――――え……と?
とても歯切れ良く言い切られたけど。
一発で覚えろ、って。
なんだかさっきまでの何かを言い含めようとしていた口調とは全然違う。
センテンスをアタマのなかで反復してみた。いつもの、理論だったものの言い方とも違ってて、珍しい―――二度と言わない、
って言ってた。
一人でふらふら……?遊びになんて行かないよ、アリエナイ。
「ゾロ…?」
「なんだよ、」
「おれ、一人でどこに遊びに行くの…?」
だって、アリエナイじゃないか。
だけどゾロは。
すい、とキャビネの方へラムの、かな。ボトルを取りに行って。
「バーだろ?」
「行きません」
「あんなに行きたがってたのにか?」
「一人では、行きません」
カウンタの内側にまわったゾロの腕を捕まえた。
「Good, 'Cause I'm not gonna let ya」
ヨカッタ。オレはそんなことを許す気なんかサラサラないからな、と。
どこか呆れた風に、それでもキッパリ言い切るように言葉にしていた。
「ゾロ?」
もう1杯飲むか、とブルゥのボトルを差し出してくれていたのをまた押しとめれば。
方眉がキレイに跳ね上がっていた。
「I do understand,」
ようく、分かりました、と。
言葉に乗せたなら。
「Good、」
笑み、それと一緒にそう返された。
「ゾロ……?」
「Yes?」
「でもね、それは杞憂だと思うんだ」
「なにが?」
氷を口に入れて齧った。
砕けた粒を飲み込んでから、もう一度グリーンに目をあわせる。
「ヒトが見てるのは、おまえの方だもん」
You see?
そうだろ?と言えば。
「Love makes one blind, but never this much」
恋は盲目とか言うが、コレほどまでとはな。
溜め息をゾロが零して。
「Am I too fool to be loved by you?」
おまえに愛されるには、おれはバカ過ぎる?
カウンタに肘を付いて、ゾロを見上げてみた。
「No. It means I can't let you wander alone all the more」
「Hey, I'll never do su…」
もっとオマエを一人で放っておけないと思うだけだ、と言われたから。
そんなことしないって言った、と言い返そうとしたなら。
言葉の続きは、噛み付くみたいなキスが落とされて立ち消えて。
拡がったラムの香りに、少しだけ眩暈がした。
「What on earth make you believe, such a one as you who attracts me all
crazy like this, could be not attractive to
others around? Now just tell me that」
一体どうやったらオレみたいなのをこんなに馬鹿みたいに夢中にさせているクセに、オマエは他人にはこれっぽっちも
魅力がないと信じられるかな?それだけ教えてくれ。
言葉、綴られて。落とされた明りの中でグリーンが綺麗に光を乗せていた。
「’Cause you're the one、(だっておれが愛してるの、オマエだけだもん)」
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