「日焼けの前に、」
ゾロをそのまま見上げた。
きれいに空になったエリィのディッシュを床から引き上げながら、翠があわせられる。
「バス、お湯入れてきてやろうか」
「たまには一緒に入るか?」
今日殆どおまえが運転しっぱなしだし、と半ばまで言っていた言葉が途中で立ち消えていく。
くす、と軽くゾロが笑い。ヨロシク、と付け足していた。
「氷と白ワインの持込は自主規制しなくちゃいけないかな」
たまには−−−って、でも。ええと、うう……?
昨日や一昨日や……あれは一緒っていわないのか??
「まあ量を飲まなけりゃいいだろ。温目で溜めておけばいいさ」
「いれてくる、」
なんだかこれ以上何か口走ったら墓穴を掘りそうな気がしたからゾロの横を通り抜けてバスまで行く。
バスに身体をつける前から逆上せそうだ。
青を基調にしたバスルームはきちんと片付いていて。コイン式じゃないらしい。
ちらりと笑ってから、バスタブに水を溜め。ああついでから、おれはもういまシャワー浴びとこう、と思いつく。
ドアから顔を出す。
「ゾーロー、」
「なんだ?」
「後からワインと一緒にローブも持ってきてくれるとありがたいです、おれシャワー浴びる」
「ん?先入るのか?」
「バスタブもお湯溜めてるよ」
「白でいいんだな?」
「うん、ありがとう」
シャワーブースに入って、備え付けのボディソープまで青のジェルだったことにわらう。そして、ゾロがローブを先にカウンタに
置いていってくれたのが気配で伝わる。
―――あれ?おれ。労わるつもりが甘えてるか……?ま、いいや。
後から挽回しよう。
シャンプーでもしてやろうかな、――――やらせてくれるか怪しいけど。
どうだろう?
そんなことを考えながら髪と体から泡を洗い流して。
少なくとも毎回毎回「シャンプーする」言っていればそのうち諦めてさせてくれるかもしれないよな、と思い直した。
ブースを出ようとしたなら、ゾロがちょうどグラスとワインを持って戻ってきていて。
「ヘイ、」
に、と笑って挨拶した。
「バスの横に置いておくぞ」
「うん、」
濡れた足のままぺたぺたとゾロに近づく。
すい、と手に持っていたものを置いて、タオルをキャビネットから取り出していたゾロの背中にぺたりとくっついてみた。
濡れたまま。
「こら」
「んー?」
笑っている声に返す。
腕を前に回して、シャツのボタンを外していった。
「ランドリィサーヴィスに出せないぞ、それ」
ぺとり、と。締まった腹筋のあたりに掌をあてる。
「あとで責任もって洗います」
「渇くか?まあいいか。シャツの1枚くらい」
直ぐ乾くよ、と背中に唇を押し当てて言ってから、先にバスタブに入った。
そして、入浴剤が目に入る。
シャツを落として、ボトムスも抜いたゾロがシャワーを浴びに行く背中に向かって声を掛ける。
「ゾロ!出てきたら感想教えてな!」
なにがって。この入浴剤。
水がまっさおになるらしい。すごいよなァ。
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