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 ゾロが、ふわん、と目許だけで笑った。
 ひゃあ。
 なんだろう。
 「めちゃくちゃ、幸せ」
 きゅう、と抱きついてみた。
 
 背中に当てられていた手。
 オレを抱くみたいに、腕にチカラが入った。
 少し身体を離し、両手でゾロを辿っていく。
 
 髪。
 耳。
 頬。
 唇に口付けて。
 そうっと舌を滑り込ませながら、首筋から肩にかけて辿る。
 「ん…」
 ちゅ、と吸い付きながら、がっしりした腕から、胸板に移る。
 ゾロはリラックスしていて、なんだかされるがままになるのを、愉しんでいるみたいだ。
 胸、これもがっしりしてる。
 同時に少しぷつりと立った小さな乳首の上を通過。
 脇腹を撫で下ろす。
 
 舌先だけ、からかうように絡んでいて。
 目を閉じて、舌を絡めたまま笑った。
 割れた腹筋を撫で下ろして、ゾロのもの、しっかりと立ち上がって、熱くなってる。
 それを、握りこんでみた。
 と同時に、自分のものも、ひくりと揺れて。
 益々笑った。
 くちゅり、と舌先を擦り合わせる音を愉しみながら、自分のものとは随分とサイズの違うものを握りこんだ。
 「にゃあ…」
 キスを解いた。
 「おっきぃね」
 笑った。
 うん、手も大きいしなぁ。
 ゾロがふ、と笑った。
 「よく入ったなぁ」
 肩口に、額を擦りつけた。
 ああ、なんだか照れるなぁ。
 ゾロがくっくっと笑っているのが、すぐ近くで聴こえる。
 頭、抱きしめられた。
 きゅうっと。
 
 「てめえ、カワイスギだぞ、」
 「んん?そうかな?」
 にゃあ。
 ゴロゴロ。
 うわぁい。
 ゾロ、スキだよう。
 
 手の中のゾロのものに、自分のものを擦りつけてみた。
 「っふ…」
 笑い声、吐息に変わっていく。
 ゾロも軽く、息を呑んだ。
 まどろっかしい快楽。
 手を添えてなくても平気かな?
 手をどかして、腰だけ擦りつける。
 「っふ…ぅ」
 微笑みが、勝手に洩れていった。
 閉じていた目を開けて、ゾロを見上げると。
 ギラギラと物騒な燐光が、底を掠めたのを見た。
 笑った。
 ウン。
 アナタのその目、とてもステキ。
 両腕を、ゾロの首に回した。
 
 一定のリズムで、ゾロのものに自分のものを擦りつけていく。
 ゾロが、にぃ、と牙を剥いて笑った。
 「ふぁ…」
 ぞくり、と快楽が走った。
 さっきは翻弄されるだけだった感覚。
 今度はゆっくりと身体を走り始める。
 「ダイスキ…」
 
 頤。
 ゆっくりと口が近づいて、噛みつかれた。
 「あぅ」
 喉で笑った。
 腕に入れた力、もう少し込めて。
 少し腰を浮かせて、さらに擦りつける。
 走りすぎる快楽を宥めるように、ゆっくりとゆっくりとスピードをあげていく。
 もどかしい、快楽。
 
 「……ふ、」
 手を添えて、一気に走り抜けてしまいたいような感覚に陥る。
 ゾロが笑うのに失敗した。
 「んん…」
 「―――サンジ、」
 身体がどんどん熱を帯びていくのを、自覚した。
 呼ばれた。
 「にゃ・・・?」
 笑ってみた。
 「オマエの中で、いかせてくれよ」
 「いい…よぉ」
 
 にゃあ。
 蕩けるね。
 ゾロも蕩けてるかなぁ?
 熱に渇いた声だった。
 そっか、アナタも渇いてるんだ。
 ふふ。
 嬉しいなぁ。
 
 「ぬら…すのぉ…?」
 熱で、渇いた皮膚。
 身体の中、奥深くはドロドロになってるのに。
 まだまだ皮膚表面は潤わなくて。
 揺れる腰、無理矢理止めて。
 浮かせて、ゾロのもの、飲み込もうとしてみた。
 「…ムリ…だね」
 ああ、まだ渇いてるね。
 なんか、オイルかなんかあれば…楽かなぁ?
 ああ、すぐに欲しいのに。
 ゾロ、まだ覚えてるよ。感覚が、体内に入ってたの。
 思い出したら、ゾクゾクした。
 
 「ね…アイス…」
 そうだ。
 アイスクリーム。
 乳脂肪だから、だいじょーぶだよね…?
 腕を伸ばして、サイドボードに押しやっていたソレをとろうとしてみた。
 ゾロが替わりにひょいとそれをベッドの上に置いた。
 
 カートンの中、見た。
 ほとんど食べて、中身はあんまり残ってない。
 食べ物を粗末にするのはイヤだけど。…他に考え付かないし。
 今餓えてるのは、ゾロに、だから。
 ごめんね、牛さん。一つ心内で呟いてから、どろどろの中に、指を突っ込んだ。
 まだ冷たいクリーム。
 少し指先で温まるのを待とうかと思ったけど。
 うずうず、堪えきれず。
 一つ息を吐いて、さっきゾロを飲み込んだそこに塗りつけた。
 
 「ッあ…」
 身体が勝手に撥ねた。
 ゾロの腹に、先っぽが当たって、更に熱くなる。
 
 ぺろ、と胸元、ゾロに舐められて。
 カッカ、と音が聴こえそうな気分。
 「もっと、声。きかせろよ?」
 クリームをさらに指に掬って、まだまだ緩んでたそこに、指先を差し込んだ。
 同時に、カリ、と薄く肉を噛まれて。
 「ああン」
 甘ったれた声が漏れていった。
 
 いい子だ、ってゾロの声が聴こえて。
 低い声、腹に伝って。
 ぞくり、と震えた瞬間、自分の指を締め付けて。
 おそろしく中が熱くて窮屈なのを知った。
 …ゾロ、よく入ったなぁ…!
 ふう、と息を吐いて、指を抜いた。
 「んぁ」
 また声が漏れた。
 
 ゾロが同じ様に、クリームを掬い取って。
 指が出て行ったすぐ隣、指の腹が撫でて行った。
 「ふあ」
 指の腹、くう、って皮膚を押して。
 「はぁ…ン」
 腰が揺れた。
 
 クリーム、震え出した指で掬い取って。ゾロの指先がもぐりこんだところに、押し込んでみた。
 「ふあ…あ」
 面白いぐらいに、簡単にそれは入り込んで。
 自分の中で、ゾロの指に触った。
 不思議な感覚。
 オレの指を、ゾロの指が押して。
 なんだか潤んでいるような内側に、押し付けられた。
 「はぁ…ン」
 ぐりぐり、と押し付けるように遊んでたゾロの指が、オレの指をそうっと横にずらして、蠢き始めた。
 
 「は、…ぁ…ぁんッ」
 ぞくぞくぞく、と震えが走って。
 指にチカラが入らなくなった。
 不自然な体勢、少し辛くて。
 自分の指を引き抜いて、ゾロの首にしがみ付いた。
 ゾロの指は、まだ中で蠢いている。ゾロの指。中に押し当てるようにしている。
 「んあ…は、…ああッ」
 じんわり、円を描いて、ゆっくりと。
 少しずつずらして。まるで、何かを探しているみたいだ。
 目を閉じた。
 
 ゾロの指を、締め付けて。
 感じ取った熱が、そこから四散していく。身体中を走り回る。
 疼き。
 ゆらり、勝手に腰が揺れて。
 「んあッ」
 声を漏らした。
 それでも、ゾロの指は、時折引っ掻くように中を探って。
 中で、く、と弾くように動いたのが解った。
 かり、と引っ掛けるような動き。
 「あは…ン、あ…ン、ふぁ…ッ」
 くらくらと、視界が白く染まっていって、ゾロの首に噛み付いた。
 じっくりと、歯を立てて、快楽を逃がす。
 ゾロの指が、一点に集中しだした。
 「ふあ…は、はぁ…」
 無意識に、腰が揺れる。
 ああ、わけわかんなくなってきたよう…。
 体内で感じてるなんて。
 頭が、それを認知することができず、混乱していく。
 ダイタンになった指。
 どんどん、中を擦っていく。
 
 「ふ、は、あ、ァ、は」
 そのリズムにあわせて、呼吸を逃がす。
 ぐう、と奥の方に当たって。
 びくり、と思わず身体が撥ねた。
 「ッ!!」
 息を呑む。
 ゾロが、ふ、って笑ったのが聴こえた。
 自分のソレ、びびん、と立っているのを感じた。
 ぐ、と指先全体で押し当てられて。
 「〜ッ!!!」
 短い悲鳴になった。
 く、と蠢かされて。
 前を弄られていないのに、思わず湧き上がる吐精願望。
 「ふぁ…アァ…ッ」
 じんわりと、それでも強く撫で上げられた。
 焦燥感。
 イきたい、と脳がシグナルを発する。
 
 「ああ、素直なんだな、オマエは」
 嬉しそうなゾロの声。
 「ぞ、ろ…やァ…ッ」
 ダメだよ、だって、まだ…。
 「ぞ、ろ…ぉ」
 くう、って押し上げられた。
 ああ、ゾロの、欲しいのに。
 「い、れて…よぉ…ッ」
 スパークする、脳裏で。
 「やぁ…ッ、はや…くっ」
 涙が勝手に盛り上がって、はっきりしない視界の中。
 うっそりと物騒に笑うゾロの顔が、ちらりと見えた気がした。
 アァ。
 まだいきたくないのに。
 やだよぉ。
 
 「ぞ、ろぉッ」
 悲鳴みたいな声。
 誰の?
 オレ、の。
 手が、オレのものをきつく根元で握りこんで。
 指が抜かれ、腰が揺れた。
 けれど。
 熱いの。
 おおきい、の。
 一気に押し込まれた。
 「ああああッ!!!」
 「まだだ、サンジ」
 頭を振る。
 どっと頭に血が上った。
 快楽。
 押し寄せる。津波みたいに。
 呑まれる。
 
 「ああああッ、…ああああッ」
 ずくん、ずくんと、一点だけを、強く突き当てられて。
 射精願望が、耐えがたくなるのに。
 イけなくて。
 苦しくて。
 強すぎる快楽。
 声だけでは、逃がし切れなくて。
 涙が零れた。
 撥ねる肩、抑える強い腕。
 
 「あああ…ッ、や、あ…ッ」
 ダメ。
 イかせて。
 おかしくなる。
 おかしくなるよう…!
 熱い舌。
 零れた涙を舐め取ったのを。
 「まだ、だ」
 どうにか知覚した。
 
 「や、ア…ッ、ああああッ」
 揺さぶられる。
 下から。
 身体中、電流が駆け巡る。
 ダメ。
 キツいよぉ…。
 「サンジ、」
 耳の中、ガンガン言ってる。ピーン、と電子音が鳴ってるみたいだ。
 低くて甘い、ゾロの声。かすれ気味、の。
 遠くで聴こえた。
 「ゾ、ろッ、や…ああッ」
 首を振る。
 助けて。
 イかせて。
 じゃないと、オレ、蒸発してなくなってしまいそう。
 
 「い…ああッ」
 身体、勝手に反り返る。
 腰が逃げようとする。
 手。
 どうしようもなくて。
 ゾロの背中、
 ぎり、と指先で抉った。
 遠くで、ゾロの声。
 とけろよ、全部。喰ってやるから。
 そう言ってるような気がする。
 首元、牙を立てられた。
 「あああああッ」
 ぎゅうう、と身体全体が、力を入れた。
 
 熱い。
 溶ける。
 思考も。
 感情も。
 身体も。
 知覚も。
 腰が勝手に逃げる。
 けれど、下から更に追い上げられて。が、と掴まえられて、更に穿たれる。
 キーン、と引き絞られる、感覚。
 
 視覚、ホワイトアウト。
 スノーダストが降ってる。
 聴覚、耳鳴りに支配されてる。
 口がどんな言葉を紡いでいるのか、脳はコントロールできない。
 壊れた蛇口みたいに、涙だけがポロポロと零れ落ちる。
 ゾロが何か言ってた。
 わかんないよ。
 なにもかも、わかんないよ。
 ただ解るのは、オレを満たすゾロのもの。
 その熱と、質量。
 それが打ち込まれる度に、背骨がビリビリすること。
 ゾロの、それだけで、全部支配されている。
 
 声。
 悲鳴を紡いでるかもしれない。
 けど、もう声出てないかもしんない。
 わかんない。
 わかんない。
 熱くて。
 全部溶けてて。
 溢れて。
 マグマみたいに煮立ってる。快楽だったもの。
 強すぎて。
 熱すぎて。
 意識が、飛ぶ。
 ダメだよぉ…ッ。
 
 ぷつん、と意識が切れた。
 回線、みたいなもの。
 身体に抑えられていた蜜が、とんでもない勢いで飛びでてったのを感じた。
 全身の力がぎゅうって入って。
 奥底、熱いの。
 溢れた。
 喘ぐ。
 息を求めて。
 それでも、入ったものは、大きさを変えず。
 中に残ったまま。
 ダメ。
 ゴメンね?
 意識が…とおの・・・く…。
 
 
 
 
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