A Note II



あとがき。

何を語っても蛇足にしかならないけれど。
これを書いてもらっている間、私はただ単に一読者として楽しんでおりました。どきどきしたり騒いでみたり涙ぐんでみたり、それはまあ、賑やかでござんした(すまない、れむれむ)。
そして通しで読了して改めてこういう形にしかならなかった「幸せなのに、しあわせじゃない」人たちのことなど考え。島影が溶けて消えるまで、船の甲板に兄の涙ははたはた落ちていたんだろうなぁ、とか。リヴェは振り向かずに歩き出したろうなぁ、とか。
二人とも、腕の中に確かに相手の熱も、重みも残っているのに二度とは会えないわけで。腕の中にはまだ感触が残っているのに、それもやがて消えていくことも判っている。それでも心は寄り添っていると信じて、たくさんリフレインするんだろうな、と。穏やかに話していた声であるとか。笑い声だとか。忘れてしまわないように。
思い返すたびにキズが痛んで涙がこぼれても、それでもあれは素晴らしい恋だった、とわらうのだろうなと。やせ我慢などじゃなく、ほんとうにそう思って。
生涯に一度きり。ただひとり。いつまでも忘れないひと。思い出すだけで、切なくて幸せでいとしくて。そのひとの幸せを祈らずにはいられないようなひと。側にいないから余計に、愛情だけが残って。眠りにつく前に、思い出して。必ず、胸の内でオヤスミ、と唱えてから瞳を閉じて。思い出しても涙は零れなくなったとしても、ずっと、心の底に残り続ける。
満天の星空を眼差しを上げて、見上げて。また、歩いていく。そんな恋をしてしまったわけです。
とかいって。こんな似非ポエマーなことを(うあぁ、はずかし)感じておりました。
リヴェも兄もかっこいいぞう!特に兄!やればできるんじゃない、
アナタ。(こらこら)
夢想、幻想、(取り留めの無い)空想。
"Stardust"の歌詞の中で、"The melody haunts my memory"という部分。この最後のmemoryが reverieと歌われているものがあって…実はそっちのほうがメジャなのかしら?カラオケ行くと載ってるのは後者です。(笑)
そんなワケで、後半のStardust Reverie。Stardustから離れて、限りなくれむ仕様です。(笑)限られた時間の中で恋をするオトナ。どうしようもなく恋に落ちて、幸いにもとても親密な時間を過ごせたのですが…振り返ったら、それこそ星の一瞬の瞬きのような、幻のような時間だった、と。けれどとても濃い時間だったために、記憶にとりついて離れない。ありがとう、"Stardust"。この曲がなければ、こんな小説は書けなかっただろうな、なんて思います。(リクしてくれた二矢ちゃんには、惜しみない愛をv)そういう  理由で、このタイトルを付けてみました。
ワタシの他の小説を読んでくださってる方は解ると思うのですが。
性描写、結構キッチリ書きますね。官能小説系、ハーレクイン系、文学系…踏襲するスタイルによって、表現とかも変ってくるのですが…リヴェ姐の性格に沿って露骨な表現は避け、さらりと読めるように仕上げたつもりです。男女間の性交を描いて発表するのは…これが初めてなのですが。ヤオイ小説書いているより、照れました。(笑)おまけに、「ここまで出来たよ〜」って二矢ちゃんに横流ししつつ書き進めていて…区切った場所によっては、
かな〜り照れました。(笑)姐は姐だから、カマトトぶって逃げるワケにもいかないし、兄はやさしいロクデナシだから、勢いに任せてやっちゃうワケにもいかなくて…。(笑)
オトナの恋愛で、兄も姐も大人なワケだから、当然こういう関係になることは見越して書き始めたのですが。ムシロ、こういうオトナの男女の恋愛小説も、ずっと書こうと思っていたので、なにが問題ってワケでもないんです。が。これ、対談の付録だから、読んでくださるお嬢様方のテイストには合わないかも、とずっと思っていました。二矢っちと二人だけで楽しむために書いてもいいかな、ともチラリと思いましたが。「ぜひ載っけてしまおう」という二矢ちゃんのアリガタ〜イお言葉に、「じゃあ警告文を付けよう」ってことで発表に漕ぎ付けました。ええ、そんなカットウはあったのでございますよ。(笑)
 兄は兄らしくやさしいロクデナシで(二矢ちゃんのお墨付きv)、姐は…ここまでカワイイ人だとは、書くまで知りませんでしたが。(笑)自然な二人の自然な恋を書けて、よかったv 読んでくださった皆様に、楽しんでいただけていたらもっとイイですけどねv
Reverieがああいう終わり方をした後。二矢っちとチャットで、彼らのその後なんてものを話しておりました。それを書くことはないのですが、とても彼ららしい展開が見えておりました。兄も、姐も、一生に一度の恋をしたんだなぁ、そしてそれを一生抱えていくんだなァ…なんてね。こんなすごい恋をして。彼らはきっと、幸福ではないけれど、とても幸せだったと思います。

こんな最後まで読んでいただきまして、ありがとうございましたv
(むぎゅうv)