ゾロが笑って。それから身体ごと腕を伸ばし。
放り出してあった荷物の一つから、小さな瓶を取り出していた。
見覚えのある瓶。
とっくに暗くなったティピの中では、色がよく確認できないけど。
きっと、それはシーヴァ。
ネコのエサ、オレのためのご褒美。
快楽を予感して、また身体が勝手に震えた。
もう溜めても、ほとんど何もでないくらいにシチャッタのに。
「もっと溶けちまえ、」
まだ身体は震える。
ゾロの声だけで、またそこが反応する。
にぃ、ってゾロが眼を細めていた。
すう、って顔近づいてきて、My love cat、って囁いてきた。
掠めるだけのキスにさえ、震える。
上がりっぱなしの体温にカサついた唇を舐める。
その後を、ゾロの唇が追いかけてきた。
少し上体が起きて、ずる、とゾロのものが僅かに抜かれる。
「うゥンッ、」
ひく、と襞が震えた。
蕩けきった身体、それでも快楽に震える。
眼を閉じるのさえ億劫。
けれど、視線の先で、ゾロが見せ付けるみたいに。起用に片手で瓶を開けて、すう、とオイルを指に垂らしていた。
ゾロを呑み込んで、目一杯拓かれて。
遠慮無く擦りつけられて熱った薄い体内と体外の境界を、濡れた指が辿っていった。
「あああ…ッ、」
クラリ、とまた眩暈が引き起こされる。
重い快楽が、ゆっくりと身体を浸食しはじめる。
止まらない嬌声を、ゾロはしばらく楽しんで。
それから、ふ、と気付いたように指を止めた。
目を瞑って、深く喘いで。
感じすぎる快楽をコントロールしようとし始めたけれど、ず、と楔が引き抜かれる感覚に、また声を上げる。
つぷ、と閉じきらないその場所に、ゾロの指が差し入れられた。
トロトロと零れ出るものを、ゆっくりと掻き出し始める。
く、く、と曲げた関節で、中を刺激されて、びくびく、と腰が跳ねた。
指が引き抜かれて。力の抜けた足を閉じる。
僅かな衣擦れの音。
薄っすらと開けた視線の先で、ゾロが放り出してあった自分のシャツで指を拭っているのが見えた。
それから、多分オレの反応にだろう、ゾロが、く、と笑って。
すい、と身体を折って、ピン、と立った胸のものを舌で弄り始めた。
ピリピリと張り詰めたそこを、舐めては潰して、まるで遊んでいるみたいに。
くう、とラグの毛に指を潜り込ませる。
ゾロの指、またオイルに濡れたそれが、今度はゆっくりと中をなぞっていく。
熱った体内、とろりとしたオイルが塗り込められていく感覚に、ベツの種類の快楽が呼び起こされる。
「ふ…、フ…、ぅ、ン…ッ、」
声が勝手に漏れていく。
小刻みに、腰が揺れる、条件反射みたいに。
はむ、とゾロに肌を食まれた。
「サンジ、」
酷く優しい声に呼ばれて、漸く瞼を持ち上げてゾロを見た。
「縋るならおれにしろ、って言ったろう…?」
僅かに動く頭で、首を横に振る。
だって、…身体、重いんだもん…ッ。
勝手に、じわ、と涙が込み上げる。
くう、と濡れた指先が、奥を撫でていく。
声、溢れるのは吐息交じりの嬌声だけで。
言葉を、もう、紡ぐこともできない。
「あァウ…ッ」
溜め息混じりに、抗議の声、
それが、オレが紡げるコトバ。
つ、と指が増やされて、目を閉じた。
涙が伝い零れていったのを頬が感じ取る。
それでも、貪欲に。ゾロの指を取り込もうと、体内が動くのを感じる。
「―――サンジ、」
甘いゾロの声。
そうっと唇が涙を掬い取っていくのを感じた。
「ふ、うゥッ…、」
掠れすぎて、ほとんど音にならない声。
滑る奥の入り口、ゾロの指が宥めるように蠢いていた。
きゅう、と締め付ける。
繰り返し、形を確かめるみたいに。
けれど、もう。
指じゃタリナイ。
はやく、オレをミタシテ。
ゾロのソレを、オレに埋めて。
吐息で強請る。
ぐ、と足を限界近くまで開かされた。
晒される、赤く熱って、拓いたソコも。
蕩けすぎて、柔らかなまま、反応を示すソコも。
泣き濡れた顔も、放った蜜にねとつく胸も。
全部。
「息、止めるなよ、」
耳元、落とされたゾロの声。
頷く間も無く、一気に穿たれた。
「…ああああッ、」
熱に冒される。
舞い戻った快楽。
駆け巡る、血より早く。
口を開いて、息を吐き出した。
喉、仰け反って、眼を閉じた。
満たされてる。
埋められてる。
注ぎ込まれたい。
ゾロのもので、身体中全部。
身体中の細胞が、ゾロの体液で、声で、吐息で、満たされるまで。
モット、モット、チョウダイ。
「うたえよ、」
少し上がった息に混ざって落とされたゾロの声。
「全部、オマエにやるから、」
「ぞ…ろォ…ッ、」
膝がラグに着くくらいに、身体押し上げられた。
上から落とし込むみたいに穿たれて、息を吐き出すのと共に声を上げる。
涙が勝手に零れた。
息苦しさに。
打ち込まれるゾロのものの熱さに。
嬉しくて。
苦しくて。
ぐちゃぐちゃと音と共に中心を扱かれる。
びくびくと、脇腹が痙攣した。
それでも、快楽、身体中を巡って。
「ああッ、」
悲鳴じみた声。
それでも、キモチイイから。
「は、ァウっ、」
ぎゅう、と締め付けると、ゾロが喉奥で低く唸っていた。
もっと聴きたい。
もっと餓えて。
オレだけの狼。
オレだけの、オトコ。
満たされて、快楽に狂う。
理性は遥か遠くに置き去り、だ。
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