大
事
な
言葉
のけぞった喉に“ショーン”の唇が押し当てられるのを感じて、ノーマンが口を開き喘ぎ声を上げました。
熱い塊りにお腹の中を掻き混ぜられてびくびくと震えて、いっぱいに中を埋められてしまってノーマンはまた背中を浮かせます。
「ぁんん、…んんぅ、っ」
毛皮が無くなってしまってこんなに薄いひふになってしまって、お腹が破れてしまったらどうしうようとくらくらとしながらノーマンは思います。
とろとろと熱い内部に押し入ってくる塊りはとても獰猛でした。蕩けそうななかを深く抉られて、ノーマンがまた高い声を上げます。
「っは、ぁ…ぅんっ」
ずきずきと目の後ろが痛くて、ノーマンはきゅうっと目を瞑りました。けれど、すぐに寂しくなってしまって、涙で霞んで滲んでしまう目をいっぱいに見開きました。
“ショーン”のすこしだけ灰色の混ざった青い目がすぐそばにあって、ノーマンは跳ね上がってしまう息を零しました。
どきん、としました。
お腹のなかで、塊りがずくずくと動いたのです。そして、また押し上げられてノーマンが我慢できずに足を“ショーン”の腰に回しました。
少しでも止めたかったのです。だけど、逆効果でした。中から突き上げられて、頭がくらくらとします。背骨がなくなりそうにびりびりとします。
ノーマンはうんとちいさいこぐまのように泣き叫びたくなりました。
「ァンんッ」
ぐう、と強い腕に腰を抱き寄せられて、ぐちっと音がお尻の間から届きます。烈しく突き上げられてノーマンが身体を起こそうとします。けれど熱い液がまたお腹のなかで弾けて、ノーマンは短い大きな声をあげて頭を後ろに倒してしまいました。
ノーマンの真っ赤に濡れた唇からは喘ぎが止まりません。
“ショーン”の唇はノーマンの顔中に途切れることなく唇で触れて柔らかなキスを落としていきます。
ぐらぐらと目が回りそうななか、ノーマンは確かにいつか、毛皮の剥けてしまっていた頃があった気がしてきました。つるつるとしたこのお魚のような肌をくっつけあっていたころがあったように思えるのです。
けれど、“ショーン”は一度も「くま」だったことなんかないと言いました。
きらきらとしたお日様のように眩いあたまの毛皮のことは、ノーマンのぼんやりとした夢のなかで観たことは確かにあった気がします。
“ショーン”のことを知っていたのだと思います。
だけど、そのほかのことはぜんぶぼんやりとしていました。“ノーマン”といわれるのも不思議です。耳の後ろがかゆくなります。
“まま”と“ぱぱ”もいたのだといいます。“ノーマン”の。
けれど、ノーマンはどうしても自分が“ノーマン”だと思えませんでした。
そう思って、すこしの間、ぼうっとしていました。やっぱり、のーまん、といわれるのはダメだと思いました。なぜなら、ほとほとと知らない間にまた目から水が流れていたのです。
やめて、といおうとおもって、ノーマンは首を少し持ち上げてみました。
“ショーン”のしっかりとした肩がありました。毛皮を剥かれてすぐのノーマンとは違って、麦わらのように美味しそうな色をしていました。
やめて、と言おうと思ってもっと首を持ち上げれば、肌にノーマンの唇が触れました。
それを、そうっとノーマンは吸ってみました。すこしお塩のような味がします。
くす、と“ショーン”がわらいました。そしてノーマンの頭の横に唇をくっつけます。
「んんん、」
甘えたような唸り声がノーマンの喉から零れます。そっと今度は肌を傷つけないように気をつけて、歯を立ててみました。
そうしたなら、お腹の中に埋まったままでいた塊りが、またむくむくと身体を押し返してくるのにノーマンがぷるりと震えてしまいます。
「んふ、」
唇を覆われて、お腹をまた優しく突き上げられてノーマンが喘ぎました。
頭のなかで、夢のなかのぼんやりしたカタチがなにかになっていっていたのがぜんぶ消えてしまいました。
あやすように腕のなかで揺すられて、ノーマンはとろとろと目を上げました。
しぉ、と呼んでみようかなと思ったのに、塊りを引き出されてしまって、ノーマンの口からでたのは長く切れ切れな鳴き声でした。
「っひ、ぁ、ぁああう……っ」
びくりびくりとノーマンの蜜がもううっすらとした滲み出てこないおとこのこのところが震えます。
お尻の奥をいっぱいに広げられて、ノーマンはほとほとと涙を零しました。お腹のなかみがぜんぶ抜けていってしまいそうで、こわくて、でもぞくりぞくりと腰が震えてしまいます。
「――――――ぁっ」
いっぱいに押しひろげられていたお尻の奥が急に空っぽになってノーマンはびっくりしました。周りもずくずくと熱くて疼くような気もします。
こわくてしんぱいになって、ひん、と泣きだしかけたとき、どろり、と何かが溢れてきてノーマンの足を濡らしていきました。
「ひぁッ」
あぁあ、なに、とノーマンが喘ぎます。
唇に“ショーン”のキスが落ちてくるのに、ノーマンは必至になって聞きます。なにが零れたの、血が出たの、ぼくしんじゃうの、と。
だって死んでしまうかもしれません、こんなに身体が熱くて心臓が壊れそうになったことなどありません。
「たったこれだけで離してなんかやらないよ、おちびさん」
ぶるぶると震えながらノーマンが尋ねました。しなないってことだよね、と。
そうしたなら、なにも心配しなくていい、と言われてノーマンはすこし安心しました。
けれど、こぷ、とお尻のお肉の奥がまた濡れてしまって、ぶるりとノーマンが身もだえました。
「――――――へぇん……っ」
尻尾がまだあったなら、きっと不安で小さく震えているに違いありません。
えふ、とノーマンが嗚咽を零しました。
お尻のお肉がきゅうっと緊張します。けれど、“ショーン”にそっとキスされて少しだけほっとしました。
そうしたなら、少し起き上がった“ショーン”がノーマンの身体をうつ伏せにしてしまいました。
「な、ぁ」
なぁに、と訊く前に。ノーマンの手足はしっかりとベッドの上に着いていました。
「ひゃぁん……っ」
けれど、突然、ぐいと片腕に腰を高く持ち上げられてノーマンはびっくりして声を上げました。小さな爪がベッドカヴァを引っ掻いていくのが目に見えました。
「なにも心配はいらない、」
囁く声が聞こえました。
そうなの?と訊こうとノーマンはしましたが、お尻の奥にまた熱い塊りが添えられて息を呑み込みました。
じっと、動くことも忘れてしまたようになってしまいます。
お尻の肉が開かれるのを感じて、ぴくりとノーマンが背中を揺らします。
塊りが貫いていくのを、熱い中を押し開いていくのを感じて、ひゃ、ぅ、とノーマンが肩を揺らしました。揺れた肩に“ショーン”の唇が押し当てられます。
「ん、んんっぅ、」
前後に突き上げられて、ノーマンの手がくたりと力を無くしました。
お尻だけを突き出すような恥ずかしい格好に、かああっと顔だけでなく、肩から背中まで赤くなります。
「っく、」
耳元で、唸り声が聞こえました。“ショーン”のものでした。
それを聞いて、また背骨の終りから頭の天辺までなにかが駆けていきます。
項に噛み付くように唇があてられて、ノーマンが喉を反らし、頭をのけぞらせました。
「っぅ、ぁ、ぁあぁ、ア、ん…っ」
くちゅくちゅと“ショーン”の手に、ずっとずきずきと痛むおとこのこのところを弄られてノーマンが頭を振ります。
喉奥で“ショーン”が唸ります。
一層、突き入れられてがくりとノーマンの身体が揺れました。ピンク色に染まった背中が撓みます。
きりきりと弾けそうな蜜を手指に戒められて、苦しくてノーマンが声を揺らしましたが、押し入ってくる塊りが深いところや浅いところを突き上げるのに、ぶるぶると震えます。
いつのまにか、応えるようにノーマンも腰を引き上げていました。
真っ赤に濡れた唇からは、ちんまりとした牙を覗かせて、ずっと甘い声を洩らし続けています。
「ぁあ、んん…っ」
かり、と項に柔らかく歯を埋められて、ノーマンが一際震えました。
「しぉお……っ」
がつ、と強く項を咬まれてノーマンが身体をくねらせました。
いたい、と泣き声交じりに、けれど戒められていた手指が蜜を溜め込んでいた先に移っていってそこを嬲り始めたのに高い声になってしまいます。
「っは、ぁああ、ぁあッ」
頬が涙に濡れてしまうのももうノーマンにはわかりません。
項に、きつく、歯を立てられたまま体の中を貫かれます。
“ショーン” の荒い息がすぐそばで聞こえて、それが熱く肌を燃やしていきます。
「っァ、ぁああ、アぁん……っ」
熱い泉がお腹の中に溢れるようです。それが噴水のように湧き上がって身体中にあっという間に拡がっていくのです。
蜜の溢れる先を、きつく擦り上げられるのに弾け飛んでいくのを遠くに感じます。お腹や、“ショーン”の手が濡れるのも。
「ぁんんっ」
短く喘いで、しんでしまうかと思う熱を身体から逃がしたいのに、それも出来ません。
お腹にじんじんと噴水があたり続けるのです。塊りが擦り上げて抉っていくのにあわせてノーマンが頭を振りました。
「ゃあ、ぁあん、っゃあ、」
首筋にたくさん唇を押し当てられ、ノーマンが訴えます。もう足も震えてしまって、倒れてしまいそうです。
ノーマンはベッドカヴァに取り縋るように爪を立てました。ぐったりと身体が力を無くしてしまいそうです。
「――――――っひ、ぁ」
ぐい、といきなり身体を引き起こされてノーマンが驚いて短い声を上げました。
背中が、“ショーン”の胸に触れます。そしてなにより、身体の内部で塊りがまた反り返って違うところを打ち付けます。
喘いで烈しく上下する胸に“ショーン”はそっと手を滑らせます。そして、かわいい小さな尖りをみつけて摘みあげました。
「ひぁあ…っ」
ノーマンが背中を反らせました。ぐう、と“ショーン”の胸元に身体がくっつきます。
上下に揺すられて、ノーマンが切れ切れに悲鳴じみた声をあげるようになりました。
それが、とても耳に心地よく信じられないほど甘いことに、ショーンが唇を吊り上げます。
奥に二度注ぎ込んだ体液が溢れ零れて、悲鳴の合間に肉の打ちあわさる音に添って淫蕩な音が響きます。
嵐のような感覚に呑まれてしまったノーマンはふらふらと腕を持ち上げました。そして、それを無理をしてショーンに添えようとします。
「――――――しぉお……っ」
掠れて甘えて信じられないほど愉悦に濡れた声でした。
そんなかわいらしすぎることをしたノーマンをきつく抱き締めたショーンは、その耳に口付けました。噛み千切ってしまいたいくらいだったのかもしれません。
そして、ノーマンの耳に甘い呻き声を落とし込むと、一際強くその腰を押さえ込んで、熱くからみつく内側を突き上げていき。熱情を迸らせました。身体の奥深くのもっと奥まで。
「――――――ぁああ、ア…っぁー」
舌足らずにそれでも嬌声にしか聞こえない音がノーマンの唇から洩れていきました。