**62*

 甘い悲鳴が、ドクドクとこめかみで脈打つような鼓動の合間を縫って聞こえる。
 悲鳴、いや、これは嬌声だろう。そうパトリックは真っ白に染まる頭で思う。
 真っ白い項に思う様歯を立てている、ぐう、と痛みに強張ったルーシャンの身体は、きつくパトリックを締め上げていく。
 ぐち、と際奥まできつくもう一度突き上げてから、溜め込んでいた熱を内側に注ぎ込んだ。
「ぁ、あ、あぁあア、」
 甘い掠れた声が、淫蕩なウタを歌う。
 震える細いラインを腕で抱きしめ、穿ったままだった牙をそうっと肌から浮かせた。
「ぁ、ぁあッ…」
 ふる、とルーシャンの身体がまた震えた。
 ふわ、と香る甘い鉄の匂い。ルーシャンが零した蜜のアロマに紛れて届く。
 ぺろ、と歯列を舌先で舐めて、ふ、とひとつ息を吐いた。
 見下ろせば、ガクガクと膝を揺らしているルーシャンの項には、うっすらと赤い雫が浮き上がっていた。金の間に滲む赤。
 く、とパトリックが薄く笑った。抱いている相手をここまでキツく咬んだことなど、初めてだった。
 そうっとまた顔を寄せて、ちゅく、と浮いた雫を吸い上げる。
「パト―――ッ、」
 掠れた悲鳴じみた嬌声でルーシャンが歌い、びくりとまた身体が跳ねていく。
 れろり、と舌で傷跡を辿って、沸きあがろうとしているイノチの源を舐め取り。きゅう、と引き絞られて、薄く笑った。
 ぐい、と腕に力を入れて、ベッドヘッドにしがみ付いていたルーシャンの身体を引き起こさせる。
「ルーシャン」
 濡れた金の間から鼻先を押し当て、首筋に唇を移す。ちゅく、と吸い上げて、また赤い花を散らす。もうルーシャンの身体には無数に残されているもの。

 沸き起こる愛おしさが凶暴さを帯びているのは性だ。奪うほどにイトオシイのか―――――イトオシイから奪いたくなるのか。
「ん、んく、」
 声を呑み、身体を震わせたルーシャンの心臓の上を掌で撫でる。
 きゅう、とルーシャンが手指でいっそう強くしがみ付いてきた。抱き上げた膝の上からルーシャンの濡れた体が落ちないように腹部に回した腕に、ぐ、と爪が立てられる。
「ルーシャン、」
 てろ、と舌先で首筋を辿り降り、肩口を甘く吸い上げる。
 ドクドクと酷く早いリズムで脈打つルーシャンの心臓の上を、かり、と指先で掻いた。
「オレのモノだ」
「ぁ、ット、パトリ…ッ」
 ふみゃ、と泣き出したルーシャンの首筋を唇で辿って、次々と新しい熱い雫が零れ落ちる頬に唇を押し当てた。
「誓う必要はないからな」
 こくこく、と夢中で頷くルーシャンの頤を、ちゅく、と吸い上げる。
「ほか、は……ゃだ、」
 掠れて揺れる囁きに、くすんとパトリックは笑った。
「許さねぇよ、他なんざ」
 ぐう、と掌で濡れた胸を撫で上げる。
「他を見ることすら、許してやらんからな」
「――――――ァッ、んぅ」
 びく、と跳ねたルーシャンの身体を、ぎゅう、と背後から抱きしめる。
「腹ァ括れよ、オレのカワイコチャン」

 ぼろぼろぼろ、と更に新しい涙を落としていくルーシャンの耳に、ちゅ、と甘く口付ける。
「パ、ット―――ッリ……」
「オマエが願っているような愛し方じゃねえかもしれないが、文句は言うなよ、仔猫チャン」
 はむ、と耳朶を唇で食んで、くちゅ、と啜り上げた。
 ひくひく、とルーシャンの奥が蠢いているのが解る。
 身体がぴくん、ぴくん、と跳ね上がり、泣いているせいか、快楽のせいか、またルーシャンの頬が赤く染まっていく。
 濡れて熱いルーシャンの身体を、するりと撫で下ろし。腕に縋っていた片手を自分の首にゆっくりと回させる。
「不安になるようなことがあっても、黙ってしがみ付いてろ、ルーシャン。裏切ったりはしない」
 できるか、などとは訊かない。パトリックが求めるのは、そうされることのみで、できないとか嫌だとかいう返事は必要がなかった。
 ふるふる、と必死でルーシャンが首を横に振っていた。
「嫌か?」
 喉奥で、くく、と笑う。
「―――――――し、んじて、るも…、」
 必死な声がそう告いでくるのに、また薄く笑った。
「いいコだ、オレの仔猫チャン」
「パァ、ット…、なまぇ――――――よん、っ」
 さら、と腕を下ろして、ルーシャンの片足を腕に引き寄せた。
「オレの、カワイイルーシャン」
 腹部を抱え込んでいた腕で、反対側の脚を抱え上げた。
「あ、んたの、だも…おれ、」
「カワイソウでかわいいルーシャン、ああ、オマエは一生涯オレだけのモノだ」
 喘ぎ混じりのルーシャンの声に、ちゅく、と空いている側からルーシャンの首筋に口付けた。
 そのまま、ゆる、と腰を揺らす。
 きゅう、と締め付けていた奥が、開かれる快楽にまたさらに強く締め付けてくる。
 くう、と息を呑んだルーシャンの首筋を、てろりと舐め上げた。
「ほ、んと…?」
「あァ」
 コドモのような、それでも甘く淫蕩な問いに、パトリックはうっすらと笑いながら返した。
 とろり、と。妖艶なまでに蕩けて甘い笑みを、ルーシャンが浮かべた。コドモのような、聖女のような、娼婦のような……女神のような。
「独り占めできねぇモンはオレはいらねぇよ、仔猫チャン」
 くっくと笑って、ゆら、と腰を揺らした。
 声も出せないのか、唇だけ戦慄かせたルーシャンの両脚を抱え上げて、パトリックが優しくルーシャンの耳朶に歯を立てた。
「――――――ァンぁ…ッ」

 自分がルーシャンに感じているものは、間違いなく愛情なのだと理解している。
 ヒトデナシの愛情。雁字搦めで、呪いのような、凶暴な愛情。
 捕食者がエモノを見据えるのと同じくらいに、熱っぽく、けれど芯ではキンと冷えた感情。
 恋と呼べるほど、自分を浮かれさせたりはしない。
 けれど、失くせばどこまでもジブンが“冷えて”いくのが解った―――――だから、もう手放さない。手放す時は、ルーシャンが死ぬ時か、殺す時だ。
 パトリックの内側から溢れ出る暗く重く甘い感情を感じ取ったのか、がり、と項から肩にかけてルーシャンが爪を立てていった。
 きつく熱い内に引き絞られて、ぐる、と虎が喉を鳴らすようにパトリックが笑った。
「そう何度も言わないが、覚えとけ」
 ぎち、とルーシャンの内側をきつく擦り上げて、パトリックが唸るように囁いた。
「愛しているよ」
 腕の中で、ルーシャンがさあっと目を見開いていた。それから、きゅう、ときつく目を閉じ、ほろほろと涙を零していく。
 ジブンの背後に居る男に懸命に腕を回して抱きついてくるルーシャンを、ずく、と強く擦り上げた。
 小さな悲鳴を零して、ルーシャンが背中を反らせて身体を強張らせていた。
 たぱたぱ、と乱れたベッドカヴァの上に蜜が散らされていくのを耳に留め置き、パトリックはリズムを緩やかなそれに変える。
 ぎゅう、と引き絞られる内をゆるゆると甘く擦り上げながら、ルーシャンの耳にぬくっと舌先を滑り込ませれば、
「ぁ、…っあ、あふれ……っ、」
 泣きそうな声でルーシャンが告げてきた。
「無理ってぐらいに注いでやるよ、ルーシャン」
 囁いて、ぐう、とルーシャンの脚に両手を強く掴んだ。
「溺れちまうくらいに、愛してやるって」
 な、ルゥ。そう囁きながら、ぐち、と奥まで擦りあげた。
「だから、覚悟しとけよ」

 * * * *

 震えるルーシャンの身体を抱きこんだまま、内側に二回ほど注ぎ込んだ。その間にもルーシャンは小刻みに達していき、何度快楽を極めたかわからないほどだ。
 きつく窄まった内に屹立を打ち付ける度に、注ぎ込んだ体液が濡れた音を立てて一緒に引きずり出されるようになってきた。
 泣きっぱなしのルーシャンは、顔を真っ赤に染めて甘い声を上げるけれども、そろそろ満たされきったのか、次第に焦ったような表情を浮かべるようになっていた。
 ずる、と引きずり出す度に、ルーシャンが零すまい、と内をきつく絞り込んでくる。
 けれども、ぬくちゅ、と卑猥な音はルーシャンの努力に関わらず空間に響き。押し戻せば、ぬちゅぷちゅ、とさらに淫猥な音を立てていくのに、
「―――――っは、ぁ、ッ」
 そうルーシャンは短く蕩けきったトーンで喘ぐばかりだ。
 崩れてリネンに身体を伏せていたルーシャンは、耐え難そうにそれをきつく掴んでいた。
「ぁ、アぅ…っ」
くく、とパトリックは笑って、ぬちゅ、とルーシャンの屹立を扱いてさらにその細い身体を震わさせる。
「ぁ、も…くるし、」
「まだ入るだろ、ルーシャン?」
 息も絶え絶えに告げたルーシャンをパトリックがからかえば。みぁ、と仔猫のように泣き出しながら、
「ゃ、ァ…、零れ――――――」
 そう訴えていた。
「零れるのは、コッチか?」
 肩越しに泣き濡れた顔で、懸命に見詰めてきたルーシャンの屹立を、ぐちゅ、と撫で擦る。
「ぁあア…ッ」
 リネンの上で身を悶えさせたルーシャンの肩甲骨に沿って、ぺろりと舌で舐めて辿る。ぎゅう、と締め付けられて、くう、とパトリックが唸った。
「は、締め付けるなァ、仔猫チャン」
 ぬくちゅ、と緩く腰を揺らして、優しく内側を擦り付ける。

「――――――ャア、…ッ、お、と…っ」
 ぼろぼろとルーシャンが涙を辛そうに細めた目から零していく。
 びくりと腿が跳ね上がり。中で掻き混ぜられて熱い体液が伝ったのが、触れ合った肌から感じ取る。
「ああ、ココ。すげぇオトだよな、ルゥ?」
 ぐ、ぐ、ぐ、と断続的に短く擦り上げて、濡れ切った音を響かせる。
「ぃ、あ、っア…」
「嫌?」
 くすっと笑ってパトリックが甘く訊く。
 ぐう、とルーシャンが背中が撓むほどに身体を撓らせていた。
「ァ、トリ…っ、」
 かり、と浮いた骨に歯を立てる。
「んー?」
 ぼろぼろ、とルーシャンが涙を堪えきれずに零していく。
「ぁああッ」
 びくん、と手の中でルーシャンの屹立が硬さを増し、ぐう、と内に引き絞られた。
「ああ、そんなに咥え込むなって」
 笑って、ぐ、ぐ、と押し入れる。
「まだココに欲しいか、ンン?」
「ぃ、ぁあ、」
「イイ?イヤ?」
 押し入れるリズムを止めることなく、パトリックが訊く。
「――――――ァ、っン、ぁ、」
 首を反らせたルーシャンが、きゅう、と顔を歪めた。
「ぃ、よぉ…っ、」
 とろとろと餓えたように絡み付いてくる襞に、パトリックは喉奥で笑った。
「ン、じゃあ遠慮なく」

 緩やかにリズミカルだったテンポをトップビートに速めて、ルーシャンのポイントを擦り上げながら一気に追い上げにかかる。
「――――――――ぁ、アァア、だ、めッ、っやぁ、」
 細い指が必死にリネンを引き絞っている。
 泣き濡れた顔を、汗に濡れた金の髪をリネンにきつく擦りつけ。そのことに更にルーシャンが自分の腰を引き上げていき、
「――――――――――ヒ、ァ…っ」
 ぶるっと身体を震わせて、パトリックの手指を濡らしていった。
「…く、っ」
 下肢が揺らぎ、うねった上できつく絞り込まれて、パトリックは低く呻きながら堪えてた体液をまたルーシャンの中に注ぎ込んでいく。
「ア、ぁ、ああ…、」
 見開かれた青はとろとろに潤んで蕩け、それもまた別物の蜜であるかのように、涙をぼろぼろと零していく。
 襞が小刻みに動くたびに、こぷ、くぷ、と小さな音を立てて熱い体液が脚の間を伝い、ルーシャンの腿を伝い零れていく。
「――――――ァト、」
 うわ言めいてルーシャンに呼ばれ、パトリックはまだ震えの収まらない肩口に、そうっと唇を押し当てた。
「も…あふれ、る―――、」
「ふン?」
 かり、と軽く歯を立てて、パトリックが笑った。
「もう腹いっぱいか?」
 ぐう、とルーシャンの腹の上を押しなでる。
「なか、ぁ…、あんたで、ぃっぱい、な…」
 んぅう、と甘く呻いていたルーシャンの声が、
「っや、やぁ、め――――」
 そう焦ったものに変わっていき、くく、とパトリックが笑った。
 ぬくぷ、と音が響き、とろりとミックスされた体液が零れ出て行き。ルーシャンがまた新たに涙を零して震えていた。

「ああ、すこぉし辛そうだな?」
「ぁ、やだ…ぁ、」
 みぁああ、と酷く辛そうにルーシャンが泣くのに、くくく、とパトリックはますます喉奥で笑う。ゆら、と腰が揺らぎ。また密が零れ出て行くのに、
「ひ、っぅ、」
 そう嗚咽を零していた。
「ルゥルゥ、泣くなって」
 笑って、トン、と肩に口付け、濡れた手をルーシャンのヒップにずらした。
「だっ、って…はずか、」
 そう嗚咽に紛らわせて告げていたルーシャンが、きくん、と背中を反らせていた。
「かわいいなあ、オマエ」
 笑ったトーンのまま、パトリックが告げ。それから、ゆっくりとルーシャンのヒップを両手で割り開いた。
「ンァあっ…」
「オマエの恥ずかしいところが、ひくひく、ってしてるぜ?濡れててろんと光ってるしな」
 ひく、と逃げかけた腰を掌で押さえ込んだまま、もう僅か開かせる。
 そして、そのままゆっくりと腰を引いていく。
「ぁ、ぁ、ヤ、ゃだ、ぁッ」
 悲鳴を上げたルーシャンの縁から、泡だった体液が伝い出てくるのに目を細める。
 ぬくちゅぷちゅ、と淫猥な音が、ルーシャンが襞をひくつかせる度に引き起こっていく。
 ルーシャンが背中を真っ赤に染め、声もなく身体を震わせるのにパトリックは目を細め。腰がぎくんと逃げようとするのを、くう、と掌で双丘を割り開かせて止める。
「――――――ぁア、ットリ…、はなし…っ」
「だぁめ」
 ルーシャンの中に精を注ぎ込んだにも関わらず濡れて赤黒く怒張したジブンのモノが、たっぷりと体液を纏ったままひくつく入り口から引き出されてくるのに目を細め。やぁ、と甘く泣いたルーシャンの声にぺろりと舌で唇を舐める。
「ほら、もう直ぐ全部出ちまうぜ、ルゥ?」
「――――――ァ、あ、あッ」
 ルーシャンが必死に首を横に振り。ぱさぱさと濡れた髪がリネンに打ち付けられる奇妙に乾いた音を立てる。
「はな、し…っ、手、パトリッ…ぅ、ァっ」
 顔を真っ赤に染めて、コドモのように涙を零すルーシャンに、マサカ、と軽く返して。くん、と最後まで一気に引き抜いた。
 とろーっと塞き止められていた体液が零れ出て行き。
「ンァあ……ッ」
 びくん、と一瞬身体を強張らせたルーシャンが、とろとろと零れ続けるものに、
「っゃああ、」
 そう悲鳴を上げて泣き出していた。
 膝がリネンを乱していき、さらりとルーシャンのヒップを撫で上げる。

「イイ眺め」
「パァット…っ」
「ひくひくして、真っ赤だぜ、ココ」
 ぼろぼろと泣くルーシャンに笑いかけて、さら、と指で開いたままの内に触れる。
「あっち、」
「――――――ぁ、」
 深く嗚咽交じりに喘ぎ。それでも差し込まれたソレを取り込もうと蠢き、更なる体液を伝い零していったルーシャンの痴態に、パトリックはくくっと喉奥で笑った。
「いっぱい零れてくンなァ」
 ぎゅうう、とルーシャンがリネンを握っていく。
「パト、り…」
「ルーシャン、カワイコちゃん、すげえソソるね、オマエ」
 嗚咽に飲まれそうにか細い声で啼いたルーシャンに、パトリックが笑うように告げた。
「もっと恥ずかしいって顔、見せろ?」
 ぐら、と身体をなんとか揺らして捻ろうとしていたルーシャンが、それを達成できずに、
「――――ん、っんん」
 そう甘い声で呻いて震えていた。
「ああ、酷くセクシィだ、ソレ」
 笑ってさらりとルーシャンの腰をトンと押し、片足を高く引き上げさせて、ぐっと押し上げるようにした。
 ずく、と身体が疼いたのか、ルーシャンが甘く鳴いていた。
「――――ァト、」
 か細い声でルーシャンが言い、よろよろと片腕を伸ばしてきたのに、ぐい、と手で押して上半身をリネンに落としてやる。下半身は捻った形をキープするように片足を引き上げさせたまま、身体を落として、トンとルーシャンの鳴き濡れた頬に口付けた。

「“マスタァ”……?」
 クスリで頭を飛ばさせた時のと記憶がなぜか繋がったらしい、とろん、としたままの声でルーシャンが言ってくるのに、ハハ、とパトリックが笑った。
「アィ、マイ・キティ」
 からかうように返して、涙に重たい睫に、トンとキスをする。
「――――――もっと…、」
 目を伏せたルーシャンの瞼を、てろりと舌で舐め上げ。下半身をルーシャンの股の間に押し当てる。
「まだもう少し軽くなってからナ、淫乱コネコチャン」
 甘く呻いたルーシャンの耳朶に、唇を移した。
 濡れた体液に滑った襞から、まだやんわりと屹立したままのルーシャンの中心部まで、屹立した先端で辿っていく。
 こく、と息を呑んだルーシャンが、背中が強張らせていた。びくんと下肢が跳ね上がったことに、パトリックは目を細めて笑い。てろ、と耳朶の形に添って舌を滑らせた。
「オマエが零していくの、全部わかっちまうね」
「ァ、ん、ぅ」
 ぐぅ、と下肢を強張らせたルーシャンの脚の間を、濡れた屹立で押し撫でていく。
「――――――ァア、ッは、ぁ、あ」
「ルーシャン、」
 ふるふると小刻みに震えるルーシャンの耳元にキスをしてから、こつんと額を押し合わせた。
「淫乱チャン、カワイコチャン、ルゥルゥ・ベイビィ」
 必死に首に縋ってくるルーシャンの唇をてろりと舐め上げて甘く囁けば、
「うめて。おれを、埋めて…」
 そう甘い声で強請られる。
「もっと甘い声で鳴いて、いっぱい恥ずかしくなれ」
「溢れても、ぃ…から、パトリック、プリーズ…」
 蕩けて耳に甘すぎるほどに甘い声に、パトリックは笑った。
「んん、仔猫チャン。がっつくなよ―――――ほら、舌出せ」
 ぺろ、と火照った唇を舐めて唆し。ゆる、と舌を差し出したルーシャンのソレを咥え込み、舌を絡めながらひくつく縁に屹立を擦りつけた。
 ぬぷっと蠢く襞から零れ出る体液を屹立で塗りつけつつ、きつくルーシャンの舌を吸い上げる。
「ぅ、んンっ…」
 甘く苦しそうに喘いだルーシャンの脚が震えたことに喉奥で笑い、パトリックは挿入しないままゆっくりとリズムを刻み始めた。
 朝が来るまでに、まだまだ楽しめそうだった。




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