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 「うわ、帰ってきた!!」
 近づいてくるエンジン音…ドップラー効果、だっけ?…に慌てて石鹸をシャワーで落とす。
 のんびり頭洗って、身体洗って、水に浮いてたら……どれくらい経ったんだろう?
 バン、とドアが閉められる音が聴こえて、ざっと身体を拭く。
 「うーあーええい、いっちゃえ!」
 くるん、とタオルを腰に巻いて、バスルームを飛び出した。
 
 ドア、開いて。
 飛び込んでくる光とシルエット。
 片腕には大きな荷物。
 あ、や、わ、どうしようかな?うーでもでもでもでも、
 「おかえりーゾロっ」
 いいや、飛びついちゃえ。
 ぱくん、とタバコを咥えたゾロの首筋に、あんむ、と齧りついた。
 あ。ゾロの味だ。わああい。
 
 「―――って、」
 ちっとも痛がっていない声に笑って、あむあむ、と食む。
 にゃはははは、ゾロの味だー!
 
 ぺし!といい音がした。
 「いたっ、」
 額を叩かれて、口を離す。
 「危ないだろ」
 に、と笑ってから、額、ぺし、ってされた同じ場所に、キスを貰った。
 ……えへへへ。
 
 タバコ、指に挟んでいた。
 オレは、ぷらん、とゾロの首にぶら下がっている。
 「ねーゾロ、オレ熱下げたよ!」
 にひゃ、と笑ってみる。
 とん、とこめかみに口付けをもらった。
 「ヨカッタナ、」
 「うん!」
 にこお、と見上げてみる。
 ゾロの翠の目が、すい、と笑みを過ぎらせていた。
 「ぞろだぞろだー」
 すりすり、と肩口にほお擦り。
 …リネンよりもやっぱりこっちがいい。
 ってアタリマエの話なんだけど。
 
 「荷物付き、」
 軽い口調のゾロに、あ!と思い出す。
 「持っていこうか?」
 両腕を離す前に、ひょい、と腰から抱き上げられた。
 きゅう、と首に腕を回す。
 すたすたとキッチンに向うゾロ。
 短い髪に鼻先を埋めた。
 …ゴロゴロゴロ。
 
 とん、と荷物がテーブルに降ろされてた。
 そして両腕が、オレに回される。
 「オハヨウ、ゾロ」
 ぎゅう、っと抱擁。
 うわ、幸せーっ。
 「あぁ、オハヨウ。」
 ちゅ、と耳元にキス。
 「ゾォロ、愛してるよう」
 むぎゅう、っと抱きつく。
 うきうきわっくわく。
 
 「イイ匂いがする、」
 ゾロの甘い声。
 ああ、と思い当たる。
 「牛乳石鹸!ミルクの匂いしなかったよう?」
 くっくと笑い始めたゾロの首筋にまた鼻先を押し当てる。
 「ゾロもいいにおい。大好き」
 はむ、と啄ばむ。
 あむあむ…ああ、シアワセッ!!
 
 
 
 
 
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