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 「待つのは嫌いか?」
 「…好き嫌いじゃない、ただ…」
 ふわりと優しい声に目を瞬く。
 「寂しくて―――それをどうコントロールしたらいいのか、わからないんだ」
 片腕で、少し頭を抱え込まれて。
 そんな呟きをゾロの肩口に落とした。
 
 ゆっくりと、ゾロの手が刺激を送ってくる。
 く、と一つ息を呑んだ。
 「ずっと、アナタと一緒だったから…全部無くなって、どうしたらいいのか、わからなくなった」
 はふ、と息を吐く。
 
 濡れたままの髪に落とされる口付け。
 「いっぱい泣いたし…慰めてもらったんだけど…埋まらなくて」
 する、と首筋に頬を摺り寄せる。
 く、と掌に握りこむようにされて、ひく、と喉が鳴った。
 「んぅ、」
 唇、押し当てられる感触に、きつく目を閉じる。
 
 少し遠のくゾロの身体。
 ずれていって、肌に落とされていく口付け。
 「切り離されてたからな、」
 「さ、みしさを…楽しめ、って…アドヴァイス、も、らった…ケド、」
 優しい声に、目を開く。
 目に入る天井。組まれたウッド。
 「―――あァ、」
 「あ、しもと、から…すとん、て…穴に落ちたみ、たいで、」
 胸元にすう、と口付け。
 く、と背中を反らせる。
 
 「も、それで……まっくらに、なってた、」
 舌先が、する、と翳めた。
 ぴく、っと指が跳ねる。
 肩を辿って降りてきていた指先が、反対側に触れる。
 小さな飾り。
 膨らむことのない場所。
 
 「ずっと、か?」
 そうっと唇で食まれて、僅かに首を振る。
 「ときどき、上がれる…けど、気付いたら、落ちて…っ、」
 く、と指先が押しつぶしていく。
 その中間、その奥が。
 「ず、っと…しんぞ、が…痛くて、」
 する、と移動した唇が、浮いた骨に触れていく。
 つう、と濡れた熱が、沿って滑る。
 
 「いまは、」
 「いまは、いたくな、いよ、」
 きゅう、と背中を掴む。
 くちゅ、と濡れた音に、自分の状態を知る。
 「んぅ、」
 す、と足を引き上げられて、目を開く。
 
 「いまは、きゅ、ってなってるけど…甘い、痛み」
 ちゅ、と膝の内側、口付けるゾロの双眸を見詰める。
 「それを寄越せよ、おれに」
 膝に口付けながら言ったゾロに頷く。
 「おまえは、甘いだけになってろ」
 ……うん。
 
 目を閉じて、身体の力を抜く。
 委ねる、全部。
 「ぞろ、」
 吐息で呼ぶ、大好きな名前。
 「…あぁっ、」
 ぺろ、と零れた蜜をゾロが舌で掬い。
 それから奥まで含まれる。
 
 酩酊。
 芯から沸き起こされる甘い感覚に浸る。
 「…ぞ、ろ、…も、っと」
 
 
 
 
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