Friday, August 16
下から突き上げられて。
入れ替わって、上から抱き込まれて。
何度も声を上げて、蕩けた。
大地に精を返して、声を森に注いで。
快楽の深さに、泣いた気がする。
愛される喜びに、震えっぱなしだった気がする。
好きだよ、って何度も言い合って。
けれどそれは言葉だけじゃなく、吐息や、見詰め合う眼差しや、口付けや、抱擁からで。
満たされて、意識が蕩けた。
何度も注ぎ込まれて、奥まで満ち溢れた。
これ以上、身体の容が保てない、と思ったところで、意識が弾けた。
弾ける瞬間まで、ゾロだけで満たされてた。
パチン、とフューズが飛んで、フェイド・アウト。
だから、気付いたら、ティピの中。
ゾロの腕の中、ゾロに抱きこまれてラグに包まってた。
意識朦朧としている間に、なにか食べたのかな?
なぜか、空腹感は感じなくて。
かすかなゾロの寝息を聞きながら、また目を閉じた。
満ち足りて、幸せだ。
偉大なる霊に感謝の意を告げた、眠りに戻りながら。
この場所とこの時を、ありがとうございます、と。
用意された道だけを辿っているわけではないけれど。
それでも。
とくり、とくり、と心臓が規則正しい音を立てている。
心臓は身体のモータ、だから1箇所に同じ様に留まり続けることはできないけれど。
それでも、時が流れても、場所が変わっても。
オレは、ゾロの腕の中に居られる様に、願う。
ゾロを愛して。ゾロに愛される。
それだけのために。
すい、と眠りに誘われて。
ほかほかな気持ちのまま、トンと意識が途切れた。
次に目覚めたのは、朝。
ふわ、と意識が浮き上がる。
その瞬間は、水中から浮かび上がるのと似ている。
すい、すい、と気だるげな指が、やさしくオレの髪を梳いているのがわかった。
さらさら、と涼しげな音が耳音で聞こえる。
「…ん、」
ちゅ、と額に口付けを落とされて、笑みが浮かんでった。
ふぅ、と息を吐いて、眠気をゆっくりと身体から押し出す。
「おまえは、いつもしあわせそうに寝てるな、」
目線の先で、ゾロがにこっと笑っていた。
「ゾロと一緒だからだよ、」
手を伸ばし、ゾロの唇をなぞった。
「アナタの腕の中にいるから」
囁きを返しながら、ふにゃあ、と笑うと。指先をかぷっと含まれた。
「ふふ、オイシイ?」
指先を僅かにうごめかせた。
く、と舌先が蠢かせた指をくすぐるように追いかけていった。
「んんん、」
くすくすと笑いを零しながら、とろりと目を蕩けさせた。
「おはよう、ゾロ」
きゅ、と指先を牙が軽くピアスしていった。
ペロ、と舌がその後を舐め、それから手の甲に音をたてて口付けを落とされた。
「オハヨウ、」
低く僅かに掠れた声が、それでも柔らかな音色のまま、告げてきた。
一瞬、きゅう、と抱きしめられて。
それから、す、と身体が離れていった。
どうやら起き上がるらしい。
立ち上がり、すいすい、と適当に着替えを持ってきていた。
もちろん、オレの分も。
くしゃ、と髪を掻き混ぜられた。
起きろ、ってことなのかな?
「寝てろ、」
ありゃ?いいのかな?
ゾロはそう言ってから、すい、と外に出て行こうとしていた。
「おまえ、まだ目が眠そうだ、」
ティピの入り口で、ゾロが言ってた。
「ん…スコシダケ」
ころん、とラグの上で転がって、毛皮に懐いた。
「ゴチソウサマデシタ」
「…ふふ、食べられちゃった」
に、とゾロが笑って、外にするりと出て行った。
どうやらゾロも、いい夢を見れたのかな?
ゾロはいつも、どんな夢を見てるんだろうね。
オレが腕にいるときは、幸せな夢を見れてるといいなぁ…。
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