*11*

 なんて男だ、とルーシャンが呪詛めいて呟いた。聞こえないほどの声で。
 そして、そんなことを思う自分の馬鹿さ加減に絶望する。
 『ヒトであることを忘れない』などと、よくもいえたものだと。ヒトであるなど、欠片も思っていない相手に向かって。
 切れるほどに噛み締める唇が、それでも震えて息を零しかけることにも頬が濡れた。
 凍るような蒼が、ただ上から自分を見下ろしてくるその視線の怜悧さに眼差しが反らせなくなる。
 砕けかけたプライドにいまさら縋る自分も、どうかしてる、けれど。
 肌のすぐ下に潜んでいただけの震えが止まらなくなる。
 泣きたくなどなかった、けれど。
 誤魔化せないほどに、ちりちりと音を立てて神経が内側から焼ききれていくのがわかる。捻れ、絡み、縮れて跳ね上がり、ぐう、とルーシャンが拳を握り締めた。不自然な姿勢に置かれたままの身体が軋む。
「――――――――っ、」
 開かされた脚の間、熱が戻りかけるのに首を必死になって横に振った。
「ぅ、」
 立たされた膝の上といわず、腿にさえもキツク肌を吸い上げられた痕が残っているのが見えた。昨夜のこと。残された痕が、昨夜の情交がほんとうだったと主張する。
 ぼろ、とルーシャンの頬を涙が伝った。

「ああ、先端から零してるぞ、」
 声が、息が。ゆるりと高まった中心にかかることにさえ内腿から腰奥までずくりと疼いていく。
「…っ、」
 伝い落ちた蜜の存在を知らすように、手指が濡れた音を引き出していく、自分から。びくっと片足が跳ね上がりかけ。ロープに繋ぎ止めれたままに下肢が引き摺られる。
「っぁあ、」
 言葉にウソは無い。骨に鈍い痛みが響いてきた、足首に強く。
 ひらりとした掌が肌を、身体を滑っていくのにさえ熱を落とし込まれていく。
 絶え間なく高められ続ける中心は伝い零す蜜の落ちていくラインさえ感じ取ることが出来そうでルーシャンがきつく眼を閉じた。
 唇で、舌で、歯で。弄られることにあっけなく膝が揺れる。腰を押し上げるように爪先に力が入り、弾けそうになる。たった半日ほどの間に、身体の中身を組み替えられたようにすべてが代わっていた、塗り換わるように。
「ぁ、ア、…っく、そ…ぉ」
 チクショウ、と自身を呪詛する。こんな身体、いらねぇよ、と。
 視界が涙に霞みかける。
 身体だけ引渡しちまえば、明け渡しちまえれば、いっそどれだけラクかもしれない、と。
 覚えこまされたモノは容赦ない、底が見えない、熱い泥に呑まれ続けるようなセックス。
 従う気など無いのに。けれど、遅かれ早かれ屈するしかないこともわかっていながら、それでも足掻かずにいられなかった。必死の抵抗など、あっさりと押しやられた、二度目に同じように身体を拓く「下準備」を施される間も。犬に首輪を嵌めるのと大差ない、行為。
 ただの肉であるのに恥辱に震える自分がオカシイのか、それとも?この男の言葉のように、自分であることをヤメテしまえば。自分から脚を開いて奥に指でも突っ込めば息をするのがラクになるのか?
 嫌だ、とこの期に及んで涙を零す自分は大バカなんだろう、それでも。
 ルーシャン、と。名を呼ばれるたびに、自分に引き戻される、『オマエは喜んでるぜ?』とからかうような冷徹な声が逃げようとする意識をいやおうなく現実に突き戻す。
 腕が強張り、戒められたままの肩がぎちりと軋んだ。痛み、それも波間に引き上げられる意識を引き摺り戻す。

「っぅ、」
 嗚咽が零れかける。奥を濡らしているのは自分の零していったモノであるのに。
 ぎち、と腕を引いたせいで戒めが撓んだ音を上げ。
「ああ、悪い。そうか、足りないよな?」
 ふ、と落とされた声が理解できず、頭が一瞬空白になる。
 膝に熱い掌を感じ、次に襲ってくる身体を二つにウチから裂いていく波に身構えれば。大きく開かされ無理な状態のままに喉をそらした。腰まで僅かに引き上げられ、息を呑み、唇が開き。
 けれど。ぬるり、と酷く熱いものに奥を覆われ、下肢が跳ね上がった。
「あ…っ?!」
 びく、と付け根から腿が揺らぎ。
「真っ赤で熱くなってるぜ?ルーシャン」
 落とされた声に、見開かれた蒼から新しく涙が零れ落ちていた。
 幾度も貫かれた場所が爛れそうに熱い。ぐう、と一層脚を根元から開かされていくのに震え。
「ひくついて、開いて、物欲しそうだナ?」
 それを熱い舌で知らされ、ハジメテの行為に押し殺していた嗚咽が零れ落ちていた。
 唾液で狭間を濡らされ、舌先がくちゅりと張った薄い皮膚を押し撫でるのにルーシャンが悲鳴めいた泣き声を耐え切れずにあげていた。
「っゃ、あぁあっ」
 ぼろぼろ、と熱い涙が頬を汚していく。
 拓いたその場所に柔らかな濡れた肉を這わされ、ひく、と喉が上下する。
「ぅア、あぁッア」
 ひくついた奥に指が差し入れられ、濡れた音を存分にたてながら内側を押し開かされていくのにルーシャンが背を撓ませていた。

 不意に、片足の戒めが解かれ、ソレがびくりと空を蹴るように跳ね上がる。
「ぁあ、」
 けれど一層、肩で下肢を押し上げられ高く腰を、奥を男の前に曝すことになり、あ、とルーシャンが涙に濡れた顔を歪めていた。
「もう蕩けてやがんのかよ、」
 とろとろと蜜を零し続ける自身の熱も視界に飛び込んでき、一層表情を歪める。唇を引き結ぼうとしても、覚えこまされた内側の一点、その場所を擦りあげられ悲鳴をあげるだけになり。ぼろぼろと恥辱に涙を零す。
「ひ、ぁ、っァう、」
 嗚咽交じりに泣き声があがり、けれど指が根元まで押し込まれた縁をとろりと舌に濡らされそれが嬌声めいた音に彩られていく。
「きつく締め付けてきてるぜ?そんなに寂しかったのか?」
「っな、ぁ、そんな、とこ、やだァ…っ」
 涙を行く筋も零しながら首を必死になってルーシャンが横に振る。ずく、と腰奥から背骨を走り抜ける痺れに慄きながら必死になって訴えていた。
「そんな、しらね―――ッ、」
「じゃあコレはなんだよ?」
 いやだ、と縋るように訴えても。ぐちゅ、と酷く耳に着く音を立てて屹立を絞り上げられ。ぐ、と腰を強張らせるルーシャンに、
「ケツ舐められて感じてンだろ?」
 突き放す声に、また一層、涙を零していた。
 自身の内側を食い破りそうに渦巻き、暴れているのはただの快楽だ、と。


 *12*

 揺れる嗚咽を上げて、ルーシャンが本気で泣き出していた。コドモが泣くように哀れで、背中がゾクゾクする。
 小刻みに差し込んだ指を揺らしながら、執拗に舌で舐め上げ、時折ひくつく境界を音を立てて吸い上げる。
「ぃ、ヤぁ…だ、やあぁ、っ」
「嘘ばっかり。足りなくて締め付けてきやがるクセに」
 ひくりと拓く襞に笑って、ぬく、と指で内側を擦り上げる。
「―――――ひゥッ」
「ちっとも指一本じゃ足りてないんだろうが、ルーシャン」
 舌先で境界を擽るようにすれば、ゆら、と腰が揺らいでいた。
「オマエの身体は素直だからな。欲しくて欲しくて堪らないんだろ?」
 片手で扱いていた屹立の先端からは、あとからあとから雫が湧きあがっては伝い零れてくる。ちらりと視線を跳ね上げれば、ふわ、と天上を見上げる双眸に涙が盛り上がっていくのが見えた。
「指一本じゃあちぃっとも足りねぇなあ、ルーシャン?」
 ふるりとルーシャンが身体を震わせた。
 締め付けてくる内側に笑えば、ふる、とルーシャンが首を横に振った。
「ぃ、らな……、ヤダ、やだ」
「ふン?いらねえ?」
 鼻で笑って、指を動かすのを止めた。
「じゃあ弄るのは止めてやろう」
 ぐ、と最奥まで指を差し込んだまま、舌先を張った袋に移した。
「ココは、たまんねえって主張してるけどな?」
 ぐちゅ、と手の中で屹立を絞り上げる。
「No, plea……se,」
「Please what, kitty?」
 何をお願いしたいんだ、仔猫チャン?と精嚢に吸い付きながら訊いてやる。
 きゅう、と指をキツく絞り上げられて、喉奥でくくっと笑う。
「Please, don't…(よして、くださ…)」
 しゃくりを上げながら、ルーシャンが初めて懇願する。
 くう、とパトリックが薄く笑った。止まることのない涙が零れ落ちていくのを見詰めながら、ぺろりと屹立を根元から舐め上げた。
「Please don't what?」
 なにを止してほしいんだ?としゃくりを上げるルーシャンに訊く。
 ぴくりとルーシャンの屹立が跳ね上がって、緩く雫が飛び散った。
 ほろほろ、と頬を新たな雫が零れていく。

「こないで、」
 継がれた言葉に、ハハ、とパトリックが笑った。
「あン?ファックすんなって?」
 てろ、と屹立を舐め上げる。
「こんなに蜜零し捲くって、ファックするなって?」
 ふる、とルーシャンが腰の奥から震え上がっていた。
「オレの指を折りそうな勢いで締め付けておいて、ファックはするな、って?」
「――――――――こ、わぃよ……っ」
 ひくう、とルーシャンが嗚咽を零し。ぼろぼろと涙を溢れさせていく。
「怖くなんかねぇだろうが。昨日も散々イきまくって、平気だっただろうが」
 てろり、と先端まで屹立を舐め上げる。
「カウパーも精子も零し捲くって、散々ヨがってたじゃねえかよ」
「ひ、っぁ、アぁ……っ」
 びくりとルーシャンが身体を跳ねさせた。戒めを解いた足が肩の上で跳ね上がる。
「何が怖いんだよ、仔猫チャン?オマエを頭から喰ったりはしねえってもう解ってるだろうが」
 ちゅく、と掌で屹立を押さえ込み、薄い皮膚をきつく吸い上げる。ぐう、とルーシャンが目を閉じていた。けれど感じていることは隠せずに、指が体内で締め付けられる。
「じゃあオマエに乗っかんないでいるとする。ソレでオマエは満足できンのか?」
「し、たくな……ぃっ」
 コドモのように嗚咽を上げたルーシャンに、ハハ、と軽く笑った。
「ファック以外でオマエ、どうやってオレを楽しませるつもりなんだ?」
 言ってみな、一応聞いてやるよ、と優しく告げる。
 ほたほたほたほたほた、と新たな涙が零れ落ちていく。
「ポエトリィだの、アラビアン・ナイトには興味が無ェぞ、オレは」
 びくりとルーシャンが身体を跳ね上げさせた。パトリックの言葉の端から、身元がバレたのが解ったのだろう。真っ直ぐに、涙を湛えたブルゥアイズが見詰めてくるのに、くう、と目を細めた。
「オレがシャハラザードと対面した王なら、間違いなくその場でブチ殺すぜ?」
 ぺろ、と舌を舐め上げながら告げれば。縋るような眼差しでじっと見詰めてくるのに、首を傾げる。
「寝物語もピロートークもいらねえ、となると、オマエは何ができるんだ、ルーシャン・カー?」
 ぼろぼろ、とコドモみたいに首を横に振りながら泣いているルーシャンに、パトリックは薄く笑った。
「そうだろう?じゃあ大人しくファックされとけ」

 ひ、と仔猫が鳴くようにルーシャンが嗚咽を零した。
「酷くなんかしてねぇだろ?ココは締め付けてくるくらいにキモチガイイんだからな、仔猫チャン?」
 ゆる、と沈めたままの指を揺らして、てろりと屹立を舐め上げる。
「あぁあ、っ」
 甘い絶望の慟哭を零したルーシャンの濡れた先端をちゅくりと吸い上げた。
「オマエなら壊れたりしねえよ、残念ながらな。オマエのココは驚くほど快楽に従順で、具合がイイからな?」
 とろりと新たな雫が湧きあがって伝い落ちたのを、ぺろりと舐め上げながら先端を舌で穿る。
 そのまま、ゆる、と指を引き抜いた。
 ぐう、とルーシャンの肩がリネンに沈み。内側から引き出したばかりの手で、反対側の足の戒めも解く。
「仔猫チャン、怖けりゃ目を瞑ってナ」
 自然と揺れた両足を引き上げて、両腕に抱え上げた。スラックスを緩めて、中で滾っていた熱を引きずり出し。軽く撫でて濡れた雫を塗り伸ばす。
 涙が止まらないままに見上げてくるブルゥアイズが、快楽に意識を失えずにいるのに、くすりと笑った。
 ぁあ、ぁあ、と。どうしようもないことに泣くガキに、くう、と片眉を跳ね上げる。
「ほら、息抜け」
 自分の屹立を手で掴んで、ぐ、と入口に押し当てる。
「息詰めてると裂けるぞ」
 しゃくりを不規則に上げ、それでも恐怖から息を詰めたルーシャンに、くう、と笑う。

「す、れば、ぃい…っ」
「ああ、するとも」
 えぐ、と泣いたコドモが、パトリックが告げたヒトコトにひくりと息を呑んだ瞬間に、ぐう、と押し入れた。拓くことを覚えこんでいた入口が、ふわりと開いて屹立を迎え入れていた。
 ひく、と息を呑んだガキが、次には何かを失くしたかのような声で慟哭した。
「――――――ぁ、ウぁああ…ッ」
 あまりに哀れな声をルーシャンがあげたのに、パトリックは低く喉奥で笑った。
「たかだかファックだろうが」
 ぐい、とルーシャンの震える細い腰を抱え上げて、背中を浮かさせた。そのまま手を回して、手の戒めを解いてやる。のろ、と酷くゆっくりとした動作で背中側から引き出された手首には、くっきりと縄の跡が出来ていることに、パトリックは片眉を跳ね上げた。
「暫く痛むぞ、ソレ」
 ひぃん、と泣き声を上げて両手で顔を隠したルーシャンを見下ろしながら、パトリックは抱えていた腰を引き上げなおした。
「バカなガキだ、オマエ」
 ぐぐ、と最奥までゆっくりと突き上げながら告げ。ぐう、と内側で締め付けられて、ハ、と息を吐いた。
「しょうがねえな、オマエ?」

 更に咥え込む様に内側は蠢き。けれどルーシャン自身は身動きひとつできないことに、ふン、と鼻を鳴らした。
 ぐ、ぅ、と口許まで押さえ込んでいることに、溜め息を吐く。
 ルーシャンの細い手首を掌で一纏めに掴んで、ぐい、と上げさせた。そしてそれをリネンに押し付けて顔を曝させる。
「――――――――っ、く」
「おい、ルーシャン」
 ぎゅう、とカオを歪めたコドモの頬に、するりと唇を滑らせる。腕を元の通りに下ろそうと震えるのをリネンに押し止めて、目尻に唇を滑らせた。
「1ヶ月だ。たったソレだけで許してやるよ」
 ちゅ、と。瞼の上にも口付けを落としてやる。
 くしゃくしゃに泣き顔を歪めたガキの手を離してやり、代わりに背中を引き上げさせて抱き止める。
「オレは嘘は言わねぇよ、オマエみたいなガキ相手にはな」
 火が点いたかのように暴れ始めたガキの背中を抱き寄せたまま、ぐ、と軽く腰を揺らした。抱え込んだ腕の中でじたばたと揺れる足を体重で押さえ込む。
「ィ、やだ……ぁ、あぁ、ァッ―――っ」
「ハイハイ。オマエのイヤダはイイ、だもんな」
 じたばたと暴れるガキに無理矢理唇を合わせて、ずく、ずく、と遠慮なく屹立で内を突き上げ。ガンガンと肩を力ない拳で叩かれ、足が暴れるのにも構わずに体重で落とし込むように突き入れる。
「――――――んぅ、っぅうっ…」
 喉奥にくぐもった泣き声混じりの悲鳴が零され。ぐう、とルーシャンが背中を浮かせて距離を作ろうと足掻く。

 身体の間に手を差し込み、ルーシャンの屹立を、ぎゅう、と握りこんだ。ほんの僅かだけしか力を失っていなかった濡れた熱を、揉み上げるようにする。ぼろぼろと泣きながら嗚咽を零したルーシャンの唇を舌で舐め上げ、甘く啄ばみながら遠慮なく突き上げていく。
「――――――っぁうう、」
「ほら。怖いモンなんか何も無ぇじゃねえかよ」
 ぐ、ぐ、と突き上げながら言えば、舌に噛み付いてこようとしてきたから、くう、とパトリックは笑った。身体を浮かして、濡れた手で、ぐ、とルーシャンの喉元を掴み上げる。
「チャレンジャーだなあ、ほんっとオマエ」
 ぅ、と。喉奥で息が潰れる音がし。同時に内側も締め付けられるのに笑った。息が漸くできるだけのスペースを開けて、きつく律動を繰り返す。
「死にたいってンなら、止めねえよ。勝手に死ねばいいさ」
 ン、ゥ、と息苦しそうにルーシャンが喘ぐ。意識が落ちかけては戻らされることに、眉根をぎゅっと寄せたまま止まらない涙を零していく。
 最後にぐっと喉奥を締め上げてから、掌を胸の方に滑らせた。
「ただオマエは生きることを一度選択した。オレにオマエの自殺幇助をさせるな」
 くたりとリネンに沈んだままのガキにきつく屹立を押し込みながら、さらさらと掌で熱い身体を撫で上げる。
「オマエヒトリ殺すぐらいなんともないがな、そんな風に甘えられても迷惑だ」
 はらはらと涙だけを零すことが精一杯のルーシャンが、両手でまた顔を覆っていった。
「死にたいなら自分の意思で死にナ、クソガキ。テメェもオトコなら、ヒトツぐらい遣り遂げてみろ、その空っぽの人生の中でよ」
 熱く火照った体のあちこちに散った色とりどりの痣に、パトリックは笑った。
「素直になれねぇのなら、また素直にさせてやるよ。オマエが中毒になったってオレは困らねえしな?」

 ぐう、と、顔の上で拳を握ったルーシャンのうちが、きゅ、と締め付けてくるのに、パトリックが笑った。
「オマエはこうされてンのがスキなクセに、なにに足掻くかな」
 揺さぶられるままに揺れる両足の間の、そればかりはきつく張り詰めたままの屹立を、ぎゅう、と絞り上げる。
 酷く悲しそうな嗚咽をルーシャンが零したのに、は、と笑って屹立を引き抜いた。
 身体を無理矢理伏せさせて、腰を上げさせ。泣いてばかりいるルーシャンを背後から貫きなおした。
「――――――――ひ、ゥあ…ッあ、ア―――、っ」
 ぐう、と撓んだ背中越しに、また屹立を掌で包みなおし。ゆらゆらと緩く腰を揺らしながら手の中で揉みあげていく。
「足掻くのなら、やってみればイイさ。どれだけオマエがファックを好きなのか、徹底的に自覚させてやるよ」
 濡れた先端を、ぐり、と親指で擦り上げた。
「アァア、ッ」
 悲鳴混じりに嬌声を零したルーシャンの腰骨をキツく掴んで突き上げながら、パトリックは柔らかな声で囁いた。
「今日の夜も長いと覚悟しろ?優しくはしてやらねえよ」




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