キラキラと。薄いレースのカーテンの向こうで、光が煌いていた。
仄かに明るい空間で、自分を組み敷くオトコを見遣る。
キレイに焼けた肌が砂色の髪にマッチして、より精悍さを増しているのに。
とろり、と甘い眼差しは、甘えたハウンドみたいだ。

「マジで、かぁるく、な?」
「ウソ言ったこと、ある?」
足の間から見上げてくる顔に、そうっと指先で触れる。
「ナイね、そういえば」
目元が甘く蕩けてて、あーあ、イトオシイっての。

す、と臍の横辺りを、唇でそっと食まれた。
さらさら、と短めの髪を梳く。
「――――あ、前髪落ちた」
笑ってるコーザに、笑いかける。
ぜったい、あーあ、蕩けまくりだオレ。

「なぁ、コーザ、」
吐息混じりの甘い声だぞ、オレ。
「ん?」
腿に口付けられながら、応えが返された。
「オマエのこと、どんどん深く愛してるんだけど、」
掌が膝辺りに落ちてくる感触に笑った。
あーあ。どこまでオマエに恋をするんだろうな、オレは?
無制限、フリーフォール。まいったねえ。

「うれしいよ」
甘い声がやっぱり返ってきて、ますます笑みが勝手に深まる。
腿の内側、膝の横まで肌を啄む唇が降りていく。
ンん、オマエにされるのは気持ちがイイぞ、コーザ。
吐息がとろ、と甘く掠れた。
膝の丸い骨を齧られて、足が僅かに跳ねた。
「長い、キレイ、美味い、敏感、」
くす、と笑うと、熱い舌が脹脛のところまで辿り落ちていった。
「…感想、か?」
くすくすと笑う。
「見たまんまと、思ったまんま、かな」

「は、」
きゅ、とアキレス腱を食まれ、笑いが嬌声に転化した。
ゆっくりと寝起きの身体に熱が充ちていく、穏やかに。
かり、と踵も唇で擽るみたいに齧られた。
「は、ン、」
笑い声に混ぜて、喘ぐ。
さぁ、と体温が上がって、肌が泡立った気がした。

つる、と土踏まずまで唇が滑り。
く、と軽く歯が穿ってから、ぺろり、とカーヴに添って舐められた。
「く、すぐって…ぇよ、」
ひく、と足が揺れる。
コーザがふ、と吐息で笑い。それにも濡れた肌が反応して、また足が揺れた。
「擽ってるンだよ?」
「ま、ちが、ってけ、ったら…キ…ケン、だろ…?」
オトコの左手、さら、と反対側の足の付け根を押し撫でてくる。
立ち上がりかけた熱には触れない、微妙な位置。

コーザがすい、と半身を起こし。腕の下に足を押さえ、抱え込んだ。
「これで蹴れないね」
に、と笑ったオトコに、にやり、とし返す。
「ゆ、だんす…なよ?」
ダンサーの足は強力なんだぞ、と内心で笑う。
「まさか!」
笑うようにそう言ったコーザが、熱を僅かに持ったような奥に、不意に指の腹で触れてきた。
「ん、あっ、」
唐突の感触に、びくり、と腰が揺れる。
くう、と僅かに潜りこんで来て、リネンを握り締めた。

「コ、ォ、ザ、」
足の親指、ちゅる、と舌先で包まれて、びくっと足がまた跳ねた。
「っ、」
息が跳ねて、堪らずに目を閉じた。
くう、と舌を絡まされて、ひくり、と熱が首を擡げたのを感じる。
「ん…ぅ、」
ああ、ヨクジョウしてるね、オレ。
僅かに気恥ずかしさを感じる。

ふわ、と熱だけを伝えさせる距離で、受け入れることを学んだ場所に触れられた。
舌は濡れた音を立てて、つま先を濡らしていく。
「あ、…っ」
ひく、と襞が収縮する。
浅ましく蠢く生物みたいに、呑み込もうとしているみたいだ。
くっと指の間を、コーザが吸い上げていく。
そんなことをされるのは初めてなだけに、足が勝手に逃げ出そうと蠢く。
「あー…、」
ソンナトコ、感じる場所だったんだねえ、ハジメテ知ったよ。
あがるばかりの熱とはウラハラに、のどかな感想。

きゅう、と舌先を指の間に押し当てられたまま、抱えた足のままにオトコが身体を倒してくる。
空いてる手、肩口までするりと滑って上がっていく。
すい、と唇に、オトコの指の感触。
目を開け、ぼう、としたままの眼差しでキャッツアイを見上げると。
すい、と人差し指が撫でていった。
「…ン、」
唇を開き、舌を閃かせて誘う。
「濡らして?」
やさしい声が落ちてきて、笑った。
ゆっくりと、濡れた内側の粘膜を味わうように、指が差し込まれた。
渇いてざらざらとした指先を、舌先でぺろ、と舐めた。

かじ、っと膝に緩く歯を立てられて、思わず喘いだ。
目は合わせたまま、欲情していく様を、互いに見せ付けているみたいだ。
やんわりと舌を撫でてくる指先を、ちゅ、と音を立てて吸い上げてみた。
「……ふ、ハハッ」
歯で軽く挟んで、とろ、と舌を滑らせる。
ン?嬉しそうだね、オマエ。
擽ったそうに笑ったコーザに、指先を含んだまま笑いかける。

あむ、と腿の奥、噛まれて。脚が思わず跳ねた。
きらきらと光を弾く目に浮かぶ感情を読み取る。
緩く含んでいた指先を、舌で巻き取ってさらに深く含んだ。
く、と膝裏を押し上げるようにされて、腿の後ろにもキツク吸われて痕を残された。
「んぅ、」
一瞬の痛みに、眉根を寄せる。
じわ、と痛みが熱になって拡散していく。
く、く、と口内で蠢く指に舌を絡めて吸い上げる。
痕が残った場所を、宥めるようにやさしく唇で触れられて、また肌が粟立った。

「セト、」
「んぅふ、」
吐息のような音で応える。
潤んだ視界はさらに光を弾き、キラキラという光で充ちている。
つる、と唇から指が引き抜かれていった。
「ふ、ぁ、」
不意に口寂しくなって、文句を音にした。
抱え上げられた脚の膝裏を吸い上げられ。くう、と渇いたままの襞をなぞられた。
濡れた感触に、腰が跳ねる。

「ん、ぅ、」
腕で抑えられて、濡れた感触が広がる。
目を閉じた。
「あ、ぁ、」
つう、と触れられて、思わず喘いだ。
ふる、とまた勝手に腰が震える。
ひく、っと勝手に襞が収縮して…ああ、まるで誘っているみたい、だ。
周りを押し撫でられて、息を呑んだ。
窄まりに僅かに触れられて、ひくん、と腰が揺れる。
「ん、」

「セート、」
甘い声だ、酷く。
「…んぅ、」
ゆっくりと目を開いた。
ほんの僅かに濡れた窄まりに触れられて。
とろ、とまた視線が揺れた。
ひくひく、と物欲しげに襞が勝手にひくつく。
「目、すげえ、キレイだ」
甘い声に、溜め息に似た吐息を零した。
「こーざ、」
あーあ、どうしよう、オマエにされてるってだけで、なにもかも赦せちまいそうだよ。

オトコが少し目元で笑って。く、と襞を宥めるように辿ってから、つぷ、と先端をもぐりこませてきた。
「なん?」
優しい声が言葉を形作り、内側から粘膜をそうっと撫でる感触に、身体が震えた。
体温が上がる。
「………感じる、」
すい、と身体が少し体重をかけてきて。胸の尖った場所を舌先で舐めていった。
く、と指が深まって、ぎゅう、と締め付けた。
「は…ぁ、」

ゆっくりと身体が蕩ける。
入り込んできた指の違和感は、既に馴染みのものとなっている。
甘い疼痛、じわじわと熱を上げさせる。
ぐ、とまた深く差し込まれて、唸った。
くら、と眩暈が、また襲ってきた。




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