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 朝、っていう言葉は。
 音への乗せられ方次第で、何通りもあるんだな、と。耳元で聞えた声に思った。嬉しくなる。
 どうにか地上に繋ぎとめたはずの身体が、またふわりと形をそれだけで無くしかけて。
 飾る言葉をなくして、気持ちのままに伝えたときよりも何だか照れる。
 
 どうかな、と。どこかからかうように囁かれたとき、首に腕を回してゆっくりと身体をもっと添わせて唇に触れた。
 触れ合わせて、ジブンの体温の上がっていることがなんだかよくわかった。
 微かに残るコーヒーの香りごと、舌先でぺろりと辿って。
 また少し啄ばみなおして、深く重ねた。
 
 鼓動がまた少し走り出す、きっとそれもゾロには伝わってる。
 緩く合わせていただけのローブ、それが解かれていった。くん、と鼓動が早くなる、また。
 閉じた瞼を透かせて、明かりが差していたけど。
 指先をゾロの髪に滑り込ませた、さらりと指の間を抜けていく。
 く、と差し入れられた舌先に身体が少し震えた。とろりと絡ませられて、吐息で強請って。もっと、と受け入れ。
 指先、ピアスの冷たさに触れた。
 
 上げていた腕、肩の辺りに前を開かれたローブがあたって、口付けたまま、するりと腕を生地が滑ってった。
 肌に、柔らかなリネンが触れて小さく息を零した。
 肩に掌で触れる。さらりと、指の間に生地が滑っていった。
 「―――ん、」
 ゆっくりと、背中。ゾロの大きな掌に直に撫でられて、あまえるみたいな声が零れていった。
 
 溢れかけて、嚥下して。意識が一瞬くらりとする。
 露になった背や、腕を掌で辿るようにされて。触れられた先から柔らかく溶け始める幻想。まだ、少し残ってるアルコォルで
 覚束ない感覚が高まって。
 くう、と強く。絡めるように辿っていた舌先ごと吸い上げられて息が喉奥で詰まって。指先で肩口に縋った。
 「っ、ン」
 く、と軽く歯を立てられて背骨の奥、捻れそうになった。指に力を込めようとしてもリネンに滑って。
 「っぁ、」
 身体、軽く足で押し上げられて。バランスを崩しかけて浮かせた唇、声が洩れて。
 「びっく、りし―――」
 グリーンを見詰めようとしたなら、また口付けられて。ほわり、と身体の内側から温かくなる。
 腕をそのまま首に回して預けて。唇の間に舌先を潜り込ませた。また、身体が抱き上げられる感覚に口付けたまま薄く笑う。
 明かりが付きっぱなしのリヴィングじゃなくて、向こう、連れてってくれるんだ…?
 
 
 
 
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