唇が重ねられるのに、自分の心臓が可笑しいほど競りあがるのにヴァンが微笑み。腕を回して背中を精一杯の力で抱き締めた
とろ、と絡み合わされるたびに、甘えたような息が洩れていく。
もっとどこもかしこも重なっていたくて、降ろしていた足を引き上げ、絡ませるようにし。く、と喉奥で笑う。
押し合うように重なった下肢が、困るくらいキモチがいい、と。体中の骨がなくなったみたいに、とろとろなんだ、と言葉にせずに伝えようとする。

「ショォン、」
口付けの合間に、吐息めいて呼ぶ。先を強請る声だ、と自覚する。
「オマエ、べとべと」
「もっと、どろどろにしろ、」
笑いながら、ちゅ、と唇を啄ばまれ、少しばかり唇を尖らせて言い募る。
「腹に張り付いてキモチワルクねえの?」
顔を覗き込まれて、ヴァンがふにゃりと笑みを作った。
「ないよ、あんたのだもん」
「オレのソースたっぷりな仔猫チャン。天使のミルク掛け」
くくっとショーンが笑い。伸ばした舌先でヴァンの顎を舐めていく。
「誑しのミュージシャン語をありがとう」
いぃ、とヴァンが鼻に皺を寄せた。
「You are my fuckin' rock n' roll star, Sean(ショーン、あんたはおれのクソッタレのロックスター)」
かぷ、と鼻先を齧られ、むぅ、とヴァンが小さく唸った。
くく、と笑ったショーンがきつく両腕を回して抱き締めてきてくれるのに、酷く幸せになる。

「オレのカワイコチャン、愛してるよ、ヴァン」
「んん、」
「今度はオレのマーメイドになってみたくないか?」
んー?とヴァンが瞬きした。けれどきつく回した腕を緩めることはせずに。
うん、と横顔に唇を押し当てて笑うように囁いていた。
「なる」
「そ?」
笑った声に、ヴァンが微笑む。そして、そのまま抱え上げられて、ぱち、と瞬きした。ショーンの顔を覗き込むようにする。
「コアラ?」
くくっと笑い。ショーンの耳をやんわりと齧る。
「いまはね?」
「楽器とオンナノコより重いものもてないのかと思ってた」
そういうと、またショーンの首筋を食む。
「んー、かなり頑張ってマス」
「ふーん、男の子抱えてなかったんだ、ふーん」

歌うようにからかい口調で言う間にバスルームに運び込まれ、ひゃは、とヴァンがまた小さくわらった。
「ジャグジー、」
なあ、下りる、とヴァンが呟く。
とん、とフロアに足が着き。何か飲む、と聞かれ首を傾げた。
喉が渇いている自覚はないけれども―――
「水」
下手にアルコールを取ったらもっとぐらぐらとしそうだった、そうじゃなくても酔っ払いなのに、と。
「じゃあ取ってくる。そっからは飲むなよ、ヴァン」
タップを指差され、はっは、と舌を出した犬の真似で返す。
キッチンまで「わるいの」が飲み物を取りにいっている間、どうしようかな、とヴァンがジャクジーの縁に軽く腰掛けた。
ここにもある窓からは、すっかり暗くなったロスの街灯りがちらちらと煌くのが見えた。
パネル式のボタンを眺めていたならば、ショーンの戻ってくる気配がし振り向く。

「あ、」
その手にミネラルウォーターのボトルがあって、そのウチの一本はスパークリングタイプだと見て取って。
「ガス入り、それおれ」
うーん、と足りないのを承知で腕を伸ばす。
伸ばした腕の内側に、いくつも赤い痕が散っているのに気がつき、ぱち、と瞬きする。けれど、ボトルを手渡してくれた相手にバレないように、にこりとして受け取り。
「お湯、溜めて入ってればよかったのに」
「変なボタン押したらイヤじゃん」
タブを捻ってあけながら言うショーンに返していた。
「そ?オマエなら楽しむかと思ってたんだけど」
笑って、一口呷りながら言う。
そしてそのままスウィッチをぽんと押し。
「んー、だってさ」
あんたに構ってもらうのが好きなんだもん、おれ、とさらりと言う。

くぅ、と微笑んだショーンが、屈み、トン、と頬にキスを落としてくれるのを眼を伏せるようにして受け止め。
「オレもスキだよ、子猫チャン」
そう齎された言葉に、子猫っていうな、と返していた。
そして、ジャクジーの内側に滑り込むようにし、溜まりはじめたお湯を足先で掻き混ぜた。
縁に頭を軽く預けて、微かな炭酸が喉を滑り落ちていくのを味わい。
す、と上げた視線の先に、向かい合うようにして入ってきたショーンをまじまじと見詰めることになった。
「やっぱキレイな身体してるよ」
うん、と改めて言ってみる。
「そうか?」
水のなかでゆっくりと長い足が自分を挟むように伸ばされるのに、ぱしゃりと水面を軽く揺らす。
ぱち、と瞬き。それから、「アリガトウ」とにこりとしたショーンに、ウン、ともう一度ヴァンは頷いていた。

「でもオマエには驚くよ」
ふい、と言葉の意味が追いきれずにヴァンが首を傾げた。
「よく動けるね?」
同じように首を傾げられ、ヴァンがぱちくり、と瞬いた。
「腰とか、だるくないの?」
僅かに苦笑めいた色が滲むのに、ヴァンがゆっくりとショーンとの間を狭めた。
「ショーンがだって手加減してんもん」
NO?と付け足す。
「おれは、」
ふ、とヴァンが微笑んだ。
「いままでしたなかで、今日が一番よかったけど、」
また僅かに水のなかで近づく。
「けどされたのハジメテだし、」
掌に、水を掬い上げる。
そして、ショーンを見詰めてから、くたりとその肩に額を預けるようにしていた。
する、と腰に手を回され、自然と吐息が洩れる。
「いまのは、メイクラブ?だったらこんどはあんたのいってたのもシテ」
そうっと告げて視線をショーンに合わせる。頭はやんわりと預けたままで。

「……オマエ、明日死ぬよ?」
きら、とヴァンのブルーアイズがショーンの苦笑を浮かべたさまに光を乗せた。
「へいき、」
とろ、と微笑む。
ヒップをする、と手が滑り落ちていくのに息が揺らぐ。
そして、く、と奥の窄まりに潜り込んでくる指先に、ひく、と身体が揺らいだ。
「―――――――っん、」
それでも、喉を競りあがる音はどこまでも甘い。
「不屈なチャレンジャだね、オマエ?」
くくっとショーンが笑う。だって、と肩に唇で触れながらヴァンが囁いた。
「だって?」
「ショーン、おれがベッドから起き上がれると思うな、って。言ってただろ…?」
顔を覗き込まれ、まっすぐに見上げながら微笑む。
「言ったけど、なあ?」
くくっと笑う声が耳に気持ちよい。

内を指で擦り上げられ、ヴァンが短く声を洩らし。
「だって、ショーンのこと知りたいよ」
片腕を首に回して吐息に混ぜて音にする。
「あんた、人魚になにするのサ?」
きゅ、と口端を引き上げて言い募る。
「オマエがまだシたことのないこと、かな」
水の中で、膝立ちしていたところを、ぐ、と腰を引かれ。胸がぶつかりそうになり、そのまま膝の上に身体を下ろされ。
く、とヴァンが笑いかけた。
僅かに両足を更に開くように促され、ん、と息を呑む。ジャクジーの縁にあたる水音に、どきん、と鼓動が競り上がり。ショーンの肩口に掌を添えた。
左胸のタトゥの上を吸い上げられ、身体が震える。幾度も、触れられるたびに痕が散っていったそのどれかをなぞられて息が詰まり。
奥に眼を一瞬閉じたくなるほどの熱さを感じ、ヴァンが息を細く吐き出していた。
「ショォ…ン、っ」



* 26*

明るいバスルームのライトに、柔らかな金色が透けていた。
ぽたぽたと時折降ってくるのは、涙の雫と湧き起こさせた汗。
歪んだ泣き顔は、けれど快楽を訴えていた。
淫らな天使チャン、と笑って突き上げる。
ジャグジーの縁を握っていた手が何度も滑っていた。
腰を揺すり上げるたびに甘い嬌声が零され、ヴァンの身体が震えていた。
温く入れた湯は上下する度に波打ち、水が烈しく打ち寄せる音が響いていた。その飛沫が引き起こすフェクトも、また目にはオイシカッタ。
「ァ、ア、あぁあ、ア」
ぼろぼろと涙を零すヴァンはキレイだった。
上がりきった息を押さえ込んで、水音に負けない声で甘い歌を零し続けるのを、ずっと聴いていたかった。
手を伸ばして尖った小さな胸の飾りに触れた。指で捏ねるように、押し潰して、摘んで…。
「っゃ、あ、…ぁっ」
びくん、と跳ね上がった身体と、立ち上がりっぱなしの屹立。
動く腰に引き起こされる波に熱い中心部はもみくちゃにされても、それは硬さを失うことなく、零され続ける雫も無くなりはしなかった。

ひくん、と身体を跳ねさせたヴァンが、とうとうバスタブから手を滑らせ。傾いだその身体を受け止めるようにすれば、両手が肩を掴んできた。
揺らし上げながら中心部を扱いて、ぬるぬると滑る蜜を先端に塗りこむようにした。きつく擦りあげて、そのまま烈しく楔を押し入れる。
好きだと思った―――――この瞬間が。
愛していると思った――――――腕の中のこのコを。
Aの形で開いたままの口は閉じられることなく、甘い歌を響かしていく。
ぐち、と先端を擦りあげながら、奥のもう覚えこんだ場所をきつく擦りあげた。
ふわ、とヴァンの濡れた身体が体温を上げて、さあ、と一気に肌が色付いていく。
ぽたん、と涙がヴァンの開かれたままの双眸から流れ落ちた。
「ひぁっ…ゥ、アぁ、ンッ」
ファンの回った音がかすかに聞こえるバスルームに、甘い甘い声がエコーする。
「しぉ…っ、」

は、と息を吐いた。
くう、と歯を食いしばって、身体を引き抜こうとする。
けれど、ぎゅう、と引き絞られて目を閉じた。
「ヴァン…ッ、」
びくりと動いた身体を抱き寄せて、ぐ、と押し戻してから、身体が欲求するままに体液を解放した。びく、と腰の奥から電気が走って、一瞬頭の中が白くなる。

「――――ァあ、アッ…」
悲鳴のようなヴァンの声に目を開く。
間近で潤みきって焦点を合わすことを忘れた蒼が見開かれ。縁からはまた透明な雫が溢れていき。けれどそれ以上は声にすることもできないかのように口を開いたまま、身体を小刻みに震わせていた。
「ヴァン、ごめん、驚かしたか…?」
熱い内壁が、絡みつくようにきゅうっと引き絞ってくるのに任せたまま、身体を半ば起こして、ちゅ、とヴァンの胸に口付けた。
とろとろと震えてまた力を取り戻し始めていた屹立から蜜が零れ落ちていくのが見えた。

「ヴァン、ベイビィ、ハニィ、平気か…?」
両腕を伸ばして、ぎゅ、と熱いばかりの身体を抱き締めれば、きゅう、とヴァンの指先が肩を握り締めていた。
「――――――――――ぅ、」
甘い呻き声が返され。まだフォーカスが上手く合わない双眸が、それでもとろんと視線を返してくるのに小さく笑った。
「ヴァン、生きてるか…?」
さらさら、と濡れた背中を濡れた手で撫で上げる。
「しぉ、」
擦れきった震える声に身体を完全に起こし。後頭部を手で引き寄せて、ヴァンの頬や口許に口付ける。
「中はまだ止めておこうと思ったんだけどな、ガマンできなかった」
ビックリさせてゴメンナ、と謝っておく。

「灼け、そぅ…だ、」
震えている声に、何度も口付けと掌での愛撫を繰り返す。
「ヴァン、」
名前を呼んで口端に口付ける。
「なか…、溢れ―――」
「ん、抜いてあげるよ」
「ゃ、」
ぎゅう、と一層縋り付いて来た身体を抱き締め返す。

「嫌じゃねえの?」
きゅう、とより強く抱き締めてきたヴァンの頬に口付けながら、ぽんぽん、と背中を叩く。
「ヴァアン、ゴメンな?もうちっと余裕があると思ってたんだ」
は、ぁ、と息を震わせたコの顔を下から覗き込む。
ゆる、とヴァンが小さく首を横に振っていた。
「もらえた、」
呟いたヴァンに、ショーンは苦笑を浮かべて。後頭部を軽く引き寄せて、ちゅ、と唇を啄ばんだ。
「ヴァン、あんまり可愛く在るなよ」
さら、と濡れた金色の髪を指で梳けば、する、と唇を擦りあわされた。
「オマエが欲しくて、もっとって餓えちまうだろ、だからそんなに締め付けるな」
冗談交じりに本音を洩らす。
する、と項を揉み上げれば、ヴァンが小さく甘く掠れた声で囁いた。

「ショォン、ほし…ィ」
「中にもっと、ヴァアン?」
潤みきったブルゥアイズを覗きこんで訊けば、とろ、と甘く蕩けた声が返された。
「もっと、おれンなか、いっぱいにして…、」
「このままの体勢だと辛いだろ?オレも逆上せそうだから……少し場所を変えよう」
オーケイ、ハニィ?と声をかける。
ぐら、と多少首が覚束ない調子で頷きを返された。
「オーライ、ヴァン、少し足に力入れて…」
そう甘くささやきながら、ぐ、と身体を引いた。
一度達した屹立は既に力を取り戻してヴァンの内側を圧迫し。けれど零した体液によって滑りを得たソレは、難なく締め付けてくる内側から抜け出していた。

「――――ッァ、」
きゅう、とヴァンが目を瞑っていた。
ちゅ、と口許を軽く啄ばんでから、ヴァンの身体を膝から下ろす。
「んぁ、ア」
ぐら、と傾ぎそうな身体を片手で抱き締めたまま、バスタブの中で立ち上がる。
縋ってくる指の力強さを感じながら先にバスタブから抜け出し。それからヴァンの身体を抱え上げて、バスタブから抜け出させた。

「ほら、ヴァン、掴まって」
ヴァンの身体をバスルームの壁に預ける。ひんやりと冷たい壁の感触に、びくん、とヴァンの身体が跳ねた。
「ッァ?」
「オマエ、倒れそうだから。壁にしっかりと寄りかかっておきな」
「―――――つ、めた…っ」
そう言って、壁に着いた手を、きゅっと握りこんだヴァンの項に口付ける。
「直ぐに熱くなるよ、ヴァアン」
ちゅく、と唇で吸い上げながら、掌で塗れた肌を撫で下ろす。
首が僅かに竦んだのに笑って歯を肌に突きたてながら、小さな胸の尖りを両方一遍に弄くる。

「―――ん、ぁ、アっ…」
はあ、と熱い息をヴァンが零して、びくりと肩を跳ねさせていた。
それを宥めるように肩口に口付けながら、指先でくりくりと小さな尖りを弄くる。
きゅ、と細まった目から新たな雫が零れ落ちていき。僅かにヴァンが首を横に振っていた。
「どうした、ヴァアン?」
かぷ、と肩口も甘く噛んで、猫撫で声で訊いてみる。ヴァンがゆっくりと肩越しに視線を合わせようとしてくる。
「とけ…そぅ、になる、…シヨオ、」
そう甘い声で告げられて、ショーンは低く笑って、ちゅく、と肩の肌を吸い上げた。
「溶けちまえって、ヴァン。全部引き受けるから」
そうして胸を弄くりながら、舌で背骨のラインを辿っていく。
くう、とヴァンが背中を強張らせ、撓らせていった。

「きれいな背中だね、ヴァン」
かり、と骨と筋肉の堺を歯で齧る。
びくりと身体を跳ねさせたヴァンの胸から手を離して、サイドを両手でそろりとヒップまで撫で下ろしていく。
ちゅく、と尾骶骨の上を吸い上げて痕を残してから、くう、と両手でヒップを割り開いた。とろ、と雫が零れ落ちていき。
「―――――っアぅ、ッ」
ぐう、と揺らいだ下肢を掌で押さえつけて、ひくりと蠢いた赤い孔にそうっと唇を押し当てた。

「ひ、ぁ、…っ、」
逃げようとする下肢を押さえつけて、開いたままの濡れた入り口に、てろりと舌を差し込んだ。
「は、ぁっ、な…っに、ァ」
戸惑っている甘い声に、ショーンはうっすらと笑みを零した。
「赤くなってる」
そしてまた、てろりと縁を舐め上げる。
「ゃ、ア…っ」
びくっと揺れた腰を押さえつければ、ヴァンが壁に縋りつくように上半身を押し当てていた。
「でも味あわせて……ヴァンの、キレイなココ」
ちゅく、と吸い上げて、またひくついた入り口を舌で舐め上げる。
「シォ……っ」

悲鳴を上げたヴァンから片方の手を離して、そろりと前に移動させ。硬く脈打っていた熱を、ぎゅ、と絞り上げた。
「美味しい、ヴァン。もっとさせて」
ぢゅく、と縁を吸い上げながら、閉じることを忘れた奥まで舌を潜り込ませる。
「っぁ、ショー、ンん、やぁ…ッ」
ぼろぼろと涙を流すヴァンの中心部に手を添えて絞り上げながら、舌を緩く抜き差しさせる。
「熱くてキツいね、」
唇を押し当てたまま告げれば。
「ヤ、ぁ…ッ、ア」
そうヴァンが甘い泣き声を零し。きゅう、と襞をひくつかせた。
とろ、と熱が濡れたのをしっかりと掌で捕らえて、ぐちゃぐちゃとリズミカルに扱きあげながら、深く浅く舌で狭い孔を攻め上げる。
「あぁあっ、」

堪え切れない涙がいくつも零され。顔も身体も真っ赤に染めたヴァンが、腰を甘く揺らしながら、甘く鳴いていた。
「っヤ、ァ、そこ…っ」
「ヴァンは敏感なんだ」
くす、と小さく笑って、ぐう、と奥まで舌を差し入れた。そのまま、強く舌で届く範囲を唾液を擦り付ける様にして舐め上げていく。
親指で握ったヴァンの屹立の先端を擦り上げ、掌で何度も舌の動きに合わせて扱く。
「ア―――ッ、ぁっ、アっ、」
甲高い声を震わせて、ヴァンがびくりと身体を跳ねさせた。手指を熱い飛沫が濡らし、差し込んだままだった舌がきつく締め付けられて呻く。
けれどそのまま、ぐちぐちとヴァンの熱を扱き。入り口が緩んだところで舌を引き抜いた。
ヴァンのヒップに歯を立てて、きゅ、と甘く噛む。

「ひ、ぁ…ッ」
びくっとヴァンの身体が跳ね、ますます壁に逃げるように縋っていた。
くちゅ、と襞を甘く吸い上げてから、舌で一度舐め上げ、それから唇を離す。
ぶるぶると震えるヴァンのヒップはまだ片手で押さえたまま、しゃがんでいた身体を上げて、きゅ、とヴァンの肩口に口付ける。
カタカタと身体を小刻みに震わせているヴァンの首元にも口付けを落とす。
「ヴァン、大丈夫か?」
くてん、と身体を預けてきた細い身体を、しばし濡れた手で抱き締める。そのまま、体重を添わせて自分の状態を知らせる。
ふるりと身体を震わせたヴァンの熱い手が、ショーンの腿に触れた。

「ヴァン、いい?」
擦れきって甘い声が、吐息に乗せて告げてきた。
「うめて、」
ショオン、と名前を熱病めいたトーンで熱く囁いたヴァンの腰をぐっと引き寄せ。一度自分の手で零していた体液を伸ばすようにこすり付けてから、狭くひくついている濡れた孔に押し当てる。
「息、吐いて」
ふ、ぁ、と熱い息を洩らしたヴァンのヒップを片手で開くようにしながら、もう片方で硬くなった屹立ごと押さえ込むように、ヴァンの身体を支えた。
そのまま、ヴァンが荒い息を吐いた瞬間を狙って、ぐ、と押し上げる。
こくん、と息を飲んでいたヴァンの身体が一瞬で強張り。けれどショーンは勢いのまま、ぐうっと最奥まで腰を進めてしまう。
「―――――ぁ、ア…」
甘く擦れきった声が間近で零され、ヴァンがぐうっと背中を撓らせていた。

「は、キツ、」
唸って、そのまま一気に刺し貫く。
ショーンが零した体液に奥まで濡らされていた内は、ぎゅう、と引き絞りながらも体積を受け入れていった。
「アぁ、っ」
高い声が悲鳴のように響き。けれど僅かに零れた蜜が手を濡らしたことを確認して、ショーンは笑ってヴァンの耳元に口付けた。
「You're just amazing, honey baby Van」
すげえよ、ハニィベイビィ・ヴァアン、と囁いて、ぐい、と腰を深く揺らす。
「もっと気持ちよくなって溶け落ちてしまいな」
「シォ、アッ」
甘い嬌声に気分を良くして、ヴァンの熱をリズミカルに絞り上げながら、ぐ、ぐ、とリズムを刻む。

逃げようと引ける腰を強く掌で掴んで抑えたまま、とろりと蜜が盛り上がった先端も添えてあったほうの手で塗り伸ばす。
「は、ヴァァン、すげえイイよな…ッ」
「ンぁ、あぁ、っ」
甘い声で鳴き続けるヴァンの腰をきつく引き寄せたまま、破裂音に似た音が響くほどにきつく突き上げてリズムを生み出す。
「ショぉ、ン…っ、ショ…」
「ヴァン、すげえキモチガイイヨ」
くう、と咽喉を反らせたヴァンの熱を絞り上げながら、ヴァンが一番気持ちよく感じる場所を強く擦り上げた。
「ん、ヴァン、すげえ…ッ」
ぎゅう、と絞り込まれて、ショーンは呻いた。キツい内に絞り込まれて、慌ててヴァンの熱を扱き上げる。
「ハ、ヴァン、いきそ…っ」
「ぁ、あぁアッ…、」
びくん、と身体を跳ねさせたヴァンの一点をもう一度突き上げながら、びくりと筋肉が跳ねて、溜め込まれていた体液が自分から迸っていくのをショーンは感じ取っていた。
頬や項に張り付いた髪に口付けながら、どくどくと熱い体液を注ぎこむ。
声を出すことも出来ずに、唇を大きく開いて身体を震わせたヴァンの体液も、ショーンの掌とバスルームの壁をしとどに濡らした。

「ヴァ、ン、」
深い酩酊を堪えながら、細い首筋に口付ければ、ヴァンがまるでこの瞬間を味わうかのように目を閉じていた。
ぎゅう、と締め付けられて、ショーンも喉奥で甘く呻き。両腕で震える身体を抱き締める。
肩口に顔を埋めて、熱く濡れた肌に口付けながら囁く。
「愛してるよ、オレのかわいいコ、ヴァン、ベイビィ」
ショオン、と消えそうに細い囁きに笑って、体液がこびり付いていないほうの手で、そうっとヴァンの頬を撫でた。
「すごく良かったよ、ヴァン」
はた、と酷くゆっくりと瞬いたヴァンの耳元に口付けを落とす。
「ごめんな、もう放せそうにない」
ふにゃ、と甘く柔らかな笑みを零して、くたりとヴァンがその細い身体を預けてきた。
「ずっと、」
掠れた声で甘く囁いたヴァンに、くう、とショーンは微笑んで。ゆっくりと唇を、荒い息をまだ抑えられない口に押し当てた。

「ずっと愛してるよ、オレのハニィベイビィ」
甘く囁いて、さらりと濡れた胸を撫で下ろした。
「―――――――ショオン、」
とろ、と甘い声で、溜め息を零すように名前を呼ばれて、ショーンはふわりと微笑んだ。
「こぼれ…、」
とろとろと甘い声に、ゆっくりと楔を引き抜き。甘い呻き声と共に傾いだ身体を両腕で抱きとめた。
「こぼれそ、に、いっぱいだ……」
小さな声で告げられた言葉に、ゆっくりと瞼に唇を押し当てる。
「あんただけで、おれのなか」
そう言葉が続けられたのに低く笑って、ぎゅう、とヴァンの身体を抱き締めなおした。
「これからオマエを埋めるのはオレだけだ、ベイビィ。だから、安心して委ねちまいな」
こてん、と額が肩口に押し当てられ。ゆるりと力の入らない両腕に抱き締められる。
濡れた髪に口付けながら、勝手に上る笑みを刻んだまま、ショーンは囁いた。
「オレのベイビィ・ヴァン。オマエはずっとオレのだ―――――愛してるよ」




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