熱く蕩けたサンジの身体をリネンに下ろし。
ゆっくりと内から埋め込んでいたものを引き抜いた。
瞬間、ひくりと跳ねた背中に、いくつか口付けを落とし。
荒い息をリネンに吸い込ませているサンジの横に寝転がる。

「サンジ、オマエ手、寄越せ」
く、と蕩けた身体の下敷きになった手を引き出させる。
ぼうっとしているサンジの目線が、ゆっくりと見上げてくるのに微笑みかける。
「平気か?」
ふう、と蒼が蕩けていた。
引き上げさせた指先、ひくんと跳ねていた。
とろりとしたものに濡れた指先。

ぺろりと舌を這わせ、舐め取る。
ぴちゃ、と濡れた音が妙に響く。
サンジの手がびく、と揺れ。逃げ出そうとしたソレを押さえ込んで、なおも舐め取る。
「ん、ぅ」
きゅ、と指先を吸い上げ、広げさせた指の間にも舌を這わせ。
甘いくぐもった声を聴く。

きゅう、とサンジの目が細まって、見詰めてきていた。
「美味いな、」
ぺろりとエナメルを舐め上げる。
「ぁ、ん、」
ぶるっと肩から首元まで、サンジが震えていた。
きゅ、と掌を最後に吸い上げてから、リネンに手を下ろす。
自分の手に付いていたサンジの蜜も舐め取る。
は、ぁ、と。サンジが息を取り込んでいた。

潤んだ眼差しが見詰めてくる。
微笑を返す。
乾いた方の手を伸ばし、頬をそうっと撫でる。指先に熱い頬。
そろりと猫の仕種で懐いてきたサンジの髪を目の前から退かし、上体を擡げて額に口付ける。
「サンジ、」
蒼を間近で見詰める。
ふわ、と艶めいた目許のまま、微笑が返される。
どこかまだ浮ついた意識。

「オマエを愛しているよ、」
目許に口付けて囁く。
終りのない想い、込み上げる。
サンジが腕をどうにか、といった具合に持ち上げ。くう、と首に回された。
とろりと蕩けきった甘えた声に。
「牙、ほしいのに……」
そう告げられて、苦笑する。

「Baby, is that what you really want?」
オマエ、本当にソレがほしいのか、と。
間近で覗き込みながら尋ねる。
ゆら、と蒼が揺れた。
「ソレも、おまえの一部、」
愛情に溢れていると解るトーンが告げてくる。

ああ、そうだろうな。けれどそれは愛する者からは隠す物。
本当の牙は、殺すためだけにある。
サンジの手を引き上げ。
目の前で、ゆらりと揺らす。
「"がお"」
ぱく、と指先を口に含む。
軽く歯を立て、それからぺろりと噛み痕を舐める。

サンジが、きゅう、と微笑んでいた。
それから、ふう、と表情が艶めいた。直ぐに。
目を見詰め、笑う。
足りないか?

サンジが、すう、と首筋を晒していた。
「ここ、」
柔らかな囁きが聴こえる。
「Sanji, sweet baby、you really risk yourself」
オマエ、すごい賭けにでるな。

「Please……?」
乞われるままに、く、と頤に指先を掛け。
ぺろりと晒された喉元に舌を這わす。
甘い息が零れるのを聴きながら、口を開き、そうっと牙を埋め込む。
柔らかな肌にそうっと食い込ませ。
快楽にぴくりと震えたサンジに口を付けたまま、がう、と低く唸ってみせる。

押し当てた舌先に感じる頚動脈の鼓動。
くう、とサンジが強く抱きしめてき。
「もっと、」
声が甘く強請る。
もう僅かに犬歯を埋め、けれど肌を切り裂く代わりに強く吸い上げた。
折角ビーチにいても。オマエ、喉元隠さないとな…?
サンジが柔らかく喘いだ。

口を離し、軽く空いた穴を舐め上げ、口付けを落とす。
組み敷いた身体の下で、サンジの熱が再び首を擡げたのを知る。
低く笑う。
上体を起こし見下ろしたならば。艶を帯びた笑みを、サンジが浮かべていた。
「すご…きもち、ぃい」
届けられた言葉に苦笑する。
「Darling, you better hide yourself from the sunshine、」
オマエ、太陽から隠れたほうがいいぞ?
からかい混じりに現状を告げる。
くっきりと喉元に浮いた赤い痕。
滅多に遺さないキスマーク。

ふわ、と。サンジが目許を艶めかせていた。
「うれしい、」
節が蕩けたトーンでサンジが告げてきた。
緩く下肢を合わせる。
脈打つセックスが擦れる。
「Still up to it?」
熱い息を短く零したサンジに、まだいけるか、と訊く。
「Ask me not,」
甘い囁きが、キカナイデ、と告げてくる。
オレの天使は甘くてタフだ。




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