「次はどこを食って欲しい?」
ロゥテーブルに乗ったサンジの、喉の窪みを指でなぞる。
サンジが冷たさにひくんと跳ねていたが、きゅう、と眉を寄せていた。

アンティークガラスの、特大アイスクリームディッシュを一つフロアに置いた。
サンジが指で、抱えたままの方から掬い、肩に落としていった。
鎖骨の窪みに、熱で溶けたクリームが溜まる。
唇を寄せ、ぺろりと舐めとる。

「ああ、オマエも食いたいよな。折角だし」
指先で冷たい塊を崩し、掬い。
息を詰めていたサンジの唇に差し出す。
蕩けたブルゥと視線が合う。
「ドウゾ、」

ぺろりと熱い舌先が、指に乗ったアイスクリームを掬っていった。
「お味の程は?」
かり、と鎖骨を齧りながら訊く。
「―――――――っん、…いし、よ…?」
小さい声が、美味しいよ、と言ってくる。
「もっと食うか?」
笑ってさらに掬い、差し出す。
「オマエは次はどこを食われたい?」

サンジの指先が、手首をやんわり捕まえ。
それを喉元から胸半ばまで滑らせていった。
―――オレが食うほうが先ってか?

「つ、めた…っ」
サンジが思わず零していた。
構わずに、淡いオフホワイトのクリィムの後を舌で追いかける。
ふる、とサンジが震えていた。
また体温が僅かに上がっていくのを感じ取る。
ぺろ、ぺろ、と舌で辿っていき。
わざと濡れた音を立てる。
「っぁ、」

きく、とサンジの膝が揺れていた。
「さあ、次は?」
新しくアイスを掬って、唇にそうっと押し当てる。
緩んだブルゥが揺らめき、やんわりと指先をサンジが食んでいく。
舌がてろりと指の腹を舐め。
指を引き抜き、新しいスクープを取ってから、サンジに口付けるために、頬を寄せる。

濡れて火照った唇をてろりと舌で辿り。
熱い吐息を零した隙間に舌を差し入れる。
くう、と撓り掛けた背中、テーブルから浮いた髪がしゃら、と鳴っていた。
舌を絡められ、吸い上げて。
そのまま、指に乗せていたアイスがサンジの掌に移され。
鳩尾にぽたりと落とされていた。

くく、と笑って、口付けを解き。
きついヴァニラとチョコレートの匂いを吸い込んで、舐めとる。
サンジが蕩けそうな笑顔を浮かべていた。
くちゅ、と吸い上げる。
「あ、」
「すげぇ甘い、」
サンジの指がガラスの上で跳ねていた。

乾いた掌で、するりと足を辿る。
甘えるように甘い短い吐息を耳が捉える。
もうヒト掬い、今度は臍の辺り。
ゆっくりと舐め取って、窪みに垂れた雫を吸い上げる。
「ぁ、ん、」
舌を深く差し込んで、くちゅ、と音を立てさせた。

新しいスクープは。
今度は腰骨の上に落とされた。
てろりと舌で辿ってから、浮いた骨を軽く齧る。
「ァっ」
甘い声に小さく笑う。
下肢が僅かに捩れ、主張するサンジのセックスが揺れていた。
そこは、けど、まだまだ遠いナ?

「溶けるの、早くなったな、」
く、と甘い痕を残しながら、サンジに告げる。
からかい口調。
「ぁ、って―――」
「んー?」
「ぁつ…、」
乾いた掌で脇腹を辿る。
回された両腕で、きつく抱きつかれる。

笑って緩く口付ける。
掌の感触に、サンジが短く鳴いていた。
熱い吐息が背中、シャツ越しに落とされる。
「さあ、次はどこを食っていいんだ?」
笑って先を促す。
盛られたアイスクリームは、室温にも溶けかかり、随分と柔らかくなっている。
サンジがそれに指を差し込んで。
甘いオフホワイトを掬って、左胸の上に落としていた。
心臓の上。

「あげる、」
甘い声が囁いてくる。
蒼は蕩けた目線のまま、ずらされることがない。
「It's my pleasure to eat you alive, baby」
にぃ、と口端を吊り上げて、とろりとしたクリィムを舐め取る。
何度でも生きたオマエを喰うさ。

さら、と髪が鳴り、サンジが首を反らせていた。
「他に食って欲しいところは?」
声を潜めてわざと訊く。
「それともオマエ―――主導権放棄か?」
困惑したブルゥに笑いかける。





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