Plus



もう夜中だけれども。やがて静かに目覚めるだろう

こうしている間にも、世界の海で潮は満ち、やがて引いていくんだろう

夜は廻りつづけ、月は変わらずおまえの夢見ている場所にも光をおとしている、きっと



変わらないものなど無いのかもしれない

それでも



半身を起こしたゾロは、思考を勝手に彷徨うのにまかせていた。瞳はただ、

まだ眠ったままの金の髪が戯れている頬のあたりを映し。



時間を止めたい、とは思わないけれども

胸に刻み込まれたような想いは、傾きはじめた夏の陽や、子供の頃に見た水平線に消えるまで

飛んでいった鳥の影のように  いつまでの自分のなかに残るのだろう。



ただ一度だけ、終わらないものを誓ったから。



指で黄金の髪を梳く。

長い睫の落とす影。穏やかに、まどろむように流れていく時間。



なあ、はやく起きろよ。

いまなら、おまえのこといくらでもあまやかしてやるから。

それともこのまま、俺が昔聴いて眠った歌でもうたってやろうか?

子守唄がわりにでもさ。



小さく口許に笑みが浮かび。



やがて、ふわりと瞼がひらかれ。

ぼぉと少しフォーカスの曖昧になったいつもはキツイ目が、ゾロにあわせられる。

「ゆめだ、」

呟く。

「―――ゾロ、」

すんなりした腕が自分の顔の方に伸びてくる。

ゆっくりと、すこしひんやりした指先が輪郭にそって滑らされ。少しばかりくすぐたかった。



その腕をとって引き寄せるようにすると、そのまま首にまわされた。

「歌が、きこえた」

「そうか、」

アッパーシーツごと、その肢体を横抱きに胸に収めるようにする。

「すげぇ、気持よかった」

「よかったな、」

麻のリネン越しに抱きしめる。

「おまえの声だった」

自分の首に回された腕に力が込められるのを感じる。



さて次は。バスルームまで連れて行ってやるか、と耳元に声を送り込み。

流れるように立ち上がる。





Sea beneath the sky, city beyond in light
My world, the song I wrote
All has changed, now it’s you
My voice once belonged to the amplitude
Of the Universe, to the multitude.

Now it sings just for you
My love, my dwelling.
Before you came, all was longing,
My silent song in the air
And the city sky now bears your name.

Moonlight on the sea, stars on the ground
At your feet, between your hands
Everything wants to be near you

The sun rises in my heart
I no longer live or die without vain
I’m more myself because I am you.


copy right: 1988 Uns (Natasha)





# # #

ゾロ、別人格。つーか、こんな甘やかし男もいいかな、なんてね、夢見たわけです。サンジくん、こうなったら
寝ぼけてないでべったべたに甘やかしてもらってしまいなさい (笑)。――はっ!またゾロ着せてないし・・・・ (沈没)?
シーツ。え?ええーっ??着せるってシーツなの??連れて行った後はどうせ服着せないだろうし、よ、翌朝?
きっとね。ご想像くださいまし。って趣旨違うぅー。






Back to My Cherie Amor