サンジの笑い声がまた甘くなった。
「消費しなよ、ダァリン。ビール飲んじゃったろ」
陽気な甘ったれた声。
「明日も朝からドライヴだけどな」
また笑う。
「オマエ、付き合えるか?」
「ロード・トリッピン歌ってあげるから?」
くすくすと笑い声で返される。
きゅう、と四肢で抱きつかれて、前髪を掻き上げて見下ろす。
「タフだな、ベイビィ?」

すい、と蒼が見上げて来て笑った。
「シャワーなど?」
「あとから一緒に行こう、」
あむ、と頤を食まれて笑った。
「あんまりロデオライドって気分じゃないんだが?」
メジャーリーグもやってないしな、といえば。
「隣寝てるみたいだしねえ」
にこお、と笑顔が返ってくる。
「オマエはどういう気分だ?」
目尻に口付けて訊く。

「テレビショッピングじゃなきゃなんでもいいよ、バックグランドテレビ」
「あれは1コイン30分だ、そんな長くは保たねェよ」
くすくすと笑うサンジの声に返す。
「うん?何コイン分ならオーケイ?」
く、と蒼が笑みで細まった。
「何コイン分もしてたら、朝になっちまうぞ?」
もうすぐ1時だろうが、と返す。
「じゃあ、」
かぷっとまた首筋を甘く噛まれた。
「朝も楽しく起きれますように、ってアイシアオウ」
にこお、とサンジが笑った。

「欲しい?」
く、と腰を軽く押し当てる。
「訊くの?―――うん、」
とろりと甘い声が返ってきて笑った。
「起きなかったら噛み付くぞ」
笑ってサンジの頬に口付けた。
「―――んんっ、」
笑っているのか、息を零しているのか。
サンジが甘えた声で笑った。
蒼がきらめきを抱擁したまま潤んでいた。
笑って唇を合わせる。

「なぁ?」
「んー?」
ぺろりと開いた唇を舐める。
「おれ、―――おまえのこと誘った…?」
とろりと蕩けた囁き声。
「微妙なところかな、」
くくっと笑う。
「オレが仕向けたとも言えるぜ?」
ぺろりとまた唇を舐めて言えば。
「素直になり過ぎたかな…」
く、と唇が押し当てられる。
「装う必要がどこにあるんだ?」
軽く下唇を歯で挟む。
少し背中が浮きそうになっているのを感じ取る。
くくっとまた笑った。

「じゃ、いっか」
囁き声で返されて、更に笑った。
「素直でいろよ、その方が欲しいものが手に入りやすい」
軽く舌を差し込んで掻き混ぜる。
とくん、と鼓動が跳ね、低く笑って、甘い人工的な甘味料が足されたオレンジの味を舐め取る。
爪先がデニムの足元を辿ってきて笑った。
口付けを深めたまま、ショートパンツのボタンを弾く。
あん、と舌先を食まれて、また緩く絡める。
ボタンを外し終えてから、深い口付けを解いた。

「ベイビィ、」
「―――な、ぁ…?」
トン、と赤く火照った唇に口付ける。
語尾が軽い喘ぎに消えた。
「このデニム、ビーチまでお預けナ」
トンと口付け、笑う。
膝が立てられ、きゅ、と身体が挟まれる。
する、とTシャツを脱がさせる。
金が淡い色合いのベディングの上にまた散った。
「文句は聞かない」
「ローライズ、キライ?」
にぃ、と笑ってトンとサンジの心臓の上を突く。
「ローライズも、ショートパンツもいいけどな。これから先、あんまり治安がヨロシクナイ」
小悪魔な笑顔を向けられてもナ。

掌でシャツの中にある肩辺りを辿ってくる熱に軽く眼を細める。
「スーツでウシに挨拶しよっか、」
「ばぁか、」
トン、と口付ければ、ふわりと微笑が返され。それを見詰めたままサンジの耳朶に軽く舌先を潜り込ませた。
「ん、っ、」
「過保護な狼で悪いな、」
一応、自覚してるってことでカンベンしてくれ。

くう、と肩甲骨を潜り込んだ掌が押さえてきた。
耳朶に歯を立てる。
「オマエを閉じ込めたままにしておきたいってのは今も本音なんだぜ?」
ひく、と膝が跳ねたのが解る。
「な…ぁ?」
くくっと笑ってから、シャツを脱ぐのに片手をボタンに掛ける。
声が縋るようなトーンを帯びているのに口端が勝手に引きあがる。
シャツを手指が引いていき、少し待てよ、と囁きを落とす。

「それを、嬉しいって思うの―――変、か…?」
「―――さあ?」
シャツを脱ぎ落として、またサンジの素肌に体重をかける。
「けどまあ、閉じ込められてくれるってンなら―――、」
ふう、と安堵したような息をサンジが零していた。
「―――ショートパンツと腹だしスタイルは暫くナシ。オオケイ?」




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