柔らかく唇が押し当てられる感触に自然と口端が引きあがる。
ほっこりと温かくなった体ごと押し当てられて、心臓が少し早くなっているみたいだった。
ふン?
さらさら、と水気を含んだままの髪を撫でる。
「So, you wanna play?」
遊びたいのか、コネコチャン?
「Yeah? But prefer to be spoiled」
肩口に顔を押し当ててきたコネコチャンが言う、"うん?でも構ってもらう方がいい、"。
「You say not enough?」
足りないってか?
する、と耳に唇を触れさせる。
「Wanted to kiss you a whole long day」
一日中、キスしたかったもん。
小さな声が囁くように告げてくる。
「So why then, are you looking down, baby?」
じゃあなんでオマエ、下向いてンだよ?
笑って頬をするりと撫でる。
「だって、」
「"だって"?」
温かい掌が頬を包むように触れてくる。
潤んだヘヴンリィ・ブルゥを覗き込む。
「What?」
なンだよ?と先を促す。
「With your kiss, I look through a thousand light(アナタからのキスで光が溢れるけど、)」
じいっと見詰めてくる瞳から目をそらさずに、指先で耳朶をなぞる。
「Kisses not enough(キスだけじゃ足りないもん、)」
言って、ふんわりと照れていた。
くす、と笑みを零す。
「So what do you wish to do, darling?」
"何をしたいんだ?"―――答えはわかるけどな。
はたん、と音が聴こえそうに思えるくらいにゆっくりとサンジが一度目を瞬いていた。
「One thing,」
ヒトツだけ、そうゆっくりと言葉を音にしていた。
するりと項を撫でて、けれど言葉は挟まないでおく。
「Wanna make love to you、」
柔らかな発音で齎された。
"愛し合いたいだけ。"
「One thing, baby」
ヒトツだけ。
とん、と鼻先を合わせながらブルゥと視線を絡ませる。
す、とサンジが首を傾けていた。
に、と口端を引き上げる。
「We'll leave in the morning, no matter、alright?」
なに?と訊いてきた目線に、何があろうと朝には出発するぞ、と告げる。
ふわん、とサンジが酷く幸せそうな笑みを浮かべていた。
目元がほんのりと染まっている。
…またパーキングでこんな面をしたベイビィをオレはサーヴィスしなきゃいけないのかね?
What God has arranged for me―――なんて試練だろうな。
項でもって引き寄せて、唇を啄ばむ。
ゾロ?と蕩けた声が言ってきたのに、軽く浮かせて"なンだよ"と訊きかえす。
「ふわふわする、さっきより」
ふにゃりと蕩けた笑顔が間近で浮かんでいた。
「まだイッちまうには早いぜ?」
ぺろりと火照った唇を舐める。
きゅう、と目が細くなっていた。
「自信ないかも、」
ヴァニラアイスのショコラソース掛けより甘い声が言っていた。
「We'll see」
どうかな、と答えて唇を軽く食んだ。
ほら、キスしたかったんだろ?遠慮すンな。
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