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 「―――っぁ、…ァあっ」
 身体、肩からリネンにうつ伏せに崩れて。指先で滑っていく生地に縋っても。身体中が熱くて、内側から。
 「ぁ、ァ、」
 柔らかく、柔らかく溶かされていって、けれどどこまでもゆるゆると熱ばかりが意識をいっぱいにして。
 熱い、溶け堕ちる、溢れる、だけど。
 「ア、ぁ……!」
 熱がとろとろと溢れてって、けれど幾度も溶けおちる淵にどこまでも近づきはしても宥められるみたいに包まれて、熱くなるばかりの下肢に。濡れた音、耳について。
 「っぁ、」
 額をリネンに押し当てれば、背中、浮いた骨のところを、軽く吸い上げられて声が上がって。
 手指に包まれたままの下肢が揺らいで。
 とろり、と。濡れた熱さがその痕を肌を擽っていく。やわらかなだけの、快楽を落としこんでく。緩やかに。でも。
 その牙で穿ってほしい、と何度叫び出したくなったか、もう覚えてない。
 先に一度だけ受け入れてからは、ずっと。
 強い刺激が欲しくても、与えられるのは溶け落ちそうに穏やかに官能を擽られるばかりで。
 甘く熱くなって、内側から滴って溶けそうなのに。じわ、と。
 もっと先を身体も望んで。それでも、柔らかに唇で辿られて。
 
 「ぁ、あ、」
 口元、混ざり合ったもので濡れて。
 たかめられて、一度だけ内にゾロを感じてた、だけど。いまは―――
 うつ伏せにされた背中を、さらりと掌で撫でられて鳴いて。
 内に在った熱さを、感じる。主張して触れてくる、熱。鳴いて、身体が焦れて揺れるたびに。く、と手指に力が入れられて、また唇が喘ぎを零して。
 「っぁ、」
 潤みきって、揺らぐ視界、重く感じるアタマ、少し引き上げて。
 リネンに半分しがみつくみたいに肩が落ちたまま、後ろを見上げるようにすれば。
 光、ソレを乗せた翠が絡ませられる。
 「・・・・・っ」
 ずく、と下肢にまた熱が体中の血管を通して溜め込まれてく。
 唇が笑みに引きあがって。肩を落として撓んだ背中、中心をゆっくりと舌でたどられて。
 「ァっ、あ」
 顎が引きあがる、息が切れて。
 「ぞ、ぉ…っろ、」
 熱く濡れた痕が痺れそうになって。
 触れてた熱が遠ざかっていっても、絶え間なく押し包まれて、引き上げられて蜜を零し続けてた中心をきつく。それでも甘く息を切らすギリギリまで宥めて、慰撫されて、焦らされて。
 とろ、とまた溢れてく。
 
 「ひ、ぁ…っ」
 つぅ、と。
 背骨のオワリ、じわりと舐め濡らされて。
 びくり、と身体が竦む、勝手に。快楽に溶けてるのに。
 ―――−ぁ、あ。
 背骨の終りにとどまって、ゆる、とまた少し濡れた舌先が降りていくのを神経全部が追いかけて。
 「−−−あ!」
 一度、受け入れて。まだ先を欲しがってた場所まで。
 「ぁあ、ッァ、」
 濡れて熱い、そんなことをずっと感じていたほどに。
 拓かれてた奥に。
 「んあ、ア…!」
 以前までは羞恥ばかりが先立ってたのが。いまは快楽と繋がって鬩ぎあっても。力強く挿し入れられて、嬌声が上がって。
 「あ、ァ……っ」
 前を、刺激されて腰が揺らいで。一層深くまで動いた熱い舌まで感じ取って。
 たかめられ過ぎて、涙が零れてく。
 柔らかな、あまい熱だけに溶かされて、焦れて。
 齎されるものだけを受け入れればいいのに。おれは、全部。ゾロのなんだから、……けど。
 「ぞ、ろ…っ、」
 声が揺れて。喘いで、熱と衝動と。
 「ヒ、ァ…っ」
 く、と。蜜を零し続けてた先に、初めての強い、刺激を爪で送り込まれて。
 背中ごと、下肢がびくりと揺れて。身体が前に逃げかけて、でも。
 「あ、ぁあ…、ッあ―――!」
 溢れるみたいに熱がゾロの手指を濡らしてっても、ぎゅ、と搾り出すみたいにされて。
 「ゃあ、ア…っ」
 息もできないくらい、やんわりと溜め込まれてたあまい痺れが強い流れに引き出されて。眩暈がして。
 背中から回されてた、ゾロの腕に。知らない間に、爪を立ててた。
 は、と荒い息を零したなら。それがただの鳴き声に変わってった。
 「ぁあ、ア……ッ」
 奥、舌先で強く突かれて。声が上がる。
 ふつ、と体中の血が体温なんかより一気に熱くなって。
 「ゃ、…っや、ぞろ……っ」
 縋るみたいな、それでも強請るだけの声が零れてく。
 「ヤぁ、も…っおまえ、ほし…っ」
 腰に、歯が軽く埋められて。
 「あぁあっ」
 零れたばかりだった熱がまた弾けて。かたかた、と身体が震えて。
 ぐ、と肩がリネンにまた少しだけ埋もれるのがわかって、息を呑もうとしても。強い手に腰、引き上げられて。
 快楽の中心を、内を熱すぎる存在が埋めていく。声が跳ね上がる箇所を抉られるように推し進められて。
 嬌声じみて鳴き声を洩らしてた。
 耳に。低く呻くようなゾロの声が届いて。
 内を拓かれてく感覚にも、負けずに。拓かれきった身体が撓みかけても。
 おまえに埋めつくされて、身体中。
 「・・・は、っぁ、」
 指先でリネンに縋る。
 「ぞ、ぉろ、」
 手に、追い上げらかけてまた視界が揺れて。首をどうにか捻るみたいにして、視界にゾロを探して。
 獲物で遊ぶ獣じみた、笑みを見つけて。でも。
 「きもち、ぃ。ゾロ…っ」
 ぐ、と強く押し込まれて、声も身体もアタマの芯もブレテ。
 項に、ちくりとした痛みを感じて。
 もっと、と。強請るだけの声を上げて。
 一瞬だけ、眼を閉じるほど内を引き出されてって。声を上げるだけになった。
 
 
 
 
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