All For You 【オーディオ・コメンタリ―版】

DVDなどの特典で。監督や出演者が画面をみながら談話してる声の入ってるやつ、ありますよね?
ALL FOR YOUの編集段階で図らずもその状態になりました。本編の製本化にあたり、特別バージョンで
再公開いたします。編集作業のデティールは読みやすさ優先のため割愛してあります。そしてコメンテーターには
両イタコと、下記のキャラを呼びつけております。色分けをこれでもしたつもり。

コメンテーター:一覧
武藤れむ
武藤家ゾロ(パラレル)・俗称『ロクデナシ』
二矢
二矢家エース
シャンクス
ベックマンさん


アラバスタを出航してしばらく経った後。
ゴーイングメリー号は、ある海賊団から襲撃を受けた。
新たな仲間も加わり、気分も一新した後のことで。彼らは、無事にその海賊団を、撃退することができた。

そして、数日後。
<改行してみましたv<ういっすvv
アラバスタでの戦闘で、手持ちの薬草などを使い果たしたというチョッパーの一言で。
一同は、とある無人島に寄って、チョッパーが必要としている植物などを採取しに行くことにした。
ルフィは最初から、島に上陸する気満々で。
チョッパーが行かなければ、話にならず。
ナミは、羽根を伸ばしに森林浴をすると言い。
ロビンは、チョッパーと意気投合。植物の分布などが知りたいと言った。
この4人が降りるとなると、居残り組みに回されるのは避けたいとウソップは考え。
よって、ゾロとサンジが船に残る事となった。
島の大きさから考えて。探索する、と大騒ぎするルフィの好奇心を満足させるには、3日間の滞在で足りるだろう。
そうナミは判断し。
一行は、3泊4日の予定で、島にキャンプをすることにした。


「じゃあ、行ってくるからな!!」<ろ>ガキだな。<やたっvvロクデナシ登場だわvvv
ルフィが大声で叫び。
「ちゃんと、変なのがこないか、見張っとけよ!!」<ろ>「はは!それどころじゃなかったなぁ!!」
ウソップが笑い。
「ほどほどにね」<ろ>「適わないな、ナミには。(苦笑)」
黒い尻尾を揺らしてナミが笑みを浮かべ。
「行ってきます」<ろ>「結構カワイイよなぁ?(にぃ)」
チョッパーが大きく手を振った。<医者として、後になってちょっと怒るかなぁ(笑)
ロビンは何も言わず、ちらりと二人を見て。<ろ>「はぁん。何か感づいていやがるかな?(にぃ)」<とーぜんでしょう、
ロビン姐さんだもんv

そうして5人は、島の散策に向かったのだった。

「いってらっしゃい、お嬢様方、とヤローども!何か採ってこねぇと承知しねぇぞ」
などと、いつもの通り手摺越しに賑やかに見送り、だんだんと全員の姿が紛れていくに連れて、手摺を握る
自分の掌にじわりと汗が滲むのをサンジは感じ取っていた。クソ、と言葉を噛み殺し勢い良く振り向いた。
「おら、てめえは無駄に突っ立ってンな。邪魔だ失せろ」<ろ>「いかにも、なセリフだな。(笑)」

「なんで残ってるンだよ、うぜえなー」
「ルせぇな。テメェこそ行けばよかったじゃねぇかよ?」
フン、とゾロは鼻を鳴らして、サンジに言い返した。<ぞ>「おーおー、ガキだねぇ。(笑)」<ロクデナシ喜んでるし。(笑)
「アン?おれはねぇ、てめえなんかとちがってここでやることがやァまとあンだよクソ呆け」
「ベツに今日やろうと明日やろうと変わンねェことばっかだろうがよ」
頼む、とサンジは何かに祈りたかった。頼むから、はやくどこかに行ってくれ、と。さもないと、ヤバイ、と。
けれどゾロは、眉根を寄せて、サンジを見つめている。

背を、ひどく冷たい汗が伝ったのを感じる。これはヤバイだろう、と。どこかで意識するけれども口は勝手に言葉を紡ぎ出す。
何か言っている、ハハ、ゾロのアホが恐ぇツラして―――。
「なンだとテメェ。オレに八つ当たりすんのもいい加減にしやがれ!」
「うるせえ、おれは忙しい。てめえに関わってるヒマなんざねえ」
言い捨て、そのまま歩きだせるはずだったのだ、自分の計算では。
なにかが、わんわん言ってる、これはゾロだろう。自分は、きちんと不遜なカオを作れてるか?

むぅ、としながらも。ゾロはサンジの調子が、いつもの通りではない事に気付いていた。
どこか、おかしい。
そう思いながらも。フツウを装うサンジに。ならば、勝手にしろ、とむしろ傍観するような気持ちでいたのだ。
意地を張っているサンジには、何を言ったところで通じはしない、と。

右半身がひどく重いなと。不思議とそんなことを思っていた。
今朝から、特にそうだ。鼓動のたびに疼くようだった痛みは拡散して、身体全体に沁みていったように感じ。
おかげで、いま。なにやら冷や汗までかくテイタラクだと。それもこれもこのアホウがいなくならないせいだ。
どっかい行け、たのむから。掠れてる、・・・これは自分の声か? <ろ>「どっかいけ、とはひでぇなぁ!(笑)」<笑ってるし。(笑)<ロクデナシ〜〜〜vvかっこいいぞう!!

「だからてめえが、」
サンジが、何かを言っていた。
けれど、何を言っているのか、判らなかった。口の中で、何かを呟いていて。
「おい、何言って…!」
なぜかイライラしたまま、じろりとサンジを見上げた。
その瞬間、目に飛び込んで来たのは。
やけにゆっくりと、崩れこむように倒れるサンジの姿。

「おいっ!サンジ!?テメェッ!?」<ろ>「焦ってやがる」<あたりまえだろうに。(笑)
バカみたいに慌てた自分の声。けれど、そんなものに気を回す余裕は無い。慌てて、サンジの元に駆けつける。
身体が甲板に辿り着く前に、なんとかサンジの身体を受け止める。

熱い。
それが、その瞬間に思ったこと。
クソコックの顔には、冷や汗が浮かんでいて。触れた先がやたらと熱っているのに、顔面は蒼白だった。
「おい、サンジ!?テメェッ…!!」
この症状は、解る。何度か自分で体験したからだ。
そういえば、数日前から、サンジの動きが変だった。立っているのすら、辛そうだった。<ろ>「おいおい、もっとちゃんと気付いとけよ。(呆)」
機嫌が悪い日が続いていて、いつもより辛辣だったサンジ。しかし言い返したゾロに、いつものように蹴りを
繰り出したりしていなかった。
不意に、事態を理解した。
「…ンのばかっ!!!」
どこか、ひどい傷を負っているに違いない。でなければ、こんな状態にはならない。<ろ>「おーおー、慌てちゃって。 (笑)」>なんだかロクデナシの発言がとても気になる(笑)

「チョ…っくそッ!!!」
チョッパーを呼ぼうとして、いないことに気付いて舌打ちした。
呼吸が浅い。相当酷い傷なのだろうか。
けれど、応急処置を施そうにも、肝心の船医は、無人島のどこか。探しに行っている余裕はない。
「クソ、なんで黙ってやがった、テメェ!!!」<ろ>「意地っ張りだからだろう?」<そんなあっさり言うなよ〜。(笑) >余裕でロクデナシ御見通しvvこの組み合わせなら19のガキんちょなんてあっさり掌の上だね(笑)
どこだ、どこにケガしやがった?庇っていたのは…足だ。思い出せ、どっちが辛そうだった?
パニックになりそうな自分を落ち着かせながら、サンジのベルトに手を掛ける。
バックルに手間取ってイライラしながら、やっとのことで、ズボンを下ろさせた。<ろ>「ベルトなんかにしてやられるなよ(苦笑)」<だってチンピラだしねぇ!(笑)
目に飛び込んできたのは、グルグル巻きの包帯。
右の太もも。血がじんわりと滲んでいる。
「…クソッ!!」
止血剤を貰った形跡はなかった。
サンジがケガをしていることを知っていたら、チョッパーは船を下りたりはしなかっただろう。
ということは、サンジは誰にも言わず、この数日間、この傷が齎す痛みを耐えていたということになる。
「こンの、意地っ張りがッ!!!!」
目を覚ましたら、絶対に引っ叩く。
そう決意しながらも。
このまま、コイツが目覚めなかったら、どうしよう。そんな焦りが、ぐるぐると渦巻く。

「…ッ」
ぎり、と唇を噛んで。サンジを抱え上げる。
どこに運ぼうか、一瞬迷い。けれど、他にサンジを寝かせられる場所を思い浮かべることができず、ラウンジに向かった。
ソファの上に、サンジを横たわらせて。
サンジの傷は、ゾロにはどうすることもできない。
キツク縛りなおして、止血させるだけだ。けれども、今問題なのは…。
「…緊急事態だからな、後で文句言ったらブッ殺す!!!」
いまだ意識を回復しないサンジに言い放ち。
先ずは、発熱をどうにかさせるために、氷を取りにキッチンへと向かった。
チクショウ、さけんじゃねぇぞ…ッ!!
そう心の中で毒づきながら。

うい。こんなところで1はおしまいねv ロクデナシのツッコミって、いちいち余裕。(笑)
同感っすvでも、うすーくわらってる余裕の笑みがカッコいい(笑)同じ年になってもきっとチンピラにこの余裕はない??(笑)



重い、
真っ暗な中で思った、のだろう。
四肢の先から、溶けたかと思った。こんなンなら無い方がマシだと。
文句の一つも真っ暗ななかで言いかけてそうしたら、何かが暗い中に穴をあけた。
冷たい、いい気分だ。
それに、どこか懐かしい気がした。どこだっけ、おれは 
さらりと。頬?おれの―――?拭われる。
手だ、これは。
―――だれのだ、なんでおれ。うごけねえの・・・?
ちがうだろ、暗いんじゃない。目、開けねぇと

「…サンジ?」

聞こえた、これ
これ―――ああ。ヤツじゃねえか


何時間かぶりに、サンジが小さく身じろぎして。
小さく、安堵の溜め息を吐いた。
「サンジ…?」
けれど、その声を聴くまでは。


なに、アホみてェな声だしてやがる、・・・てめえ >シンパイしてるんじゃン(苦笑)


その、青い瞳は開くのを見るまでは。
安心できなくて。
そうっとサンジの頬に、指を滑らせた。

「―――せ、」
乾いた、小さな声。
だけど、それは紛れも無くサンジ自身の声で。


ぼんやりとした薄闇が、落ちていた。ここは、ラウンジだな、と。そんな事を思った。
そして、この。
自分を呼ぶのは。


「…くそっ、心配させやがって…ッ」<とってもらしいよねぇ、チンピラ。(笑) >これで、平行線が決定したねv
「……うるせえよ、クソゾロ」<ろ>「でもって、サンジもらしいな(笑)」 >意地張ってるなあ、と。でもまさか100近くなるとは(笑)

薄く開いた瞼の間から、サンジの青い瞳が覗いた。
なんだかひさしぶりに聴いたような気がする憎まれ口に。ゾロは、ほうっと安堵の溜め息を吐いた。
「…くっそッ、マジびびった…ッ!!!」
ダイジョウブか、とか。
オマエが無事に意識取り戻してくれてよかった、とか。
かけてやりたいコトバは数はあれど。
どう伝えていいのか解らず。


間抜けづら、とどうにか言葉に乗せた。
さもないと、なにかトンデモナイことを言いそうになりそうだったから。<ろ>「まったくもって、その通りだよなぁ(くくくっ)」 >わらってるだけでかっこいいぞ!!!


なぜか震える指で、サンジの前髪をかきあげた。
「バカヤロウ、だれが…ッ」<ろ>「オマエだろ?(笑)」
マヌケ面だ、と続けようとしたが、そうできず。
はぁ、と息を抜いた瞬間、身体の力が抜けた。そのまま、サンジの上に、もたれかかる。
胸に耳を当てると。確かにリズムを刻む心臓の音。
不覚にも、涙が出そうになった。>ちんぴら〜〜〜〜〜vvvvv


「重てぇよ、アホウ」
自分の声がまだ遠くに聞こえる。熱に、紛れも無いこのオトコの放つモノに。深く吐息をついた。
>安心してるくせにねぇ。


目を閉じて。
「ルせぇ、バカが…」
声にも力が入らない。
しかし、ずっと覆い被さっているわけにもいかず。
ゾロは、己の身体を叱咤して、どうにか状態を上げることができた。
サンジの顔を覗き込む。
大分と、血の気の戻った顔。
まだ熱が下がりきらないのか、頬がうっすらと上気していて。
掌で、サンジの額を撫でる。
確かな熱。

ぱたんと落ちる自分の腕を、別モノのように感じて笑い出しかけたが。
自分を覗き込んでくるゾロの眼差しに、表情を戻した。>いじっぱりもこうまでくると。はあ。

生きている。
ちゃんと息をしている。
それだけが、酷く嬉しくて。
「…心配、させんな」
掠れる声。<ろ>「はぁん、結構小心者だな?」<オマエだってそんな余裕ないだろうが。(笑)

「最初ッから、」
一つ、息をついた。
「さいしょから、そのつもりだった」
「煩わせるツモリなんざ、無い」
「てめえも、ほかの誰も」<すっごいらしいよねぇ!!!!(喜)

「…心配させんな、頼むから」
サンジが零した言葉に、一つ、息を吐いて。
「心臓が…止まるかと思った」

「頼んでねェ」
息が止まるかと思った。ゾロからその言葉を耳にしたとき。<ろ>「まぁ、らしくねぇ、ったららしくねぇしなぁ」<あら、本当はとてもちんぴららしいと思ってるクセに。<ろ>「ルせぇよ。(笑)」 >たまに、ぎくっとするくらい、素直な心情を吐露するのがチンピラのろくでもないところvvv

「…サンジ」
なんでそんなこと言うんだよ。<追加で。 <いいねえ!!(喜)
「心臓が、マジで…止まるかと、思った」
低く擦れた声。
自分の声ではないみたいだ。
泣きそうに勝手に震える声。
マジで、心配でたまらなかったのに。
なんで、そんなこと言うんだよ、サンジ。3行追加で。<せつないぞう!!!(喜ぶなよ)

「余計な手、出すなよ。こんな傷、なんでもねえ」
気丈なサンジの言葉に溜め息を吐いた。<追加で。 <あうち。気丈なだけだ(苦笑)
「なんでもない傷なら、倒れたりすんな」
「るせえよ。ただ気が抜けただけだ、」 
「オマエがさっき、倒れたとき…もう、二度と。オマエが起きないのかと思った」

「ちょっとばかり……」
言葉を飲み込み、半身を起こしかけ。自分に向かって伸ばされる腕に、眼を取られた。

まだ震えの止まらない手で、サンジの前髪を掻きあげる。
「―――バカにすンじゃねえよ、てめ……」
「…オレは医者じゃねぇ」
きり、とサンジが乾いた唇を噛み締めた。
ゾロは祈るように、告げる。
自分でも解るくらいに、硬い声。2行追加でv <すてきだvv
「だから、オマエが倒れたりとかしたら、どうしたらいいのか、わかんねぇ」
オレじゃ、オマエを助けることは出来ない。だから。
「だから。隠したり、すんな」

添えられたままの手を振り払いかけ、ぎくりと動きが宙で止まった。
「頼むから、素直にチョッパーに観てもらってくれ」
そんなゾロの言葉に。
けれど。 
「てめえに言われなくてもそのツモリだよ。それに、これはおれのプライドの問題だ。てめえには関係ねェ。」
ひたりと相手を見据えて。言い切った。

「…そうかよ」
なら、中途半端なマネ、すンじゃねぇ。そう言おうとして、けれど、サンジの熱がまだ高いことを思い出して、
口を噤んだ。
「放っときゃ良かったじゃねえかよ」
サンジはそう言って、今度こそ床に足を下ろそうとし、傍にある相手の肩を押しやるようにした。
そんなサンジの言葉に、ゾロの中でふつりと怒りが湧き上がった。
思わず言葉が零れた。
「…ああ、そうだな。テメェなんか、ほっときゃよかったぜ」
そうして押しやられるままに、身体を離した。<追加よんv <よりドラマティックvv

離れていった身体。ふい、と視線をあわせた。自分を見据えてくる眼は、光を乗せているようだった。
硬い、それでも透明な翠。場違いに、ああキレイだな、と。サンジは思った。

「…どうせ、オレなんかに面倒見られるのは、イヤだってンだろ。なら」
低い、低い声が、勝手に言葉を綴っていくのを、ゾロは感じていた。
「勝手にしやがれ」
抑揚の無い声。
いっそ笑えてくる。
結局は、自分のひとり芝居だったのだ、と。

その光を追い出すように、きつく瞬きをした。そして目を伏せたまま、「そうする、」と。
サンジは答えていた。

「…テメェなんか、知るかッ」
ゾロはガッ、と床を殴りつけた。思う様。
「もう、いい。じゃあな」
涙が零れそうで。
サンジの顔が見れないまま立ち上がった。

「…バカヤロー…」
ドアの外。ゾロは力なく、呟く。

ソレを作る前に、何かが断ち切れたように。この空間がまた閉ざされたのを知った。
「オレなんかにさ、煩わされんなよ、てめえ」
言葉に乗せ、ああそのとうりなんだよと。酷く情けない気分になった。
巧く、コイツの一番嫌いな笑みをつくれたかなと。一瞬懸念したけれども。ラウンジを、出て行った。
バタン、と酷く大きな音がして。扉が閉まった。

オマエは、オレなんかにわずらわされてるんじゃねえよ、ゾロ。
どうしようもなくて、目を閉じた。


ろ>「つっかさぁ、その“追加”って、別に書かなくてもいいんじゃねぇ?色分けで解るだろ?」
あ、どう思う?
ろ>「消すとき、面倒だと思うけどな」
うーん、ロクデナシの一言にもなんだか説得力が。(笑)どうかしら?



next