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 ゾロが、笑っていた。ぼやけた視界の先で。
 嬉しそうに、楽しそうに、ちょっぴり意地悪に。
 まだオワリじゃねェだろ、って声が言ってた。
 ゾロのを呑み込んで、目一杯開ききったところ、撫でられる。
 「喰い足りないってオマエもいってるだろう、」
 艶っぽく、甘い声。
 「くぅン、」
 ゾロの声に感じる。
 泣きそうなくらいに、昂ぶる。
 こくり、と息を呑んで。
 そうっと上半身をゆっくりと擡げた。
 
 またゾロの指先が、ゾロに注がれたものに濡れて敏感になっている場所を押し撫でてくる。
 ひく、っと喉が鳴った。
 ぎゅう、と筋肉が緊張する。
 「ぞ、ろぉ…ッ」
 ふる、と身体が震えた。
 く、と緩く押し上げられて、浅い息を繰り返す。
 
 膝をラグに着いた。
 上体を上げきって、奥深くまで受け入れたゾロの質量に、溜め息に近い、深い息を吐いた。
 すう、と腰辺りを撫でられる。
 掌、ゾロの固い腹の上に置いた。
 手を突いて、傾きそうな身体を支えて。
 
 きゅ、と前へ身体をずらされて、手を滑らせる。
 ぐ、と受け入れるアングルが変わって、また熱が上がった。
 ゆるゆると腰を上げる。
 抜けていく感覚に、眩暈がする。
 背筋辺り、火が点きっぱなし、だ。
 
 じ、と目を細めて、ゾロがオレを見ていた。面白くてショウガナイ、って顔、してる。
 ゾロの顔を見たまま、ぎりぎりまで引き上げて。
 それから、ゆっくりと腰を下ろしてみた。
 ギチギチと、音が鳴っていそうな感覚。
 注ぎ込まれたゾロの精液、少し零れ出て行った。
 むず痒いようなその感覚に、泣きたいような羞恥が湧き上がる。
 
 く、と唇を噛んだ。
 そろそろ、と腰をまた上げる。
 それからまた、ゆっくりと下ろす。
 僅かに濡れた音、零れ出る蜜の音。
 熱くて、イッパイで、それなのに、…それなのに。
 「もっ…と、そそい、で」
 見詰める視線の先、ゾロが唇をぺろっと舐めていた。
 「もっと…ミタシテ…」
 もうこれ以上に無いくらいの深さで、ゾロを呑み込んでいるのに。
 溢れ出るくらいに、注がれたのに。
 モットホシイ、って願ってる。
 
 ゾロが、オレと同じくらいのペースで、ゆっくりと中を抉っていった。
 「あァん…ッ、」
 熱が溢れ始める。
 ダイレクトにポイントを抉られて、一気に放出してしまいたくなる。
 目を閉じて、腰を揺らした。
 下の張り詰めた精嚢が、チクチクとした場所を擦る。
 深い場所、浅い場所。
 そこかしこでゾロを感じる。
 
 ガタガタと身体がゆれそうになる。
 なのに支えていた左手を、ゾロに取られて。
 掌、熱く濡れた感触が這っていった。
 「ハぅン、」
 ぴくん、っと手が反射的に跳ねた。
 途端、きつく突き入れられて、射精感を引き上げられる。
 ぐ、と腕を引かれて、上体がゾロの胸に合わされる。
 「ぞ、ろぉ…っ、」
 
 きゅ、と首筋、ゾロの牙が食い込んだ感触。
 ビクン、と身体が跳ねて、ゾロを締め付けた。
 ぐ、と奥のポイント、掠められて。また身体が小刻みに震えた。
 「ああッ」
 くう、とゾロの胸に爪を立てた。
 何度も掠めるように突き入れられて。
 ずらされたポイントにもどかしさを覚える。
 
 ゾロの胸に額を擦りつけて、腰を揺すってみる。
 「ふあっ、」
 ゾロの下腹に、昂ぶりを擦りつける。
 奥の、イチバン感じる場所、触れて。
 かぁっと一気に快楽が駆け上ってくる。
 
 「サンジ、」
 名前、呼ばれてた。
 ぎゅう、っとゾロを締め付けてから、ゆっくりと顔を上げた。
 眩暈、クラクラする。
 熱と涙にぼやけた視界の先。
 ゾロがちょっと眉根を寄せて、笑いかけてるのが見えた。
 目が、それでも。
 渇きを訴えていた。
 
 こくん、と息を呑んで、ゾロに口付けた。
 ぎゅう、と大きな掌に腰をつかまれて。
 僅かに引き上げられ、それから。ぐ、ぐ、とリズムを刻まれる。
 「ふ、うンっ、」
 舌先、ゾロに差し出しながら、ゾロがくれるリズムに合わせて、僅かに腰を揺らす。
 斜めに入り込んだゾロのソレに襞の入り口が擦られていく。
 「は、あ、あゥ、」
 
 手をゾロの顔の脇に着いた。
 舌、きゅ、と絡み取られて。深く口付けられる。
 思考が止まる。
 声すら上げられずに、狂ったように身体が求めるままに、腰を揺らす。
 熱、快楽、もうすぐやってくる頂点。
 オーヴァフローしそうだ。
 
 ぐちゃぐちゃと濡れた音、どこか遠い。
 ゾロが強く擦り上げてくるのに、狂いそうに感じる。
 締め付けて、締め上げて、擦りつけて、擦られて。
 合わさった胸の、尖った両方の性感帯。
 最もダイレクトな快楽を齎す下腹の中心部。
 体内、奥深く、咥えこんだゾロのソレに深く、強く、抉られてる場所。
 一点に集中しない快楽の起源。
 齎される喜びに、強すぎる悦びに、我を忘れそうになる。
 引き止めているのは、そこだけ別物のように優しく触れてくるゾロの掌が頬に触る感触。
 
 満たされた口内、深く貪られる唇。
 酸素、タリナイ。
 けどハナサナイデ。
 もうすぐ、溢れる。
 訪れる、沸点。
 体温が跳ね上がる。
 リズム、速さを増して。
 
 一瞬、唇が離された。
 「もっと、明け渡せよ。オマエを寄越せ、」
 齎された囁き。
 すぐに追ってきた唇。
 夢中で貪る。
 自分を手放す。
 自分を忘れ、ゾロだけに溺れる。
 あ、ア。
 
 ぐ、と背中引き寄せられて。
 あっという間に組み敷かれる。
 足の位置、変わって。
 ベツの角度で、ゾロに突き立てられる。
 「ん、ンゥっ、」
 
 ぐい、と片足。膝が胸に着くくらいに抱き上げられた。
 遠い思考が拾い上げる、ゾロの、低い呻き声。
 ギリ、とゾロの背中を引っ掻いた。
 濡れた中心を、きゅ、と握られて、深く突き入れられて震えた。
 
 限界点。
 目の前。
 筋肉が収縮する。
 容赦なく追い上げられて。
 どくん、と溜めていたもの、吐き出した。
 声、くぐもった声、ゾロの口に吸い込まれてく。
 びくびく、と腰が揺れて、ゾロを締め上げる。
 
 どくり、と奥深く。
 熱い蜜、注がれた。
 中、溢れる。
 奥の奥まで、満たされる。
 き、と舌を噛まれた。
 それにすらまた感じて。
 吐き出すものを用意する間も無く、立て続けに沸点に到達する。
 
 びくびく、と身体が跳ねる。狼に首を噛まれた鹿みたいに。
 ぐう、と身体、強い力で押さえ込まれた。
 汗に熱った身体に。
 どくどくとこめかみを血が流れる。
 ぎゅう、と目を瞑って、チカチカとフラッシュする光に埋められる。
 口付け、解かれて。
 口を開きっぱなしで喘ぐ。
 
 反った背、まだリラックスできない。
 首元、何度も何度もゾロの唇が舐めていった。
 やんわりと食まれて、緩く口を閉じて唾を呑んだ。
 苦しさに、また口を開くと。
 ゾロの指、唇を撫でていった。
 
 「は、ハ、ハァ、は、」
 ぶる、と身体が勝手に震えて。
 ようやく突っ張った四肢から力が抜けた。
 とろん、と身体、溶け切ったみたいだ。
 
 漸く戻り始めた感覚。
 ゾロの唇が耳朶を挟んだのを感じる。
 「まだ、イケルか?」
 低い、甘い声。
 ゆる、と動かされて、息を呑んだ。
 こぷ、と下肢の方で音がして。熱い蜜が零れていったのを感じる。
 
 「…うん、」
 まだホシイよ。
 気を失うまで、求めてほしいよ。
 蕩けて、身体、あんまりもう動かないけど。
 それでも求めてくれるなら。
 「もっと…シテ、」
 
 「イイコだったからな、」
 間近、ゾロのグリーンアイズ。
 嬉しそうに、意地悪そうに、光を乗せてる。
 キレイナキレイナヒカリ。
 オレのモノ。
 く、と唇を噛まれて、勝手に口角が上がった。
 
 くにゅ、と音がして。ゆっくりと引き抜かれる。
 じわ、と痺れるようにまた快楽が生まれて。
 きゅう、と締め付けながら、半分ほど抜かれていくのに身体を震わせた。
 「エサ。―――水が温まるまで喰わせろ」
 にぃ、ってゾロが笑ってた。
 眼、輝いてた。
 この眼、知ってる。
 イトシイと、ウレシイとを足したもの。
 「…あふれさせて」
 どうにか声に出して応えた。
 
 
 
 
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