「おまえ、ほんと―――意地、悪ぃ」
切れ切れにサンジが抗議する声が聴こえ。小さく笑ってするりと下肢の割れ目に指を滑らせた。
「嫌いになるか?」
ひく、とサンジが身体を跳ねさせていた。
それを抑え込んで、代わりにまだ触れていない上半身にも手を当てる。
サンジが息を短く詰めていた。
きめ細かい肌の表面の手触りに、嬉しくなる。

「本気で、思って…る?」
切れ切れに訊いてくるサンジにくすりと笑い、まさか、と応える。
「“愛している”というオマエの言葉を信じているよ、」
ゼリー状の消炎剤を塗布した皮膚を避け、脇腹にそうっと口付けを落とす。
サンジの肩が揺れていた。
軽く食んで、また淡いピンクの痕を残す。
「ぁ、ア、」
くう、とリネンを指で握りこんでいるサンジの肌の表面を、そうっと唇だけで触れる。
「今度日焼けしたいのなら、日焼けローションをつけて再挑戦だな」

ヒップに当てていた手をする、と下肢に回させる。
そのまま、こく、と喉を鳴らしたサンジの身体が揺らがないように支えて、ゆっくりと唇で皮膚を辿り降りる。
ヒップボーンの辺りを軽く唇で食む。
ふる、とサンジが震えたのが伝わってきた。
リネンに吐息が零れ落ちていっているのが聞こえる。
「今夜、仰向けじゃ眠れないぞ、オマエ?」
く、と歯を僅かに潜り込ませてから、ヒップをぺろりと舐め上げる。
「ア…!」
きくん、とサンジが脚を引こうとしていた。
言いたげにしていた言葉が、消えていっていた。
かぷ、と丸みに齧りつく。
上半身には変わらず、手を滑らせておく。

サンジの背中が撓んでいた。
さら、としたローションを肌が受け入れ、しっとりと部屋の明かりの中で光を反射していた。
シルクの光沢のようにも見える。
「ァ、…っあ」
短い声が零れていた、サンジの唇から。
「アロエ、はさすがに不味いよなァ、」
確か解毒作用があるものだしな。直接、は不味いだろ、いくらなんでも。
「―――ふ、ぁ…?」
「けどオマエ、置いていかれるのは嫌だろ?」
息が上がっているサンジのヒップに口付けて、赤い痕を残す。
振り向こうと身体を捻っていたサンジに聴こえるように、ちゅぷ、と音を立ててから唇を離した。

サンジがリネンに置いた手の中に、顔を落としていた。
肩甲骨が綺麗に浮き上がり。そこに歯を立てられないことに溜息を吐きたくなる。
は、と。押し殺したサンジの息が聞こえた。
く、と立ち上がっているサンジの熱いセックスを軽く握りこむ。
胸に回していた手で開かせ。
淡く色づいた場所にぺろりと舌を這わす。
サンジの身体が跳ねていた。
構わずに、ゆっくりと濡れた舌で辿る。

「―――っぁ、ン、」
サンジの脚が白いリネンの上を滑っていた。
崩れ落ちないように、中心部を握ったまま体重を支える。
ゆるり、と襞を舐め上げて、そうっと唾液を運ぶ。
「あ、ゾ…、ぉろ、っ」
「So honored to eat you alive, angel」
泣き声めいたサンジの声に、生きたオマエを食っちまうのはなんて幸せなことなんだろうな、と応える。
サンジの背中が鮮やかに色づいていった。
「嫌じゃないだろ?」
また僅かに指先で開き。そこに舌を這わせる。
開くことを覚えている入口。

「あぁあっ、」
色を含んだサンジの声が返される。
く、と一瞬引き絞られてから緩んだそこへ、舌を潜り込ませた。
ぺちゃ、と濡れた音が空間に響く。
「ひ、ァ、」
「チビがエサ食ってるみたいだな、」
ひくん、と慄く様に閉じる襞から舌を抜いて囁く。
サンジの腰が無意識に逃げようとし、腰に回した手でゆっくりと引き戻す。

「ざりざりじゃなくてよかったなあ?」
くくっと笑って告げれば。
サンジがどこか必死に首を横に振っていた。
「ん?」
「ゃ、なこと―――」
言わないで、と。揺れる声が返される。
ヘッドボードに蹲っていたエリィが、するりとマットレスに降り立ってサンジの腕をぺろりと舐めていた。
「ンっぁ、」
ざりざり、と音がこちらにまで聴こえてきそうだ。
きくん、とサンジが身体を強張らせていた。
「Elei, wanna join?(オマエも混じるのか、エリィ?)」
「だ、め、降り…、」
言うが早いか、切れ切れにサンジがチビに告げ。
みぁ、と不満そうにエリィは鳴いてから、ティビーを持ってマットレスを降りた。

「残念だったな、チビ」
背中に声をかければ、ゆら、と尻尾が揺れていた。
意識をサンジに戻し、く、と緩んでいた入口にまた舌先を差し込む。
「あっ」
サンジの肩がまた崩れてリネンに着きそうになっていた。構わず下肢を引き上げさせ、蜜を零している中心部を緩く扱く。
「あ、ぁ、っや、」
その熱さに低く笑ってから、ぬくぬくと尖らせた舌で奥まで侵入させる。
火照った背中が更に赤く染め上がっており。
それは酷く扇情的な絵に仕上がっていた。




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