Ebb Tide 軽い足音が木霊した。風が抜けた。 船壁に打ち寄せる波の音がした。 閉じていただけの目を開けた。 また、遠い砂浜に波の寄せる音だけがした。 風がまたハナサキを抜けて ふわりと馴染んだ香りを乗せた。 「よ、差し入れ」 笑みだけがタバコを挟んだ口許に漂い。 僅かに目を細めた。 その肩の後ろ側にはまだ陽が高く残り、 そこいら中の景色を柔らかな色に変えていた。 そういったぜんぶを目にして、 ひどく幸福な気分、というものをちらりと味わった。 「イイ匂いだな」 「ハ。すげ、めずらし」 起きてるだけでも驚きなのにな、と続けながら こんどこそほんとうの笑顔になる。 「ああ、」 腕を伸ばし、差し出してくるトレイを受け取り。 「アリガトウ」 言葉に乗せる。 一瞬、見開くようだった目はまたすぐにくしゃりと 柔らかな笑みをつくり。何も言わなかった。 我知らずに腕をとりそのまま引き寄せ、かるく唇を寄せていた。 「吃驚」 そんな感想をもらす唇に取り上げたタバコを戻し。 はは、とゾロが小さくわらった。 |
mamiさまよりこんなに美麗なお祝儀をいただき、
とちくるった私は突発小話。
ああ、わたしは果報者ですー、ほんとうにありがとうございました
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