とくとく、と。サンジの心臓の音が響いてくる。
熱く火照った肌、潤んだ体内、弾んだ息、僅かに震える手指。
生きていることを実感する。本能のレヴェルで。

ゆっくりと身体を擡げ、まだ荒い息が収まらないサンジの顔中に口付けを落としていく。
見あげてくる蒼が蕩けていて、そこに映りこむ自分の状態も知る。
「―――サンジ、」
額に張り付いた髪を退かしてやり。
はた、と瞬いたサンジの目尻に口付ける。
「愛しているよ」
微笑みを落として。
それからサンジが無意識に零した涙を吸い上げる。
舌先に甘い雫。
それがオレに命をくれる。

「―――ぉ、ろ…?」
「Yes?」
とろりと甘えた声に微笑む。
指裏で火照った頬を辿り、涙の零れた跡を拭い。
まだ雫に濡れて重たげな睫の間に揺れる蒼を見詰める。
「なか、溢れ、そ…。気持ち、ぃ―――、」
とろとろと蕩けた声が紡ぐ言葉に微笑む。
サンジの火照った指先が、ゆっくりと背中を辿っていく。
ふつ、と。飢餓を覚える。

ふ、と熱い吐息が間近で零されていく。
見詰めてくる蒼を見下ろす。
「オレも気持ちがイイ」
くぅ、と口端を引き上げ。
潤んだ内がきゅう、と絡み付いてくる感触に、トンと額を合わせる。
「明日の夜もここで過ごすからな、」
に、と笑ってほんの僅か、腰を揺らめかす。
ふわあ、と蒼が潤み。溶けていった。
「―――ぁ、ん…、」
「まだいっぱいってわけじゃないだろう?」
甘い声で喘いだ恋人に問いかける。

背中に指が埋められる。
答え―――NO。
笑って僅かに腰を揺らす。
濡れた音が微かに響く。
「ふ、っ、」
きゅう、と目を細め。恥じらいを表情に乗せた恋人の頬骨の上に口付ける。
目許、色づいて艶めいていた。

「…少し、チャレンジするか?」
に、と口端を引き上げてみる。
サンジが薄く唇を綻ばせていた。
回答―――Yes?
はさん、とサンジが瞬いていた。
ちゅ、と軽く唇を啄ばむ。オーライ。

サンジが、あむ、と軽く啄ばんできた。
緩く何度か、口付けを交わし。
薄く開いたままの唇に舌を差し込んで、甘く絡ませながら腰を引いた。
「―――っ、ん」
押しとめるように窄まる内からゆっくりと引き抜き。
トーンが高くなったサンジの声に低く笑いながら、口付けも解いた。
とん、とん、と口付けながら、ゆっくりとサンジの上体の上を辿り下り。
零された熱の残滓を舐め取っていく。

ちらりと見上げれば。ほて、と真っ赤に熟れた唇を、サンジが無意識に濡れた舌先で辿っていくところだった。
笑いかける。
「Still hungry, my dear?」
まだ足りないだろう?とからかい口調で訊く。

サンジがひく、と身体を揺らしていた。
ちゅく、と音を立てて甘い蜜を吸い取る。
「ふ、ぅ」
きく、とサンジの身体が小さく跳ねた。
蕩けた肢体。
零れた蜜の跡を辿り、乾き始めていた中心部に辿り着く。
ぺろりと舌で辿り、深く咥え込む。
「ァ、―――っ」

甲高い声が甘い。
するりと脇腹に指を滑らす。
舌足らずなトーンで声が上がり、甘い餓えをまた自覚する。
く、と緊張した身体のライン。
掌で平らな下腹部を辿る。
容を取り戻した中心部を、何度も舌先で辿り、吸い上げ。
甘い蜜をまた零し始めるようになってから、そうっと口を離した。

「っふ、ぅん……、」
ふる、とサンジが震え、ちゅ、と先端に口付けを落とす。
身体を起こし、サンジの両足を手で辿りながら立たせ。
こく、とサンジが喉を動かすのを見詰めながら、両手を差し出す。
「おいで」
くう、と首を傾げていたサンジに、ひら、と両手を動かす。
ゆっくりと差し伸ばされたサンジの細い両腕をそうっと掴み。
ゆっくりと引き上げる。
そのまま片腕に抱き込み、背後に身体を滑り込ませる。

「ぉろ……?」
ヘッドボードに枕を凭せ掛け、それに背中を預けて座り込み。
蕩けた声のサンジをゆっくりと膝の上に引き上げる。
「気持ちよくなろうな」
きゅ、と項を吸い上げてから、腿の裏に手を添える。
ひく、とまたサンジの身体が揺れていた。

「膝、リネンに着いちまえ。その方が多分楽だ」
腰をゆっくりと上げさせながら、囁く。
サンジが少し身体を傾け、リネンに膝を着けていった。
「オーケイ、ゆっくりと腰を下ろしてこい」
振り向こうと身体を捻りかけたサンジの肩に口付ける。
「んっ」
「支えてるから、無理しないようにゆっくりな」
ゆら、とまた身体を揺らした背中、背骨のラインに舌をそうっと這わす。
「ひ、ぁ…っ」
きゅ、と首を竦めていたサンジの肩のラインに唇を滑らせる。
「ほら、来い」

さら、とサンジの髪が流れる。
甘い色に染まった空間の中で、しっとりと湿り明かりを吸い込んで反射する金。
サンジがゆっくりと身体を落としてきた。
場所を調整してやり、トン、と少し当てて場所を知らせる。
「ぁ、―――っぁ」
ゆら、とサンジの背中が揺れていた。
「駄目そうだったら無理はするなよ?」

ふるふる、とサンジが幼い仕種で首を横に振っていた。
「――――ゃ、」
か細い声で言い、けれどそれでもゆっくりと身体を落としてくる。
く、と。
ゆっくりと呑まれていく感覚に一つ息を呑む。

ひく、とサンジの細い肩が目の前で跳ねていた。
そうっと力を加減してやり、腰を落としやすいようにしてやる。
く、く、と。ゆっくりと呑まれていく。
「あァ、ぅ…」
甘い声をサンジが上げていた。
とろ、と内から零れた体液が、中心部を辿り落ちていく感覚に、低く呻く。
サンジがさあ、と。肩から赤く身体を染めていた。

「あ、ぁ。ぞ――――…ろぉ、」
甘い、舌足らずの声が、埋まっていく感覚に、タスケテ、と言っていた。
反った背中、首の付け根を甘く吸い上げながら、ゆっくりと手で支えていた体重を落とさせてやる。
「キツいか?」
「ひ、ぅん…っ」
そろそろ、と。サンジの内に沈められていく感覚に息を呑む。
サンジが必死に首を横に振っていた。

「気持ちがイイよ、サンジ」
かぷ、と首元に軽く歯を立てながら、本音を告げる。
ぐぐ、と最後まで呑まれていった、根元まで。
「あ、ァっ、ぁ」
くう、と背中、サンジのそれが撓んでいた。
きゅ、と内に締め付けられて、呻く。

喉を反らせたサンジの両脚から手を離し。ゆっくりと掌を上げていく。
目の前でサンジの髪がきらきらと煌いていた。
「膝、立てろ」
「っは、ぁ、」
甘い喘ぎ声を零しながら、サンジが息を吸い込んでいた。
「ゆっくり、片足ずつ、な?」
片腕を胸の前に回し、バランスを崩さないように支えてやる。
「―――――っく、ん…、」
サンジが漸くといった風情で、膝を片方ずつ立てていく。

熱い背中を引き寄せてやり。
埋められる角度が変わって短く鳴いたサンジの項をぺろりと舐める。
「甘いな、オマエは」
きゅ、と吸い上げる前に低めた囁きを零す。
「ぁ、――――あ」
掌、ゆっくりと動かし。
片手をピンと立っていた小さな飾りの上に移動させる。
くり、と指の腹で押して、反応を楽しむ。
「ン、あァう……っ」

身体を跳ねさせ、内から震えたサンジの胸の飾りを指先で弄くりながら、もう片方の手は下腹部を滑りおろしていく。
立たせた両足を、緩く立てた膝で更に開かせ。
「ひぁ…っ」
蜜を零しかけていたサンジの中心部にゆっくりと手を伸ばした。
きゅう、と締め付けてくる内の強さに、低く笑う。
ああ、気持ちがイイな。

「ふぅ……ンっ、ア、」
腕に縋りかけてくるサンジの耳に囁きを落とす。
「オマエに喰われてるな、」
と。
さああ、と耳まで赤く染まったサンジの首筋に口付ける。
けれど。内はきゅうと蠢き。
低く笑って立ち上がった飾りを指先で摘む。
「もっと求めてもいいんだぞ?」




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