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 甘い声が耳に響く。
 もう慣れてもいいだけの回数を抱いたのに、まだサンジはどこか羞恥を捨て切れずにいる。
 耳朶に唇を寄せる。
 「エッチな声」
 低く囁きを落とす。
 「…ッん、ン」
 唇を閉じたサンジに、低く笑った。
 腰を抑えていた手、それを軽く舐めて濡らし。サンジの唇に押し当てる。
 びくんと揺れた身体に合わせて、奥に突き入れる。
 「聞かせろって」
 軽く耳朶を舐めてから、キツく歯を立てる。手は零れたもので濡れたサンジの熱を軽く握ったままだ。
 「―――アぁあ……っ、」
 甘い声が上がり、部屋自体までが溶けそうに思える。
 開いたサンジの口に、指をそっと二本揃えて、押し込んだ。覗いていた赤い舌を押さえる。
 深く、浅く、サンジが喘ぐ。
 「ん…っぅ、」
 そのリズムを掻き混ぜるように、奥を小刻みに突く。
 「あっちぃ、」
 くちゅ、と舌を絡められ、笑った。
 はぁ、と吐息が零れていった。
 とろ、と唾液が指を伝い。手首を伝っていく。きゅ、ときつく締め付けられ、また小さく笑った。
 
 「すげぇイイよな、サンジ?」
 ぐ、ぐ、と押し込めば。荒い息のまま、それでもサンジが指を吸い上げていった。
 掌で熱いサンジを扱き上げる。くぅ、と撓んだ背中が胸板を擦りあげる。
 「イケそうか?」
 きゅ、と締め付けられ。感じたらしいサンジが震えていた。ぐい、とサンジの上体を腕の力で引き起こす。
 「んんんっ・・・」
 喘いだサンジの口から指を引き抜き。小さな乳首を濡れた指で弾いた。
 「アッ、」
 「すげえ、キツ…ッ」
 びく、と跳ねたサンジの首筋に唇を這わせ。
 強く小さな尖りを摘み上げながら、きつい内に打ち付ける。
 頬を寄せようとしていたサンジに気付き。その頤に舌を這わせてから、口端に口付けた。
 「ンッ、あ……っぁ」
 蕩けた声に誘われるように、ぺろりとサンジの赤く熟れた唇を舐める。
 ゆるゆると内を穿ちながら、上体を掌で辿った。
 
 潤んだ蒼が視線を絡ませてき。赤い舌先に誘われるまま、舌を滑り込ませた。くちゅ、と絡ませる。
 あ、と。開いた唇を塞ぐように体を乗り出し、口付けを深め。ぐ、と奥まで強く、一気に押し込んだ。
 腕の中でサンジの体が奥深くから震え。びくりと熱が零されたのを、目で捉える。
 きゅう、ときつく閉じられた目じりからは透明な涙が零れ。ひぅ、と息を呑んだのが聞こえた。
 淡い色合いのリネンに、濡れた染みが広がる。
 動きを止めて、深い口付けだけに専念する。
 ふるふると小刻みに震える身体は、熱を持って酷く熱い。震えが収まるまで口付けで宥め。
 そうっとサンジの内から楔を引き出した。
 ふるっとまた大きくサンジの体が震え、内が引き止めるように締め付けられた。
 「やっ、」
 短く喘いだサンジの頬に口付ける。
 「これで終わりなワケがないだろ?」
 透明の涙を舌で掬って吸い上げ。ぺろり、と。濡れて重たくなった睫の上を辿る。
 「まぁだ気持ちよくなれるもんな、サンジ?」
 
 ゆっくりと瞼が開き。
 潤んだ蒼が間近で真っ直ぐに見詰めてきた。熟れた赤い唇は半開きで、甘い吐息を零し続けている。
 背中越しに伝わる心音は、とくとくと早い音を立てて鳴り響いている。
 きゅう、と眉根を寄せたサンジの肩を、軽く吸い上げる。
 「……きくなよぅ、」
 ぽろぽろと涙を零すサンジを見詰め、目を細めた。
 に、と口端を引き上げる。
 「それでこそ、」
 ぺろ、と頬を伝った涙を舌先で舐め取った。
 「オレの愛するアンジェロ」
 腕の位置を代え、サンジの身体をリネンにゆっくりと下ろす。額をあわせ、間近で見下ろす。
 「キレイでかわいい、オレの天使」
 ゆる、と脚を引き上げたサンジの目尻に口付ける。
 「貪欲で、素直で―――サイコウだな」
 に、と笑いかけてから、サンジの膝裏を掌で撫で上げた。
 「ぁ、」
 濡れた吐息が間近で零される。
 「おまえが、つくった、」
 濡れて溶けていきそうな声が、告げてくる。艶めいた表情は、純粋で、享楽的で―――キレイだ。
 ぺろ、と。唇を舐める。
 「オレはただオマエを愛しただけだぜ?」
 「拓いてく、ぜんぶ。おまえに逢ったから、」
 泣きそうな表情を浮かべたサンジの額に口付ける。
 「埋められないと、もうおれじゃない」
 おまえだけに。
 そう囁くように言ったサンジに笑いかけてから、そうっと身体を繋いだ。ゆっくりと拓いていく身体に呑まれていく。
 
 「こんなに時間をかけて愛したのは、オマエだけだ」
 に、と笑い。奥まで再度埋め込みながら告げれば。
 サンジが短い息を零していた。
 熱を持った内側が、蠢いて締め付けてくるのに。笑みを浮かべる。
 「アンジェロ、オレのサンジ。もっとオレを喰ってキレイに育ちな」
 はむ、と。唇を啄ばむ。きゅ、と脚が絡んできて、また笑う。
 それからゆっくりと腰を引いた―――同じだけの時間をかけて押し入れる。
 その繰り返し。
 くう、と喉を逸らしたサンジの喉元に、軽く歯を立てた。
 「ァッア、」
 身体の間でサンジの熱が、弾けそうに蜜を零しているのを感じ。腹で擦れるように、楔を打ちつける。
 「ぁあ、ア、あ……!」
 腰にちり、と熱が走った。熱いサンジの指先が、裂いていく。
 とろ、と腹に熱く濡れた感触が広がった。
 ぐ、と奥まで押し込んで、低く唸る。
 堪えきれずに、じんわりと溢れた体液が、まだやんわりと力を持ったままの熱に掻き混ぜられて、濡れた音を立てる。
 「は、っぁ、」
 サンジが喘ぎ、浅く上下を繰り返す胸の上に肌を合わせた。
 手を伸ばし、双丘の割れ目に沿って、指を滑らせる。
 
 「ぞ、ろ、」
 酷く嬉しそうに名前が呼ばれ。ひくっと体が揺れていた。
 濡れた前髪を額から空いたほうの手で退かし。柔らかく唇を啄ばんだ。
 「オマエが愛しいよ、サンジ」
 ゆる、と摺り合わせてきた唇に、小さく笑う。
 「すげえ気持ちがいいよなぁ……?」
 
 
 
 
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