散々焦らした挙げ句、我慢しきれなくなったのはゾロの方で。 テーブルの上でサンジの全ての部分を舌で舐め味わい、舌だけでは飽き足らず、届かないさらに奥までも味わい尽くした 男は、上半身だけ裸でもってキッチンの床に寝転んでいた。 食された躯の、その披露と甘いけだるさを纏ったままのサンジもまた、同じようにねそべっていた。 こちらはといえば、お情け程度にシャツをひっかけたままで、銜えさせてもらった煙草をぷっかりと吸い込んでいる。 「そうだ。誕生日おめでとさん」 「............. てめえ、今それを言うか」 「だって、今日だろ?」 「あ〜あ〜、ありがとさん」 ふりふり、と煙草の先を器用に振りながら、それが礼だとでもいうように、サンジは応えた。 あれが奴からの誕生日プレゼントだとか抜かしたら、速攻蹴りだぜ。 はぁ〜、と大袈裟に息をはいて、どうしたものかとそこらを見回す。 吐き出した精液と自分たちの汗でシャツも床も汚れていた。 そしてなによりテーブルの上。 俺や当分ここに皿乗せる度に思い出しちまいそうだぜ。 くっそ。と小さな溜め息を吐いた。 「おら」 ん? と見れば、ゾロが灰皿を差し出している。短くなった煙草をいれろと言うのだろう。 素直にそれを押し消せば、今度はジンが差し出されて。 それももらって焼け付くような一口を流し込むと、何もない手が伸びてきた。 ぽん、とその瓶を手渡すと、もう一度それが差し出される。 「........... なんだよ」 「風呂場まで連れてってやるよ」 とんでもない申し出。 「........はぁ?」 「立てねえんだろ? 連れてってやるよ」 「いいよ、ガキじゃねえんだ。てめえが先入ってこい」 「いいから。来い」 「うっせえ」 「サンジ」 「................ 」 ずるいと思った。こんな時に名前を呼ぶなど。 そして。 自分もまた珍しく素直に手を差し出そうとして。 「喰った後片付けくらいしねえとな」 そう言ってにやりと笑ったゾロのおでこを、ばちこん、と思いきりよく叩いてやった。 ま、一番最初のおめでとうは言って貰ったしな。 「そんなに言うならてめえで連れてけ」 意趣返しに、にっと笑ってそう言ったサンジの肩と背中に、ゾロの腕がかかった。 ナミからの、サンジへの誕生日プレゼント。 なにもしない3月2日は、一番効果的なプレゼントになったのはいうまでもない。 そして、その日。 キッチンの床磨きとテーブル磨きがゾロへのサンジからの誕生日プレゼントの請求となったのは、太陽の光りの 眩しい午後のこと。 FIN BACK |
この艶っぽさはまさにマエストロだ、と私は常々思ってます。
ダーリン!お持ち帰りさせてくれてありがとう!