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 「−−−−−−−っぁ、」
 唇を突いて出る音が全部、濡れて重い。
 眩暈がしそうになる、やっとアタマが「事態」を呑み込んで。
 幾度も濡らされて、緩慢に甘ったるく重い、奥が。溢れるほどに注ぎこまれたと知って、ひくりと喉が引き攣れかける。
 ―――あ、つ……。
 翠、捕らえて。
 光を純分に取り込んで、もっと煌くようなソレ。そして自分の状態、を理解しようとしかけて無理やりに止めた。
 ふつ、と。また熱が上がる。
 「ぞ、ろ…ぉ、」
 泣きそうな声だ。
 落とし込まれてく眼差しも、内から拡がる熱さも、差し入れられそうで、そのまま緩く添えられている手指にさえ。
 赤、舌先。それが薄い唇から閃いて。膝に触れられ、小さく跳ね上がる。
 引き上げられていた下肢がリネンに着く。
 「−−−−っは、ぅ」
 内に差し入れらたままの指を強く感じて、震える。
 濡れた音が耳に聞こえて、下から。かぁ、と。頬がまた熱くなっていく。
 「ぁ、」
 そして、内からとろりとしたものが零れてく。
 やんわりとした動きにつれて、−−−−−ぁ、あ…?
 「ゃ、……っ、」
 とろとろ、と液体が零れ出て。また、差し入れられるのを内側から感じて、泣き声めいた声になる。
 脚の上から腰骨に添って、濡れた熱さが線を引いていく。
 その、じわりと押し当てられる微かな力にさえ、喘ぎが抑えられなくて。
 く、と緩くまた指を戻されて、爪の形さえリアルで。
 引き攣れて流れ出す、注ぎいれられたものが。感じる。
 
 「ヨクナイ?」
 からかうように、甘い囁きに、応えることなんて出来ない。
 「−−−−ぁあ、ア…っ」
 中を軽く押し上げられて、腰が揺らいで。
 「……ろ、ゃ、ぁ、っあ、」
 揺らいだから、余計に感覚が高まって。
 薄い皮膚、骨のそばにまた口付けられて。早まるばかりの鼓動、それが耳元で聞こえる。
 身体の真ん中はそれでも、甘い痺れにまた揺れて。
 肌、口付けられ。声がただの音になっていく。すこしづつ、揺らぎそうになる視界にゾロが映って。
 背中に、指先を埋めて。
 「嘘ばっかり、」
 笑ってる声に抗議する。
 
 「ン、ぁ」
 く、と。内側を撫でられてくのが鮮明で。膝が跳ねる。身体の横側、食まれて。
 「ァ!」
 一瞬、身体が竦む。
 「く、すぐ……」
 肌の上を、またゾロの体温が少し上がっていって。
 胸元、舌に触れられて、身体が強張る。舌の伸ばされる先、立ち上がりきった―――――
 「−−−−ひァ、っあ」
 熱さを押し当てられて体温が上がりきるかと思ったなら、痛みとぎりぎりなまでに噛まれて強すぎる刺激に涙が零れかける、
 「ぁあ…っ」
 その間も、ずっと。
 小刻みに、じわじわと緩く重いような奥、襞を擦るように揺らされて。
 「−−−ふ、ぅ…っん、」
 嗚咽じみた声、だけど。溶けそうに感じてるってことだけを伝えてく。
 強すぎる、刺激が快楽と繋がって。とうに焼ききれてるに違いないのに、いつもなら。
 ぱし、と。フレアが瞼の裏に幾度も見えそうなのに、そのもっと上を焦れて。
 「ゾ、ろ…っ、」
 鼓動の上、キツク噛まれたその場所をやんわりと緩く舐められて。
 「っあ、…アっ!」
 痛みと背中合わせの悦楽、それが背骨を奥まで痺れ落ちて。
 濡れた熱さ、が。肌を浮いていって息を吐く。喉を逸らして、息を取り込もうとした。
 「ア、や…ぁッ」
 唇と舌とで宥められて緩く快楽を肌に馴染ませていこうとしていた同じ場所を、また穿たれて。背が浮き上がって。
 歯に挟み込まれたままのソレが熱い舌先に押し潰すみたいにされて、もう限界だと泣いてしまいたい。でも、冴える感覚がソレを許してはくれずに、ただ受け止めるように身体が開いていく。
 乾いた掌が、羽が触れるみたいに身体の表面を撫でていくのも。
 愛されてるんだ、と理屈抜きでわかる。
 
 「…ッあ、ァ」
 くちゅ、と。濡れた音が聞こえる、ほど。舌と唇とで高められて、甘さに眩暈がする、けど。
 息を零せば、きつくまた溶けそうな飾りをピアスされて。ゾロの肩口に、知らずに爪を立てる。
 「んん、んっ」
 身体、力が自然とこもると、奥に含まされていたものが伝い落ちて。
 「ぁあ…っあ」
 オイル、ビンのなかにあった金色のもの、ソレが何であったなんて、もうわかってる。
 だって、こんなに……
 「ゾ、ろ、」
 掠れて、溶け落ちそうな声。快楽の波に溺れそうになってる、もう、溺れてる。
 くん、と。口付けられてた胸元、甘すぎる痛みが引き起こされて。
 おれが、やっと金色の媚薬を呑まされてたことに気付いたことを。ゾロが感じ取らないないはずがなくて。
 硬く立ち上がった胸の中心、歯に挟みこまれたままで軽く引き上げられて。
 「ぁ、」
 きゅう、と肩口に爪を立てた。
 「あぁあっ、」
 わらってやろう、なんて余裕は強く内を押し上げられて、ただの嬌声に成り果てて。
 また、身体の間に蜜を零してた。
 
 
 
 
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