「あー…そうだな、」
ちらりと行く先を考える。
腹いっぱいになったサンジが足首の方まで手を伸ばしてストレッチしていた。
引き上げられたTシャツの間から背中が覗いていた。
「半ズボンと組み合わせないのならいいぞ」

ぷ、とサンジが吹き出した。
「じゃあイラナイ、」
ふざけてサンジが言う。
「どうせならロングパンツに、カウボーイが穿くカヴァもつけろよ、」
膝小僧にサンジが額をくっ付け、くっくと笑っている。
「やーだよー、」
大笑いするサンジに、犬連れのカップルが目を細めていた。
ワン、と犬が吠え、周りの草の中を歩き回っては虫を前足で捕らえようとしていたエリィが、なんだよ、とでも言う風に視線を
そちらに上げていた。

すい、と膝を立て、片足を抱え込み。サンジが見あげてくる。
「ナンダヨ?」
笑って訊けば。
「カウボーイ幻想をお持ちデスカ?」
にかっとサンジが笑っていた。
「No、ただデフォルト・イメージを追求しただけ、」
に、と笑って返す。
「ハハ、」

「ロデオマシーンに乗りたいのなら、半ズボンじゃ無理だぞ?」
笑って方膝に頤を乗せていたサンジに、小さく笑う。
サンジがワザと眼を見開いた。
青空の下で蒼がきらめきを増す。
「アリーステア、」
きゅ、と悪巧みを企む猫の顔になったサンジを見遣る。
「おまえにコインいらないのに―――!」
そしてけらけらと笑いが続く。

「そういうことを言ってるから、オマエ、オレに意地悪されるんだって解ってンのか?」
「ふん?」
がし、とサンジの肩を掴んで。
ぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜる。
ひゃあ、とサンジが煌く蒼を細め、嬉しそうに笑った。
「マシンにゃできねェコトをしてやるよ、」
かぷ、と耳朶をピアス。
「な?」




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