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 ふわふわ、と意識が浮く。
 ゾロの腕の中にいると思うだけで。
 間近に感じる熱、ゾロが零す吐息。
 
 全部を感じ取る。
 全部に、感じる。
 ゾロを、食べる。
 ゾロを…食べる。
 
 こくり、と喉が鳴った。
 ウレシイ、全部食べてしまおうか?
 埋められた指先の、感触に。ぞくり、と背中を這った快楽。
 とろりとした"シーヴァ"が、ゾロを受け入れるそこを濡らす。
 指の硬さに笑みを浮かべ。
 そろそろと蠢く動きに喉を鳴らし。
 きゅう、とゾロの指を締め上げながら、ゾロを味わう事に夢中になる。
 
 上がり続ける嬌声に、弾む息。
 ドクドクと走り出す鼓動に、少し息苦しさを感じるけれど。
 ゾロの指を飲み込んでも、広げられる痛みを感じなかった。
 じわじわとそこから広がる快楽。
 いつものようにあっという間に走りだすことはなく、緩やかに身体中に満ちる。
 
 キモチガイイ。
 どこまでも身体が甘く蕩けていくみたいだ。
 オレは、アナタのために熟れる果実。
 零れる吐息すら、きっと甘い。
 あぁ…きっとどこもかしこもトロトロになっちゃってる。
 皮を剥いたら、血の変わりに蜜が零れそう。
 ふわふわと浮き上がり続ける意識。ゾロとゾロが引き出していく総てだけで埋められている。
 次々と生まれる快楽に火照る身体、熱が上がり続ける。
 
 だけど…オレも、食べたいから。
 快楽に蕩ける意識を引き戻す。
 「ぞ、ろ…、ま、って…」
 目を開いて、思いを言葉にする。
 アナタをもっと食べたいから。
 
 ふ、と動きを止めたゾロの身体を、そうっと押し上げる。
 ゾロがぺろ、と唇に散った蜜を、舐めとって。
 ゆっくりと身体を上げて行った。
 その後を直ぐに追って、上体を起こし。その動作のまま、ゾロの膝の上に乗り上げた。
 ゆっくりと頬を撫でる指の感触に、目を細めて。
 
 ゾロの両足を跨いで、首に腕を回した。
 頬を撫でる手に、きゅ、と力が入ったのを感じる。
 そうっと顔を近づけて、濡れたゾロの唇をぺろりと舐め上げた。
 ゆっくりと唇の形をなぞって。
 ゆっくりと口端が引き上げられたのに、オレも笑った。
 合わせたままだったゾロの視線。
 緑が一瞬、金の光を弾いた。
 
 ああ…すごいね。
 餓えて、満たしあって、また餓えてるね。
 うん、だから何度でも欲しくなるんだ。
 うっとりと笑って、腰を揺らしてみた。
 もどかしい感触、ぬるり、と滑って。
 
 ぎゅう、とゾロの首にしがみ付いた。
 迎え入れたままだった指が、またゆるりと動き始める。
 「キモチいィ…ッ」
 オレの腰を、ゾロの片手がギリ、と掴んできた。
 痛み。
 熱として感知するそれは。すぐに快楽になる。
 熱い吐息となって、喉から滑り出る。
 
 ゾロの頬に、頬を摺り寄せた。
 かち、と近くで何かが触れ合う音。
 …ああ、そうか…ゾロのピアス、だ。
 ゆるゆる、とゾロの指が、オレの中を引き回していく。
 潤んだ視界の中で、眩い光を放っているゾロのピアス。
 オイシソウダ。
 
 「あ、ア、あン、」
 少しずつ押し上げられる身体。
 そのリズムのままに、喘ぎを零す。
 きゅ、と目を閉じても、光る石と、それを飾っている柔らかそうな耳が見える。
 押し上げられて、引き寄せられて。
 触れ合う中心部が、ベツの快楽を齎す。
 だけど。
 だけど。
 タベタイ。
 
 首に近い場所、肩口を軽く食まれて、勝手に身体が伸び上がった。
 ぐ、と尖った牙が、肉を穿って、喘いだ。
 「く、ゥんッ、」
 ぎゅう、とゾロの首にしがみ付いて。
 
 快楽に、跳ねる身体を抑えて。
 ほんの少しだけ、首を伸ばして。
 「んむ」
 ぱくり、とゾロの耳朶にしゃぶり付いた。
 舌先に、ひんやりと冷えた石と金属の味。
 柔らかなゾロの耳朶。
 ふ、とゾロが小さな笑いのカケラを零し。
 その吐息が首元に零されて。
 「んんっ、」
 きゅ、と耳朶に歯を立てた。
 
 ゾロの指が、ぐ、と奥の一点を押し当てて。
 「ン、ふっ、んんッ」
 腰を掴んでいた手が、それとわかるほどに高まったオレのものをぎゅ、と握りこんだ。
 「ふあ、あ」
 大きく口を開いた瞬間、つるり、とゾロの耳が出て行き。
 追い上げるように、動かされていく。
 「あ、あぅ、は、あぁ」
 
 濡れた耳朶に唇に当てて。
 すっかり温まった金属の硬さを感じながら。
 同時に焦らすように中を抉るゾロの指を締め付ける。
 ぐちゃぐちゃと濡れた音が、響いて。
 かぁ、っと身体が熱くなって。
 ゾロの首元に顔を埋めてしがみ付く。
 指先、蜜が湧き出る先端を、押し広げて。
 「ああああッ」
 絶頂に飛び込む。
 「いっ、ちゃ…あああああッ」
 
 びくり、と脇腹が跳ねて。
 熱が脳裏に達し、一瞬白く霞み。
 溜め込んでいた蜜を、放出する。
 ぎり、と首筋を噛まれて首が竦み。
 けれど、熱い息が皮膚を滑って、痛みは快楽に転化する。
 ゾロの指を思い切り締め付けて。
 
 つる、とそれを引き抜かれて、ヤダ、と悲鳴を上げる。
 喉奥でゾロが笑って。
 ぐ、と腰を引き上げられて、熱く濡れたゾロのものの上に、腰を落とされた。
 ずる、と汗で身体が滑り。
 その衝撃で、先端の部分がぐり、と入り込んできた。
 「ああんッ」
 
 びくん、と身体が跳ねた後、ふー、と息を吐いて。
 けれど、身体を一気に引き落とされて、ぐぅ、と息を呑んだ。
 体積を呑みこみ、熱が一気に引き起こされて。
 けれど、埋められる感覚に悲鳴を上げても。
 開かれる痛みはなかった。
 
 撓む背中、ゾロの腕が当てられて。
 ぐい、ぐい、と下からも押し上げられる。
 狂ったように渦巻き始めた熱。
 ちりちりと擽るゾロの草むらにすら、身体は感じて。
 快楽を放出できるところは口しかなくて、天を仰いで喘ぐ。
 
 閉じた瞼の裏、幾線もの光が自在に走り。
 汗に濡れた腕が滑って、背中が反る。
 ゾロが背中を丸め、擦りあわされて立ち上がっていた胸の飾りを舌でゆっくりと舐め上げていき。
 「あ、あ、ア、」
 嬌声が喉から滑り出す。
 
 
 
 
 
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