「――――は、…ぁッ」
塗りこめられるたび、じわ、と何かが内から身体中に拡がって行った。
がく、と落ちそうになる腰を右手で支えられて、掌から放たれて埋め込まれてく体温とは別に身体がまた汗ばんで
いくのがわかった。背骨に反って舐め上げられて、吐き出す息が熱い。
「んぁ、―――ァ」

増やされた指がなかを浅く掻き混ぜてきて、声をあげ。奥までぬめった感覚を塗りこめられて背が仰け反った。
薄く開けた目、くにゃり、とまた視界が歪む。
「ぁ、あぁッ」
堪らずに腕を伸ばすのに。
「サンジ、」
名前が呟かれる、背中。
「―――ヒぁ、ぅ、ンぅ―――っ」

背中の中心、骨の窪みを舌が一つずつ舐め上げていって。
アタマを振る。濡らされる度に発光する、アタマのなかなんとかしてぇのに。
リネンに染みを作り続けてる自分に向かって伸ばしたの、とっくに知ってるみたいに。
「自分で触って、もっと気持ちよくなるか？」
ちゅ、と背を吸い上げられて震えて。一緒に落とされた猫撫で声と間違うくらい優し気な声が続けてた。
「いいぜ、してみせろ」
「――――――ぁ、ぞ…」

指を締め付けてた奥、拡げるみたいに撫でられて。
「ぁあ、ア、あ」
言葉、切れ切れになって紛れていって。
「―――ぅ、」
喉奥で息が詰まる。
「オレ一人じゃ手が足りねーし。オマエの、貸せよ」
「―――ぉろ、」
振り向こうとするのに、浮き上がった骨。齧られて。
「あ、アアッ」
悲鳴じみた声を上げて、身体が跳ね上がった。押さえ込まれてる腰から上だけ。

歯、立てられるのさえ。
上がりきったと思ってた体温を跳ね上げて。沸き起こる快楽に身体が内側から崩れてく。
なのに、あまく重くなってく身体と反対に知覚だけはどんどん冴えていって。
リネンに零れる音だとか。後ろから聞かされる湿った音だとか。ゾロの―――
「弄ってる音、聞かせろ」
声。肌を薄く穿たれながら囁かれて。
「―――ぁ、くぅ…っ」
涙が勝手に零れていった。
アシ、触れてくる熱の塊。濡れて熱い。
「あ、ぅんン」

濡れた声、せりあがって。
リネン、頼りなくて握っていた手がひくり、と跳ねる。
「な、サンジ」
「……ゥ、」
ぐう、とリネンに縋り付いて。
アタマ、振ったら。奥、深いところまで押し拡げるみたいに動いてた指、締め付けて絡み付いてたみたいなのにただ、
その存在だけ残されて。
「―――っゃ、」
小さく鳴いた。

浮いた肩甲骨、舐め上げられて。なにがイヤ？そう訊いてくるゾロの腕掴みたくても。
―――できな…
「……ふ、ッゥ」
腰、勝手に揺らいだ。
でも、―――

軽く粘膜を撫でられて。ぐう、と痺れが押し上げられる。
でも、それじゃ足りな……
「もっと蕩けようぜ、サンジ」
あまい声に、触れられてもいないのに前が張り詰める。
「んぁ、ぁ」

中指、それから多分人差し指。浅く差し込まれたままの開かされた場所、別の指が撫でていった。
締め付けて、震えた。背骨がばらばらになりかけて。リネンに胸が着いた。
「ぁあ、ゥ」
背骨、また吸い上げられて。膝が崩れる。
「ア、ァ、アっ…！」

だけど、支えられたまま浮いてて。
一層、ゾロの存在感じさせられるだけで。
「――――ぁ、あ」
張り詰めて、濡れたジブンに触れる。
「ひ、ぁッ」
ひくり、と急に沸いた快楽に身体が竦んだ。――――な…に？
熱に溶けそうに熱い指は、おれので。
自分で触れただけなのに。

「もっと聞かせろよ」
少しだけ、上ずったゾロの声聴かされて。身体が悦んだ。
ゆる、と容を触れた指先に声が上がりかけて。後ろ、指を埋められたまま軽く揺すられて。
「んん、ン…！」
身体が揺らいで、手に自分を擦り付けて。
「あ、ぁあ、」
濡れた音、手の中からあがって。
「ソソる音だな、」
背中、唇で触れられて思い切り仰け反った。

ずっと入り口を弄っていた指が潜り込まされて。
「―――ィ、あッ」
浅い場所、弄られてる内から寛げてくみたいに。
くうう、と自分を押し撫でて。
熱さに鳴いた。音を立てて、掌の中で脈打ってる。
「ァ、ハ…っ」

背、仰け反らせて。
そして。強請る声。
「もっと、ぐちゃぐちゃに蕩けてみせて、」
―――――ぁ、ァ、ア。
「ゾロ、ぞろ、…ゃ、ぁ」

鳴いてる声がした。おれの。音は、けどちっともやまないで、ずっと自分を高めてて。
痺れて、熱と疼く劣情と。
「すげェイイよ、サンジ」
――――――おまえ、も…？
おれだけ、じゃ…ね―――の？

ずく、と。
また熱が溜め込まれた。



サンジの赤く染まってふるふると震えている背中に口付けを落とす。
「オイル取るから、そのままでいろよな」
びくん、と震えているサンジに低い声を落とす。
「―――ん、く」

むずがるようなサンジの声に小さく笑って、ゆっくりと指を引き抜く。
胸をリネンに倒して中腰のような中途半端な姿勢は、妙に煽情的で。
「…ぁ、ぁう」
引き抜かれる感覚に鳴いたサンジに回していた腕もどかす。
「冷めないように自分で熱くなっててな」
途端にくたん、とリネンに懐いた背中を掌で撫でる。
「もっと聞かせろよ？」

びくん、と跳ねていた身体を見詰めたまま、ガラス瓶に手を伸ばす。
くう、と肩甲骨が浮き上がって、くちゅ、と小さい濡れた音が聴こえてくる。
「オマエ、最高。サンジ、」
きっとにやけているに違いない自分の面に思い至り、苦笑する。
鏡、なぁ…？

熱い息を切れ切れに吐いている音が聴こえてくる。
膝が片方だけ、ずう、とリネンを擦って上がっていった。
「―――ぁ、ン」
瓶を開けて、濡れきった声を零したサンジの腰をもう一度抱え上げる。
「ぁ、ぁ」
「サンジ、もう一回な？」

閉じきらなくてひくついている場所に、そうっと瓶の口を近づける。
サンジの熱い手が、腰を抱え上げている腕に触れていった。
ふ、と息を詰める音がして。
くう、と零し入れた途端に背中が緊張した。
腿からヒップにかけてまでも。

とろとろ、と金の液体があちこちに垂れながらも少しずつ入っていくのを見詰める。
びくん、と胸が浮いて、サンジの腰を抱え上げた腕に力を込めた。
呑み込むようにひくつく襞が、たまらなく美味そうだ。
「ぁ、ァァ、っぁ…、」

手早く蓋を閉めてから、手で入り口を抑え。
少し滑ったような光を弾いているソコに口をつけた。
ぺろりと舐める。
「ああンっ」
「ふ…美味いぜ？」
蠢いた襞が唇を擽り、思わず笑う。
「―――ぁ、あつ…ィ、アァ、」
「んー、オマエのここのがあちィって」

ン、ぅ、と声を上げたサンジが、強請るように腰を揺らし。
舌をぐう、と差し込んで中で蠢かす。
「ハ、あ、ぁあ、あ！」
くうう、と締め付けられて、思わず引き抜く。
「絡み取られるかと思った、」
「――――ゃ、ぁ、」

ちゅ、と尻の肉に口付けてから、先ほどまで中を弄くっていた指をもう一度押し当てる。
「何度でもイけよ？」
ゆっくりと、今度は3本纏めて指を差し込んでいく。
「あぁあ、」

潤滑剤と先ほどまで弄っていたせいか、くぷくぷと指は簡単に収まっていく。
サンジの手許から、ぐちゅ、と濡れた音が響いてきて、思わず舌をなめずった。
「美味そうな音、」
指の形に絡み付いてくる粘膜に、喉を鳴らす。
「ハ、コーフンするな」

ゆっくりと指を抜き差しさせながら、そうっと脇腹を食む。
「お、まえが、イ、」
濡れた音の合間に、うわ言めいたコトバが寄せられる。
「まーだ。ここきっちぃもん」
グ、と押し込んで、な？と同意を求める。

「おれ、んこと。吸い、あげて、」
「…ふン？いいぜ。腰上げて、脚、もっと開けよ」
「―――っふ、ぁ」
腕を外して、サンジの脚を開かせる。
指が抜き出ないように注意しながら、身体をリネンに着かせて。
大人しく腰を浮かせて脚を開いたサンジの下に、斜めに潜り込んでから仰向けに位置を直す。

「うわ、背中冷てェ」
「ぁん、あ、」
指の位置と具合を直してから、抗議するように声を上げたサンジの腰をそうっと引き寄せる。
「ゆっくり下ろして来い…そう、」
「―――は、ぁう」

サンジの手を外させて、色付いたモノに息を吹きかける。
吐息にくうっと声を漏らしていたサンジが、びくりと跳ね上がった。
「あつそーだな、」

とろ、と零れ落ちてきた雫を受け止め、舌で先端を軽く舐め上げる。
ぎゅうう、とサンジがリネンを握り締める音が聴こえてきた。
きゅう、と先端を軽く吸い上げる。
「あっちィ、」
「ハ、ぁうン、」

ぶるぶると小刻みに震えるサンジの下腹部を、昂ぶりを緩く抑えるようにして支え、埋め込んだままの指をゆっくりと
蠢かす。
深くまで頬張って、舌を絡ませる。
「アッ、あ」
「ん、」
「あ、イッ、」
「んー、」

ぐぷぐぷと吸い上げながら、指で後ろを追い上げる。
いつしかサンジが濡らしたリネンの冷たさは体温と同化していて。
指に絡み付いてくるサンジの粘膜の熱さと、頬張ったものの熱さに、意識が総て集中する。
「ぁあ、ア、ゾロッ、―――ァ、」
高まっているサンジの声が、濡れた音の合間に聴こえる。
ぐう、と強く吸い上げて促す。
前立腺、掻くように何度も中で触れて。

「だめ、も、だめ、」
「んン」
きゅう、ともう一度強く吸い上げる。
びくん、と跳ねる度に指を締め付けられて、意識が半分持っていかれる。
手はサンジが腰を落としすぎないように添えるだけにして。

ぐう、と奥を撫でると。
「あ、うぁ、あ…！」
じわ、と熱い蜜が口中イッパイに注ぎ込まれて。
揺れる腰をサポートしながら、くうと吸い上げて、飲み干す。
サンジが痙攣するように震えていて、ゆっくりと口を離した。
ぺろり、と唇を舐めて、先端に残った淡い乳白色の雫も舐め取った。
「あーっ」

くぷん、と指を引き抜いてから、サンジの下から身体を引き出す。
支えを無くしたサンジが、へたりと崩れ落ちそうになりながらも、震えていた。
「ん、薄くなってきたな、」
「で、―――も、」
身体を起こして息を深くして、シーヴァに手を伸ばす。
「でも？」
濡れて熱くなった甘い声を鸚鵡返しにする。

瓶を開けて、すっかりふやけている手に零し、すぐにでも弾けそうな自分のソレに塗りたくる。
「も…と、ほし、ぃ」
潤んだ眼が、その様子を見ていた。
「一息吐かなくても平気か？」
「け、べつ――――す、る？おまえ…」

泣きそうな目に笑いかける。上がりっぱなしの息が辛そうだぞ、オマエ。
「や？オレと同じくらいにスタミナあって、さすがだな、とは思うけどな」
きゅう、と眉根を寄せかけていたサンジの背後から腕を回して、身体を引き上げさせる。
「オレを椅子だと思って腰掛ける姿勢で来いよ、」
あつい息を零していたサンジを引き寄せる。
「けどゆっくりな？」

肩越しに振向こうとしていたサンジの首に、口を着ける。
「先に一度脚投げ出して、座れよ。そしたら、引き上げてやるから」
ひくん、とサンジの肩が揺れていた。
「この体位って初挑戦だよなァ？」

胡座をかいた太腿に両手を着いて。
そろ、っとサンジが身体を持ち上げていた。
ふぅん？積極的でいいこった。

目を細めて、近づいてくる身体を見ていた。
「お、まえと、は」
「…はぁ？」
オレとは、ってことは前にあるわけだ？
「前はドナタと？」
く、と息を呑んでいたサンジの肩に歯を立てて訊いてみる。
「あ！」
や、別に嫉妬はしねーけどな。
これからがオレだけでありゃいいわけなんだし。

かく、と腕が折れかけていたサンジの腰を抱え上げる。
そうっと腰を浮かし上げ、蠢く入り口を突付く。
ハヤクハヤク、とせっつかせてみたり。
「ぁ、―――“オマエ、”ァ、ん！」
「あァ？…あーあ！！真性兄貴」

くぷ、と僅かに身体を落としてサンジが呑み込んでいった。
は、と熱い息を吐いている喉を、横から舌で辿る。
「そーいや、アイツら何してンだろな、今頃」
「んぁ、あ…っ」

首を仰け反らしたサンジの体重を受け止め、ゆっくりと下ろしていく。
「…っ、意外とコレ送ってきたの、アイツらの誰かかもよ？」
ぎゅう、と腿を掴んできたサンジの手の強さに、かぷりと首筋に噛み付いた。
「アんっ」
「アイツらもよろしくやってンのかね、サンジ？」
「―――――っ」
知ってるオマエ？と平気なフリをして訊いてみるものの――――っく、あち…っ。

ぐうう、と根元まで、体重でサンジの中に埋め込まれていく。
「ぁ、あ、ぁンッ」
サンジが背中を胸に押し付けてきていた。
「ハ…いまは、どーでもい、っか」

首を横に振り、かくん、と仰け反りかけるサンジの胸に手を這わした。
片方は、じんわりと高まっているサンジのモノを握りこむ。
震えていたサンジの胸の飾りを、きゅう、と指で挟んで摘み上げる。
「―――ひぁ、ァ、あ！」
す、げ…締め付ける…ッ。

「サ、ンジ、」
仰け反った喉に吸い痕を残す。
「う、めて。埋めて、溶かし…っ」
声にならない哀願に、肩をそうっと唇で撫でた。
甲高い鳴き声に、笑う。
「埋まってンの、わかんねー？」




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