| 
 
 
 
 濡れた肌に残る水滴が、つ、と流れて行くのを目の端に捕らえる。
 緩やかに肌を啄ばみながら、うっすらと上気して淡い色味を刷くその表を流れて行く様を慈しみ。
 触れる先から、溶け入るような細い身体を抱きしめる。
 「あ、…っ、」
 朝の陽射しに、あまい声が酷くアンバランスに。それでいてアタリマエのように齎される。
 腕を背に回し、ひくりと揺れる。腕の中に閉じ込めた者が。
 
 柔らかに肌に口付け、微かに震える様を愉しみ。
 指先が強く縋ってくるのに、名を唇に乗せる。サンジ、と。
 「ん、ぞ、ろ…っ、」
 身体の表面を辿り、火照った肌を引き寄せ。吐息が強請るようで、その熱さに薄く笑みを刻み。
 ゆら、と。陽射しの中で揺らめく蒼が見上げてくる眼差しを間近で捕らえた。
 一心に見詰めてくるソレは、イトオシイ。
 掠めるように口付け。唇に言葉を落とす。
 おまえをすきだよ、と。
 
 ふわ、と。腕の中のサンジがまた甘い色味を纏っていった。
 先に、緩やかに追い上げていき唇を濡らした時とは色調が違う。
 頬に触れ。
 掌で、柔らかく光を弾くような肩に触れ。
 額に口付けた。
 
 触れるたび、身体が僅かに跳ね上がるのをやんわりと重ねた身体で押さえながら。
 唇で触れた刹那、閉ざされた瞳がまた現れ。
 コドモじみた熱心さで見上げられるのに笑みを乗せる。
 なんだよ、と呟き。
 唇を啄ばみ。
 何かを模ろうとするその先を閉じ込める。
 
 滑り込ませ、絡め合い。収まることを忘れた熱をやんわりと引き出していき。
 また、言葉に出来なかった代わりに強まった指先に、あまく絡めた熱を食む。
 おれの「ブレックファスト」がまた僅かに熱を孕み。
 夢中で口付けを返してくる。覚束なく拙い、その変わらなさにまた愛情に違いないものが居場所を大きくし。
 けれど、さすがにたどたどしさは薄らいでいるのに少しばかり笑いたくなる。
 
 「ん…っ、」
 濡れた熱の中を思うさま辿り。また深く口付け。あまく零れようとする吐息交じりの喘ぎを味わっていった。
 熱を孕んだ中心に触れ、ゆっくりとまた快楽を引き出していく。
 「んんっ、ふ、」
 ぴく、と跳ねるさまに、やんわりと絡めた熱を吸い上げ。
 零れる蜜を手指で味わう。
 「ん、ぅ、」
 微かに息苦しそうな吐息を飲み込み。
 微かに焦れて揺らいだ腰を、やんわりと押さえ込む。
 
 テーブルの上に、淡い金の影を落とす小瓶がある。
 焦らしたい訳じゃないけどな…?
 きゅう、と微かに眉根を寄せて息を呑んだサンジに内で語りかけてから。
 片手にその硝子の栓を開ける。
 その微かな音を拾い上げて、サンジが薄く目を開き。
 見上げてくる蒼に、また目許に口付ける。
 そのままに引き寄せ、ゆら、と視界の中でそれを小さく揺らし。
 手指に零していく。
 
 ぱつり、と一滴が。僅かに開いた火照った唇の上に落ち。
 「あぁ、悪い」
 ぺろ、と舐め取る。
 その後を追いかけられ。笑みを刻んだままやんわりと食んだ。
 
 下肢に濡れた指で触れ。ひくり、と浮いた背中を引き寄せながら胸元を薄く穿ち。
 舌で痕を引いていく。
 「んっく、」
 零れる吐息が耳にあまい。
 
 隠された奥に掠めさせながら、胸の飾りを唇と舌で確かめ。肩から片手を引き下ろす。
 鼓動が、また跳ね上がるのが伝わり。
 「ぞ、ろ、」
 淡く色付いたそれを望むままに高め。甘い声を零させる。
 切り取られていく音は、静かに降り積もっていく。引き起こされる熱とはまたどこか違う層へと。
 
 淡く痕を肌に残し、口付け。
 思い当たる、あぁおれはオマエを甘やかしたいのか、と。
 跳ね上がる細い身体、それを宥めるように触れ、同じだけおれに狂っちまえばいい、と思う。
 
 浮き上がる背、腰骨に歯を立て。
 じわり、と濡らした指先を埋め込む。
 宥めるように触れ続けていた奥に。
 「んっ、あ…っ、」
 「サンジ、」
 名を呼ぶ。
 「ん、ン、ぞ、ろぉ…っ、」
 甘く蕩けた嬌声、――――もっと聞かせろよ…?
 
 肌を強く撫で下ろす、唇と舌とで淡い金を分け。零れ落ちた蜜を掬い上げ。
 きつい内を指先で味わう。
 「ん、あ、―――ァ、」
 小刻みに跳ねる身体がイトオシイ、なによりもオマエ自身が。
 
 蜜を零し続ける先、舌先を押し当て。縋る指の強さと、指先を締め付ける潤んだ熱に。
 すう、と別の指で襞を撫で。蜜を吸い上げる。
 「あ、ん、っ」
 ぴくん、と跳ね上がる足をそのままに。なかへとまたじわりと進ませる。
 舌先で容を辿り、熱を気侭に貪り。やんわりと餓えた感覚を味わいながら、
 内を押し開いていく。
 甘い息を零しながら、従順に開いてく身体は受け入れようとしている。
 唇を浮かせ、身体を擡げ。金のオイルをまた手指と、昂ぶり、そして奥へと零していく。
 陽射しに濡れ、光りつるりと雫が零れていくさまは酷く目にキレイだった。
 
 止まる事を忘れた喘ぎ、短い息にのる音は。
 「―――いい歌、」
 言葉に乗せて、また身体を沈めた。熱くたちあがった中心を愛撫し。
 「にゃ、あ…っ、」
 舌先で、潜り込ませた指を飲み込んだ狭間を濡らした。
 濡れた熱を押し当てる。
 
 「あ、あ、ア、ゃあ…っ、」
 うちで指を蠢かせるより先。
 手指を溢れた蜜が濡らしていった。
 く、と。舌先を潜りこませる。
 「っぅ、」
 引き出す指先に抗って、内を濡らす。
 
 小刻みに跳ねる、足を肩で僅かに押し上げ。
 上げた目線の先、唇を噛んで頬を染めていたサンジが写る。
 構わずに割り開かせ。
 下肢をまた引き上げさせる。
 「ん、ん、」
 
 薄い皮膚を吸い上げるようにし。密かに零された声を高めさせ。
 「あっ…あンっ、」
 唇が滑り、口を開き。
 濡れて、火照った唇が艶めくさまをみつめながら指を締め付けるなかから引き出させ。縁を濡らし、舌を深く差し入れた。
 もうすこし、蕩けてからな、猫チャン。
 
 
 
 
 next
 back
 
 
 |