イッパイイッパイだ。
埋められた熱と質量で。
けれど、泣きそうな声が落ちてきて。
根性入れて、頭を抱き寄せた。
頬に口付けて。
「…あぃ、してるよ、」
掠れた声で応える。

ぎゅう、と抱きしめられて、嬉しくなって笑った。
くぅ、って仔犬が甘えるみたいな声にしかなんなかったけどな?
重要なのは、アイジョウを示す事。
ムリだろうがなんだろうが、できることはやってやるぜ?
すりすり、と頬を摺り寄せた。
なんだってこんなにオマエが愛おしいのだかわからないケド。
あるだけのアイジョウを差し出すのに、戸惑いはないから。

ぐ、と奥まで入り込んできたものを。
懸命に身体が呑み込もうと、筋肉が収縮していく。
「ちょっとは、ラク?」
耳に声が落としこまれて頷いた。
「すげ、ラク」
さっきはマジで引き攣れて引き裂かれて死ぬかと思ったし。

「実は、」
「な、に?」
きゅ、きゅ、とリズミカルに筋肉が動く。
じわじわとそこから甘い疼痛が沸き起こる。
鋭利な痛覚は、ゆっくりと快楽に呑まれて行き。
「なんとか、っていうエッセンシャルオイルが入ってる、」
はぁ、と息を吐いて、快楽だけに集中する。
「…んで?」

エッセンシャルオイル?美容にもいいのか?なんてな。
切羽詰った脳が、勝手に何かを考えていく。
けれど、ゆっくりと僅かに中で動かれて、くう、と中を締め上げた。
自分の意志に反して、引き出されていくモノに疼く排泄感。
押し込まれる、という有り得ない方向に戻されて揺らめくのは灼熱感。

「効能は。痛みの鈍化と、精神の高揚が若干」
「へ、え…?」
……うん?
「……どこで、手に、入れた?」
「―――な、いしょ」
「な、んで?」
くう、と奥を弾くように穿たれて、思わず息を呑んだ。
「あ、んぅっ、」
けれど、まあ。勝手に零れ出たのは、切羽詰ってても甘ったるい嬌声以外の何ものでもなくて。

ぐ、と奥深くまで入ってくるモノの大きさに、深い息を吐く。
「し、はんひ、ん…ッ?」
「さあ?」
ぐう、と両足をオトコの肩にかけさせられた。
「あ、んう、こ、…ざ、」
ぐ、とその拍子に奥を抉られて。勝手に甘い声が震える。
腰が浮き上がり、息苦しい体勢に目を見開くと。
舌なめずりする狩猟犬……もとい、大好きなオレのオトコ。

「あンたに、いまだけ狂おうかな?セト」
甘い声が落ちてくる。熱い吐息と一緒に。
「あンたは?」
そんなコト言われちまったら。他にどう返せると思ってるんだ?
「…狂え、コォ、ザ。オレも、狂う、」 
にぃ、と口端を吊り上げる。
だから愛してるんだって言ってるだろうが。

予定していたプラン、大幅縮小。けど、どんなに疲れてても、自主トレすっけどな。
けどまあ。マジで、ギリギリまで。オマエに赦すから。
オマエに溺れて、鳴いてキモチヨクなるからさ?
「That's my Prince,」
色っぽく掠れた声が落ちてきた。
そうこなくっちゃな、おれのおーじさま、ってか。

余裕なく笑って、首を引き寄せた。
ムリな体勢でも、音を立てて口付ける。
浮いていた笑顔が、すう、と餓えたオトコの顔になった。
オスの顔、だな、コレは。
ああ、そんな顔も好きだぞ、オレのガーディ。

首をまたマットレスに預けた。
ぐ、と腰を掴まれて、浮いた腰のままリズムを刻まれ始める。
「こ、ぉ、」
掠れた甘い声で呼ぶ。
アイシテル、ってオマエの名前で言えちまうんだなぁ。

ゆるく、きつく、快楽を押し上げ、塗りこめようとするかのように埋められる。
けれど、とてもやさしく、心臓の上、唇で一瞬触れられた。
ん、オレは、オマエにとって大事なモノなんだよな。
ふわ、と心が温かくなる。

喘ぎ声を上げながら、それでも堪え切れずに笑いが零れる。
過去、一瞬飛来した思い。
何人がオレのように愛されたんだろう、という素朴な疑問。
けれどそれは、すぐに打ち消される。
知ってる、重要なのは、いま、で。これから、で。
驕りじゃなく、愛されてるって解る。
飾る事のない素直さで。

突き上げられるリズムに翻弄されながら、見詰める。
快楽に潤んだままの瞳で、愛情に溺れそうに欲情したキャッツアイを。
「あ、ア、あンッ、んあぅ、」
喘ぎ声、全部、込み上げるままに音にする。
キモチイイんだから、隠すこと無ェしな。
「コ、ォザ、」
アイシテルヨ、すげぇキモチイイよ。
きゅう、と目が細まったのを見て、身体が震えた。
「は、あ、」
体温が上がって、快楽が身体中を走り回る。

「セト…、」
ぽたり、とヨクジョウのバロメータから雫が落ちるのが見えた。
ああ、も、ダメかな?
きゅう、と握られていくつもの閃光が脳裏に走った。
「コ、ォ、イィよ、ぉ」
ポイントに何度も押し入れられて、射精感が増す。
震える。

濡れた音が頭上から響いてきて、目を瞑った。
リネンに爪を立てる。
足、爪先がカールする。
「コ、ォ、」
じわ、と涙が零れる、勝手に。
昂ぶって濡れた熱に、薄く爪を立てられて、身体が跳ねた。
「あっ、あっ、ア、はッ、」

切羽詰った声、あ、ダメ、も、いきそー。
「ん、あ、コ、ォ、こ、ォッ、」
きゅう、と身体が勝手に引き絞られて。
一箇所から熱が放出される感覚。
「あぁッ、」
イく、その瞬間に。ぐり、とエンリョのない強さで引き出されて、思わず仰け反った。
排泄感が倍になって襲ってきて、手で搾り出されるように促されなくても、酷い勢いで熱を放出した。
それと同時に、降ってくる熱い蜜。
腹から胸、頬にかけて、線を描くようにかけられたモノ。
「あンっ、」

ぐい、と頬を拭われて、それがなんだか知った。
「あ、ア、アッ、」
喘いだまま、目を見開いた。
ぐ、ともっと腰を上げさせられて、息が苦しい。
「コォッ、」

閉じきらない場所に熱い粘膜。
濡れた音、たまんない、悪寒と熱が同時にやってきたような感覚に、また腰が揺れる。
とろ、と零れ落ちる自分のだかコーザのだかの蜜。
それに震えた。
押し開かれたままのその場所に、ぬくぬくと蠢く舌。

「あんっ、コォっ、あ、っア、」
びくびく、と何度も足が痙攣する。
腰を強く掴まれ、逃げることができない。
開きっぱなしの中を、唾液が遡っていく感触に悲鳴じみた嬌声を上げる。
「コォッ、あっ、ああっ、や、ぁ、」
苦しいとキモチイイ、いまはそれだけしか考えられない。
くう、と吸い上げられて、泣き出した子供のような声を上げてウメイタ。
「ああああっ、」

熱、イッパイでどうにもならない。
放出してから、また高まり始めていたモノを、空いている手で扱かれ始めた。
「う、あン、あっ、」
目が回る、快楽に。
翻弄される、気が狂うみたいに。
「イ、あ、ああっ、」
くう、と舌が出て行き。襞を舌先で擽られて、足が跳ねる。
ピークはさっきより早くやってきそうだ。

「コォッ、イ、ああッ」
びくびく、と何度も跳ねる。
ぐう、と背中が勝手にアーチを描いて。
指が、濡れた奥を押し開き、中を強く抉った。
「い、あ、アっ、」
ぎゅう、と締め付けて、鳴く、フルヴォリュームで。

ちゅる、と零れ出るままになっていた蜜を吸い上げられて、身震いした。
快楽は、すぐにやってくる、限界が。
「コォザっ、いくっ、イっちゃうッ、」
「セト、」
「は、あッ、」
「寄越せ、」
「んぅ―――――――ッ」

掠れている声に促され、ポン、と高みから跳んだ。
身体を反らせ、何度かに分けて吐き出す熱の蜜。
温かい粘膜の中に、全部、注ぎ込んで。
こく、と喉が鳴る音が聴こえた。けれど、それは相変わらず、オトコの口の中に留められたままで。

「も、や…ぁ、」
舌が口の中で、まだ膨れていたのもを押し上げてくる。
キラキラとヨクジョウした目が、見下ろしてくる。
「コ、ォ、はな、せ、」
懇願する声は、掠れていて酷く小さい。
浅く含まれていたのが、奥まで咥えられて震えた。
「コォ、っ、ぉねがいっ、」

手を伸ばして、腰を抑えていたオトコの腕に爪を立てた。
咥えたままで首を横に振ったオトコの肩に足を起き、僅かに力を入れる。
「コォザ、もぉヤダ、」
強すぎる快楽に、勝手に涙が落ちた。
「こぉ、ダ、メ」

唇で柔らかく刺激し始められて、芯から身体が震え始めた。
びく、と何度も腰が揺れて。
ゆっくりと、熱は高まっていくけれど。
「あ、ア、」
片手で目を覆った。
なぜか掌が濡れていった。
腕、そうっと撫でられて、浅い息を繰り返す。
「ふ、くぅっ、」

熱だけが、篭っていく。
「コォ…ッ、」
高まり、熱、腰を重くさせていく。
ゆっくりと唇が浮いた感覚に、漸く一つ息を吐いた。
「コ、ォ、…っ、」
「泣くなよ、」
甘い低い声に、ひくっと喉が鳴った。
根元まで舐められる感覚に、びくびく、と腰が揺れる。
「あ、あぁっ、」
泣き濡れた声、コドモじみた。
するする、と熱い塊を柔らかい唇が愛撫していく。
「〜〜〜っ、」

溢れていく感覚に、目をぎゅう、と閉じた。
先端を何度となく舐められ、零れた蜜を舌に掬い取られていく。
「こ、ォ、ザ、」
「おれに、狂ってよ…?」
「ふ、くっ、」
「セト…?」
低い声に、掌をどかして視線を上げた。

「……コー、ザ、」
声が喉で潰れていく。
「オレ、だけ、は、ヤ、ダ」
両腕を伸ばす。
「おれ?―――とっくに、イカレテルよ」
「ナカ、キテ、ほ、しぃ、」
ひくっと喉を鳴らした。
熱い身体に包まれたかった。
「コォ、」

すう、と笑ったオトコに引き起こされた。
「コーォ、ザ、」
「クル?」
「ん、」
頷く。
すい、と膝を跨がされるように腰を落とさせられて。
オトコの首に両腕を回して、膝を落とした。
「ふ、っ、」

ゆっくりとオトコのモノの上に腰を落として。
「ん、く、」
少しずつ含んでいく。
く、と少しだけ下から押し上げられて、うめいた。
「あっ、」
ぎゅう、としがみ付きながら、痛みを伴う強さで腰を落とす。

開かれた薄い膜を指で触れられて、喘いだ。
体重をかけて、オトコを呑み込んで、オトコの肩口に歯を立てた。
ぬるり、とした感触に、喉の奥で嬌声を上げた。
「コォ、…ザ、」
繋がった部分に塗り込められて、何度も震えた。
「あー…、」
低い、掠れた声で吐息を吐く。

「何度でも、抱きたいからね、」
低い声に目を閉じた。
狂ってる?狂ってるよ。
自分より、オマエがいい方がイイと思えるくらいに。
オレを満たすオマエに、狂ってるよ。
痛みですら、快楽に摩り替えられる。

何度でもイイ、もっとオレを満たして。
オマエが…満たされるまで。




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