ナミさんのオマケ駄文。
マジックショーが華やかに行われているホールの一角で。
ナミはウソップとルフィの二人と一緒に、酒を飲んでいた。
そして、ふと訊きたかったコトを思い出し、ついでに、とばかり、訊いてみる。
「ねェ…アンタ、あの香油、どこで手に入れたの?」
「昔、貰った。『オトナになったら使えよ』って」
「フーン…」
「なぁ、アレ、『ラスティカ』だろ?」
「あら、以外。ウソップ、アレ知ってたの?」
「 おお!前にオヤジが母ちゃんに持って帰ってきて、プレゼントしてた」
「まぁね。アレ、身体に付けるだけだと、不思議な香水ってだけだけど」
「アレ、舐めちまうとな」
「舐めるとどうなんだ、ウソップ?」
「いや、まぁ、その、アレだな、うん」
口ごもるウソップに見切りをつけて、ルフィはナミに向き直る。
「ナミ?」
「あれはねぇ。あれはすごい性欲促進するのよ。しかもタチが悪いこと。記憶を曖昧にしちゃうのよね、副作用として」
「オマエも言葉飾らないなぁ、ナミ」
ウソップが半ば呆れ、半ば感心しながらナミに言う。
「まぁ、でも。アイツなら問題ないだろ」
「そうだよな。ゾロだもんな」
妙に白けた沈黙が、3人の間に流れた。
「…こほん。そういえばさ、昼間ラウンジで。サンジ、すっげェ注目されてたよなァ」
気を取り直して、ウソップの発言。
「おお!隣にいたオッサンなんか、目がイっちゃってたぞ?こっそり正気に直してきたけどよ」
またまた物騒なことをルフィが言い出し。
ナミはそれを聴かなかったことにした。
「サンジくんのすごいトコって…」
「「本人が注目されてるってコトに全然気付かねェとこだよな!!」」
ウソップとルフィがキレイにハモる。
「そう!そうなのよ!サンジってば、ゾロにばっか注目が集まってると思い込んでたし」
眉根を寄せて、そう言うと。
ルフィがしししし、といたずら猫の笑顔で笑った。
「あいつら二人が並ぶと、なんかめちゃくちゃすごかったよなぁ!!」
「オレはあいつらが正装している時は、人ごみのなかでは近づきたくないね」
ウンウンとウソップは、なにやら一人決め込んでいて。
「まぁ、でも彼ららしいといえば、らしいわよね」
ナミも溜め息混じりに、そう言って。
思い思いに考えを巡らせ、少々の沈黙がその場を支配した。
にぎやかなマジックショーの軽快な音楽。
スポットライトが縦横無尽にステージを照らす中、ドラムロールが響いていた。
「ま、とりあえず。ゾロの誕生を祝って、こっちはこっちでテキトーにお祝いしましょう」
「そうだな」
「そうだよな」
思い思いの飲み物を高く掲げ。
「ゾロの誕生を祝して、乾杯!!」
「「乾杯!!」」
(((サンジと今日ぐらいは水要らずで幸せにな。)))
三人三様、言葉遣いは違えど、同じコトを思った等、露にも思わず。
三人の夜は、ゆっくりと更けていった。
Fin.
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