つ。



クッションの山に押し倒したノーマンの背中を掌で辿り、ケットの中で浮き上がった肩に口付けました。
甘い吐息を零したノーマンの肌が、すっと熱を帯びたのがわかります。
「ノーマンは、齧って美味しかった…?」
かり、とノーマンの肩を歯で掠めながらショーンが訊きました。
こくりと頷いたノーマンが、しぉ、と甘い声で呟きます。
「オレもノーマンを齧るのは好きだけどね…」
くすくすと笑いながら、甘ったるい刺激が走ったことを思い出します。
「齧られるのは中々ないからなァ」
とろとろと熱く甘いノーマンの濡れた舌が傷の上を走るのは、なかなかくすぐったいものです。
ショーンがかけた魔法でノーマンの唾液に傷を治す薬を生成するようにさせておいたので、傷が治る箇所が僅かにぴりりと熱くなり、疼きました。
その熱がじわじわと体中を巡って、最終的に齧られた瞬間、快楽として認知されたのです。
ぱくっとされれば一瞬の熱さは遠のきますが、快楽がぐらぐらと源で煮えたぎるように煮詰まっています。
くすくすと笑ってノーマンの濡れた下肢まで掌を滑らせます。
「少し頑張って目を開いていてごらん」
とろりと臀部から脚の間まで指先を滑らせ、濡れた感触を塗り広げます。
ノーマンがつま先をぴくりとさせ、目をゆっくりと開きました。
「ほら、お裾分け」
ぱちん、と指を鳴らせば、ノーマンの濡れた箇所の周りをちらちらと光を弾いています。
「先に少しだけ、綺麗にしておこうね」
妖精たちが変わる変わるノーマンの周りの零れた体液を吸い取り、ちかんちかんと光を放っていきます。
「ほら、これも綺麗でしょう?」
ひゃ、と声を跳ね上げさせたノーマンがぶるりと震え、逃げ出したそうに脚をむずっと動かしました。
「くすぐったい?」
くすくすとショーンが笑って、はぐ、と脇腹を咬みました。更にノーマンが小さく跳ね上がります。

「ひゃ、ッぁ!」
甘い声を上げたノーマンの尻を掌で撫で、ショーンが零した蜜をとろとろと垂れこぼしている入り口に触れます。そうすると、精霊たちがそこに口付けていき、ぴかんぴかんと光を弾きます。
「ぁ、ァんン…っ」
身体を震わせ、きゅ、と入り口を引き締めた瞬間、またじわりと蜜が溢れ出ます。そのことに、ノーマンが身体を震わせて頬を真っ赤に染めていきます。
精霊たちが喜んで零れ出た蜜を啄みに行き、ショーンが笑いながらノーマンの入り口を指先でなぞりました。
は、は、とノーマンの息が上がって行きます。
「気持ちがいい?」
ショーンがノーマンに訪ねます。
「わか、な…です、」
息を短いブレスで吐きながら、ノーマンが顔を真赤にしています。きつくクッションを握り締める指が、白くなっている程です。
「ふぅん」
くすくすと笑ってショーンがなぞっていた入り口の縁をくうっと押しました。反対側の手を伸ばして、ぴん、と張っている屹立も指先で弾きます。
「ァ、っあ…ッ」
とろ、と溢れた先端の蜜を目掛けて、精霊たちが集まります。そして垂れ溢れる雫を競って吸い上げていきます。
つぷりと指先を挿し込み、ぬく、ぬく、と抜き差しを始めます。内に注いだ蜜がノーマンが締め付ける度にじわりと溢れ。それにも妖精が集って蜜を吸い取っていきます。
「んぁ、ぅ」
腰を揺らし、奥へ奥へと指を誘いこみながら、ノーマンが甘く呻きます。

「これは気持ちがいい、ノーマン?」
ぴかん、ぴかんと光を弾いて精霊が吸い取った蜜をエネルギーに変えていきます。そしてどんどんと入れ替わりながら溢れ続ける蜜を吸い取っていきます。
ノーマンが腰を揺らし、戸惑った風に更に強くクッションを握りしめました。
「しぉお、」
「きれいだよ、とても?」
ぬくん、と奥を強く擦り上げ、それから指を増やしてまた内に沈めていきます。
「ぁ、っあ―――――っ」
びくん、とノーマンの腰が跳ね上がり、屹立が刺激に跳ね上がります。その周りを、光りながら妖精が雫を吸い上げていきます。
「あとでノーマンもよく見えるようにしてあげるよ」
折角だものね、と笑うようにショーンが告げます。
「さすがに中に入るのはオレだけだけどね」
体躯を震わせ、ノーマンが荒い息を繰り返すのを見下ろしながら、ぬくりと奥を遠慮無く穿ち、精霊がまとわりつく屹立を掌で絞ります。
「っは、ァ」
息を弾ませ、掠れた声でノーマンが呼びます。
「しぉ、…っ」
「うん」
応えて、ノーマンの背中に口付けを落とします。尾てい骨を舌で辿り、皮膚に軽く歯を立てながら熱く濡れた内を指で穿ちます。
「しぉ、しぉおん、っ」
切羽詰まった声でノーマンが訴えます。
「しぉがいいですようぅ、」
「オレじゃないと足りない?」
ショーンが笑うように訪ねます。中は一番感じる箇所を何度も繰り返し指先で擦り上げていきます。
「しぉお…んー」
ぽろぽろと涙を零してノーマンが身を捩ります。
「でもまだオレも足りない」
そうショーンが告げて、かじ、とノーマンのヒップに歯を立てます。
ぬくりと指を浅くまで引出し、内から押し出されてくる蜜を外へと拭っていくようにします。
「んぁ、っ」
ぶるりとノーマンの体躯が震え、熱い息を吐き出します。

「さっきノーマンが直してくれたところはどこかな」
膝で体躯を乗り出し、思い出しながらノーマンが舌で辿った箇所を下から遡っていくと、組み敷いた体にぐう、と力が入り、ノーマンの背中が弛みます。
かじ、と肩甲骨の浮き上がった箇所に歯を立て、それから肩の方へと唇で啄みながら上がっていきます。
「残したところある?」
ショーンが甘い声で聞きながら、ぬくぬくと指をノーマンの内で蠢かします。
「し、ぉお、」
涙声でノーマンがきつくクッションを握りしめます。
「ン?」
れろりと項まで舐め上げつつ、ショーンが内を突き上げるスピードを上げていきます。
ふるふるとノーマンが首を横に振りました。
「しぉ、」
ひくう、と喉を鳴らしてノーマンが体躯を震わせます。
「しろ、っぷ、がまんでき…っぁいよぅ」
ひくんひくんと入り口をひくつかせ、ノーマンが体躯を震わせます。
「ん。オレもかも」
ふふ、と笑ってショーンがノーマンの屹立をきつく絞りながら、がぶりと項に歯を立てました。
「ァッ、あアっ…」
ぶるぶると体躯を震わせ、ノーマンが快楽の頂上に到達しました。ぐう、と背中を撓ませ、喉も震わせ、涙をこぼします。
くぷん、と手の中で音がし、一気に濡れる感触が広がります。それを吸い上げていく精霊たちの纏わり付く感覚がくすぐったくて、ショーンが低く笑いました。
まだ震えて身動きができないノーマンの体躯を辿り降り、柔らかな尻肉にぐっと歯を立てました。
直ぐにぎゅっと指が締め付けられ、甲高い声を上げてノーマンが体躯を固くしました。
「ッア!」
濡れた掌でノーマンの屹立から双珠、腹から胸にかけて撫でていきます。直ぐにちかんちかんと光りながら精霊が吸い上げにかかり、悲鳴めいた声でノーマンが声を漏らします。
「ゃ、ぁ、しぉ、んんー…、ぁ」
擽ったさに身悶え、体躯をくねらせるノーマンの奥から指を引き抜き。そこにも精霊がまとわりついて来るのに笑いながら、硬くなった自分の屹立を開かせた奥に宛てがいます。
「ん」
ぐう、と一気に屹立を押入れ、そのまま止まることなく早いスピードで内を擦ります。
「ぁ、あつっ、よぉ」
高い甘い声で訴えながら、ノーマンが涙をこぼします。
「そうだね、すごく熱い。中も外も」
ノーマンの腕がクッションの山を崩し。そこをショーンがすかさず腕で引き上げ、起こしきります。
ずる、と最奥まで屹立が潜り込み、ノーマンが声もなく体躯を震わせました。

ショーンがノーマンの体躯を引き上げたまま、正座をします。そして、ノーマンの両足に自分の足を跨がせ、腰で体重を支えます。
あっという間にぴかんぴかんと点滅する光がノーマンの体に集り、ショーンが腰を動かすのをゆっくりと止めていきます。
「ほら、ノーマン」
ゆっくりとゆっくりと内で屹立を揺らしながらショーンがノーマンの顔を覗き込みます。
ぶる、と体躯を震わせたノーマンが、ゆっくりと涙に泣き濡れたブルゥアイズでショーンを見上げました。
「見てごらん、精霊だよ」
ハ、ハ、と喘ぐノーマンの手がショーンの腕を捕まえました。ぎゅう、ときつく手指が縋ります。
ん、とショーンが笑って一度ノーマンのヒップを膝に落とすようにし。両腕でノーマンの両足を抱えあげるようにします。
ぶる、とノーマンの体躯が震えました。
「――――――ァ、ンンっ」
真っ白いソックスが、精霊が放つ光を反射して虹色に染まります。
「ほら、ノーマンにいっぱい精霊が集っているよ」
きゅ、と耳朶を唇で吸い上げ、ゆるゆると腰を揺らします。揺れる屹立に合わせて光もぴかぴかと移ろい、こんな時ですがいっそ幻想的な風景です。
「―――しぉ、っ」
きゅう、と更に強く腕に縋るノーマンの耳朶を吸い上げながら、勢い良く腰を動かして内をえぐります。
蜜が盛り上がり、精霊たちが直ぐに吸い上げに集り、その感覚にノーマンが甘く震えてみ悶えます。
「ぁああん、」
きゅう、と絞めつけられて、ショーンが更にきつく腰を動かします。
ヒップを音を立てて打ち合わせるようにし、ぴたんぴたんとノーマンの屹立が跳ね上がるように腰を動かします。
「今日は目を開けたままでいてね、ノーマン」
熱い吐息をノーマンの耳朶に零し入れるように囁き、ラストスパートにかかります。
ちかんちかんと光る精霊たちもリズムに合わせて羽を震わせ、一層ノーマンの周りに光が集まります。
汗の味も好ましいのか、精霊たちが小さなノーマンの小粒の乳首や、おへそにも止まります。
「も、…ぉ、もぅ、」
首を横に振り、涙を零しながらノーマンが腰を揺らします。
「ん、じゃあ目を開けてて。いくよ?」
ぐ、とノーマンの両足を再度抱え直し、ぐち、と最奥を抉るように腰を揺らします。
「ッぁ、んん」
辛うじて返事らしき声を漏らしたノーマンが、ぼろぼろと涙を零しながらそれでも懸命に目を見開いたままでいます。
ぐち、ぐちゅ、と濡れた音が大きく響き、二人の息がどんどんと荒くなっていき、そして。
「っぁ、んぁあ、ア…!」
深く喘いだノーマンが、嬌声を零しました。
びくびく、と腹部が蠢いて、ぴん、とソックスに包まれたつま先が跳ね上がり、ぐう、と背中が競り上がって中心部の屹立が跳ね上がりました。
ぴゅ、と飛び出した精液を、精霊たちが空中で受け止め、煌きを残していきます。
その様子を見ながら、ショーンもノーマンの最奥に体液を零し入れました。
熱いそれが広がる感覚に、放心状態で宙を見ていたノーマンが、ぶる、と身体の奥深くから震えてきつくノーマンが目を閉じました。
そして、全身で縋るようにショーンの腕に絡まり、体重を預けます。
はぁ、とショーンも熱い息を零して、ノーマンを抱えたままクッションへと体躯を倒しました。ぎゅう、とノーマンの体躯を抱きしめ、身体の力を抜きます。

「しぉおん、」
掠れた小さな声が甘えてくるのに喉奥で笑い、後頭部を喉元に押し付けてきたノーマンの髪に口付けてから小さく呟き、半実態化して光っていた精霊を一気に離散させます。
暗闇に粉が広がるようにぱあっと光が散っていき、あとはランタンの明かりだけが星灯の夜を照らします。
内側から屹立を引き抜き、とろ、と零れたものに一瞬体を固くしたノーマンが、直ぐに全身を沿わせてきました。
「気持よかったね」
くすくすと笑うようにノーマンに囁き、体を僅かに起こして横顔に口付けます。
もぞもぞとノーマンが動き、体を向き直らせて、きゅう、とショーンに抱きつきます。心地良い披露に包まれた体躯を動かすのはすこしばかりだるそうですが、それでも満足そうです。
「このまま少し休もうか」
ぎゅう、とノーマンの体を抱きしめてから、ぱちんと指を鳴らしました。清潔なスロゥケットがどこからともなく現れ、ぱさりと二人の上にかかります。
「しぉ、」
掠れた甘い声に、ん?とショーンが問い返します。ぺったりと体躯を添わせ、靴下を佩いた足をショーンのそれに絡ませ、ノーマンが囁きます。
「もっと、ぎゅう、って」
してください、と囁く恋人に、ショーンが喉奥で笑いながらぎゅう、と力強く抱きしめました。
「ずっと、いつまでもね」
そう呟いて返し、熱い甘ったるい声で名前を呼んだノーマンの頬摺りに頬を押し当て、熱の引き始めた頬に口付けました。
そして、でもくすぐったいのはこまります、ととても小さな口調で呟いたノーマンの体を改めてぎゅうっと抱き返して、ショーンが呟いて返しました。
「気持よすぎて大変だったもんね。じゃあまた今度、忘れた頃にでも」
ふにゃんと笑って頷き、体を添わせたノーマンは、ショーンの言葉の後半を聞きそびれたようです。聞こえていたなら、何かしら呟いた筈ですから。
けれど、改めて強調するような野暮はせずに、柔らかい吐息を零しながら身体の力を抜いたノーマンの体を抱き寄せ、ショーンも素晴らしい交歓についてくる心地良い微睡みに、漸く意識を任せたのでした。