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 「ぁう…っく」
 舌に乗るのは、オマエの味だ。
 「…ぁ…ッ」
 時折、強く吸い上げながら。腿の下まで。
 膝裏、手をかけて。
 下肢を割り開く。
 食んで、皮膚を味わい。
 纏わりつく精を取り残さず、口にする。
 
 「…ッ…」
 細かな震えが。
 おれの胸奥に流れ込ませるのは熱いほどの感情。
 手を伸ばした。サンジの方へと。
 身体の表面を残らずなぞり、愛撫しながら。
 唇、指で押し開き。
 かり、と腿にきつく口付ければ。
 
 「んン…」
 眼をあわせたまま、サンジの唇が開かれ、指。ちゅく、とちいさく音をたてて吸い付いた。
 差し入れる、熱い口腔に。
 「ふ…っく」
 舌を絡め、それでもひどく真剣な眼差しがあわせられる。
 「…ッ」
 
 サンジの脚の間で洩らした吐息は、熱を帯びていた。
 藍が閉ざされ。くちゅ、ちゅく。と。ささやかな音を立てて指を食う。
 ふ、と。ネコを思い出した。
 抱きしめて、撫でてやりたい衝動。
 一度熱を吐き出したそれを根元へとたどり。
 柔らかな金をなぞり。
 「んく…ッ」
 肩に、脚を上げさせた。
 
 くう、と。サンジの喉が鳴った。甘く噛まれて指先が痺れた。
 やんわりとした熱、絡む熱さ。
 いつのまにかまた濡れた股間、その奥へ。触れる。
 「サンジ、」
 ぺろり、と舐め上げ。サンジは指を離していた。
 「ねぇ…そこ…?」
 「……嫌か?」
 する、と。指先を押しあてた。
 「ウウン…ふ…しぎ…」
 快楽に震える声が、ひどく不思議だ、と訴える。
 
 「オマエの中に。入れさせてくれよ、」
 「ぞくぞ…く、すル…」
 く、とわずかに閉ざされた場所、探るように力をこめ。
 は、と。息を呑む音。眼をやれば、それでも。笑みが浮かんでいた。
 「きて…?」
 酩酊。
 たったの二文字で。
 オマエの声で。
 おれは欲情する。
 こうのうえもないほどに。
 
 「ほしい…」
 手が。伸ばされる。
 差し伸ばされる、虚空。
 「ゾ、ロ…」
 手を掴みとった。
 指を絡めて。握り締める。
 幸福だ、と。甘く溶けた笑みが刷かれる。
 おれは。おまえをもっと蕩かせたい、幸福以上に。悦楽に涙を零すオマエを。
 見たいんだ。飢えている。
 
 上げさせた、日に焼けた肢。
 太陽を浴びない其処は生来の肌の白さを残し。
 視覚を煽った。
 濡らされた指先で探る、怯えさせないように。ゆっくりと。
 「…ふぁ、ッ」
 腰がひくん、と跳ねる。
 揺れる。
 
 硬くきつく閉ざされた場所を。宥めるように撫でる。周り。
 「サンジ、」
 「…あ…ァ…」
 強張った腿、口付けて。
 「ぞ…わぞわ、すル…」
 解けていた手、指先を握られた。握り返す。
 「ああ、感じてろ。大丈夫だから、」
 「ン…」
 落とす声、熱に滲むかと思われるほど。
 ゆっくりと。わずかに。なかに。差し入れる。
 
 「んぁ…は…ッ」
 熱い中。
 跳ね上がることをとめられず、ひく、と肢が揺れる。
 浅く中を撫でる。
 「はぁ…あ…ッ…は」
 押し広げる前に、指の腹で撫で。
 きゅう、と締め付けられた。
 ぞくり、と。湧き起こる。
 渇え。
 
 「ん…ぁ…、あァ…」
 唇を寄せる。下肢を押し上げるようにし。
 指、その横に。舌先を押し当てる。
 「ふぁ…な、に…ッ?」
 
 「アツ…ぃ…ッ」
 襞に添わせ動かすようにし、撫で上げる、舌で。
 ぴちゃり、と聞こえるように。蠢かせた。
 指、熱い壁に締め付けられ。
 「あ…ァ…んぁ…あ…と、…け、る…ッ」
 融けろよ、蕩けちまえばいい、
 揺れ始めた腰を舌先で追う。
 
 「んん…ふ、ッ…あ…ア」
 指を抜き取り、窄まりきるまえに。濡れた熱、差し入れる。
 シーツを、きつく掴む手が見えた。関節がしろく浮かび上がるほど。握り締められ。
 押し広げようと。熱い中を感じ、また、背骨が軋む。
 
 「ア…ア…アツ…はァ…っ」
 差し入れ、舐め取り。押し広げ。
 「ああ…ン、…ぁァ…ッ、は…ッ、ハ」
 淡い色に浮かび、染まり始める。
 やがて洩れる声に、そうように。
 「あァ…ッ、あぁ…っ、んぅ…ッ、ふ、う」
 差し入れれば、窄まり。解かれ。
 奥が口をあけるまで。
 「んん…ッ、ふ、ふぁ…っ、あ、う」
 腰下に手を差しいれ、わずかに浮かせた。
 指先で縁を押し広げる。
 
 「ああ…ッ」
 舌の代わりに。指を押し入れた。
 熱。
 「あ、ァ…、ぞ…ろォ」
 絡み取られるほどの熱さと。
 快楽に絶え間なく揺れる腰。
 「我慢、できるか・・・・」
 「…ッ、ほし…からぁ…」
 根元深くまで、熱に埋める。
 ぐるり、と撫でるようにすれば、短い声があがった。
 「ゾ、ロが…イイ…ッ」
 
 「ちょ、だい…ッ、ねぇ…ッ、ぞろ…ぉッ」
 横から、もう一本増やし。
 「待て、・・・って」
 じんわりと動かす。
 「あァ、ん、…ッ、はぁ・・・ぁ、と、けるよ…ぉッ」
 腰が添うように揺れ、きり、と脳が白くなる。
 「ね…ぇ、とけ、る…ッ、う…ゥ、はぁ、アッ」
 力を得たサンジ自身からも。
 つ、と雫が漏れ。
 「あふ…れちゃ…ッ、あァ…ッ」
 雫に触れ熱を持った硬さに濡らし広げながら。最後に数を増やし。
 「あぁあ、ッ、は、は、ぁン…ッ」
 柔らかさとは逆に。中を味わい。
 奥歯を噛み締めた。
 
 「あ、…ああ…ン、ぞ…ろォッ」
 痛いほどサンジに飢え、渇きを潤される事を望む自身。
 指を、抜き去った。
 「ぞ…ろぉ…、ッ」
 「サンジ、オマエのなかに、入らせてくれ」
 肢を折り、抱き。
 「ウン…ッ、ウン…ッ」
 伸ばされた手、掴まえ。
 「キ、て…ッ、ほし…ぃっ」
 半身を繋げる、穿ち。
 
 「あぁ、ァ、は、はぁ、あッ、ああッ」
 ずり上がる身体を。引き寄せ。
 「はあ、あ、…あん…ッ、きつ…っ、あァ…ッ」
 余す所なく。それでも、じわりと広がる強張りを抱き。
 がくがく、と。震える身体を抱きしめた。
 
 「〜ッ、ハ…ッ、あ…あ、あ…ァッ」
 ぴたりと。
 身体が添い。
 名を呼んだ。
 髪を撫で。呼吸さえ抑え。
 身体の下、腕の中。強張るからだが、熱を取り戻すまで。
 「あ…、ぞ、ろッ、ぞ…ろぉ…ッ」
 
 身体にあたる吐息に。
 もらされた声に。
 タスケテ、
 そうオマエが呟いた。
 「サンジ、」
 潤んだ瞳が。間近に見えた。
 
 「…あ…も…っと…、ほし…ぃ」
 熱い中が。蠢いた。
 中に届くように。緩く動いた。
 「大丈夫か、」
 「んああッ、はぁ…ッ、あぁ…あ、ふれ…るッ」
 熱を取り戻した腕が。きつく首に回された。
 「オレ…ッ、と、けて…ぇ、あ…ふれ、るよぉ…ッ」
 ずくり、と疼いた。きつく絡め取ろうとする溶けるほどの熱、
 そのすべてを自分だけで満たし埋め尽くしたいと
 渇望。
 
 「ぞ、ろ…ぉッ」
 「溢れろよ、―――おれで」
 「スキ…ゾロッ…スキ…ッ」
 貪る、欲求、衝動。飢え、渇き。
 穿つ。きつく。
 緩く、抱きしめ、引き。
 繰り返す、変則
 つらり、と頤に伝う汗をどこかで意識した。
 揺れる、金の髪。リネンに。
 滑りかける腕、引き寄せ。
 
 「ゾ、ロォ…だめ、も…だめ…ッ、ああッ」
 抉る、熱の最中を。
 「ああ、融けろ」
 「あああッ…〜ッ」
 感じ取る、サンジの熱が。
 昂ぶったソレが。
 全身が震え。きつく絡み取られ。
 音が響く。
 腰を抱き。
 視界が狭まる。
 弾ける熱と。
 感じ。
 ぎりぎりの理性で。引き出した。
 ぎう、と反った背を。
 抱き起こし。荒い息を、口付けて乱した。
 
 
 
 
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