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 さら、と長い髪を脇に退かされ。柔かく項を啄ばまれる。
 首の骨に沿って何度も舌で辿られ、甘く歯を立てられることに、ふる、と身体が震えた。
 じわじわと尾?骨の下辺りに熱が溜まっていく。
 それがもう快楽だと知っているセトは、震える吐息をそっと零した。
 さら、と両脚を広げられ、肩越しに男を見上げる。
 くう、と視線を合わせてから笑った男が、ぺろりと肩を舐めていった。さらさらとまた背中を辿られて、目を閉じて喘ぐ。
 する、と腰を引き上げるように促され、唇を噛んだ――――内側から注がれたものが零れ出ていきそうなのに、泣きそうになる。
 
 ちゅ、と柔らかく背中に口付けられる。
 耳元で、せと、と甘く名前を呼んでくるのに、だめ、と小さな声で訴える。
 する、と手が伸ばされ。柔らかくまた身を擡げていた中心部を熱い掌に包まれて、びくりと身体を揺らした。
 さらに脚を膝で開かされて、ふっく、と嗚咽を飲み込んだ。
 もう片方の手がヒップを辿り落ちていき。柔らかく揉み解すようにするのに、ぽろっと涙を零して、泣き顔を寝乱れた布団に押し付けた。
 くう、と開かれて、涙が止まらなくなる。
 
 「や、ぁ…っ、」
 放り出してあった長襦袢を握り緊め、頭を振る。
 「零れ、る…っ、」
 くちゅ、と先端を弄くられ。さり、と尾?骨の辺りを熱い舌で舐め上げられて、あ、ァ、と泣き声を上げた。
 ぢゅ、ときつく吸い上げられて、また嗚咽を零す。
 「お願い、ゆるして…っ」
 「セト、」
 熱い舌に尾?骨のすぐ下を辿られながら前をきつめに絞られて、ひぅ、と悲鳴を飲み込む。
 がくがく、と膝が揺れるのを腕に押し止められた。
 「セト、」
 「や、あ……っ、」
 「そうさせてェの、」
 ちゅ、と甘くヒップに口付けられて、あああ、と泣き声を上げた。
 「せぇと、」
 
 濡れた音を立ててきつく絞られ、身体を奥深くから震わせる。
 「あ、あ、ぁあ…っ、」
 ぺろ、と舌できつく閉じようとしている場所を辿られ、頭を振る。それでも容赦なく追い上げられて、びくっと身体を震わせて熱を零した。
 「だぁめ…っ」
 中心部を掴まれたまま、腕で更に腰を引き上げられて、胸を布団に擦り付けてしがみ付く。
 震えて内から零したものに濡れた場所を指先で、つ、と辿られ。Please,と震える声で嘆願する。
 「Please, no,」
 んー?と暢気な返事が返され。代わりにつぷ、と指先を埋められて、震える身体から無理矢理力を抜いた。
 中を指が蠢く度に濡れた音が立つことに、肩を震わせる。
 
 「……ん、ぅ、」
 「なにを泣く…?やましいことなど無いよ」
 「ふ、ぁ、」
 くちゅ、と音を上げた場所を熱い舌先に触れられ、かぁっとまた体温が上がる。
 「こ、ざさ、まぁ…っ、」
 恥ずかしいのに感じてしまうことに、さらに羞恥が煽られて。喉奥で泣き声を殺した。
 指先が小刻みに内を刺激する度に、ぞくぞくと新たな快楽が際限なく湧き起こるのに、何度と無く身体を震わせる。
 
 セト、と名前を何度も呼ばれ。綻んだ場所を舌先で突付くように舐め上げられて、くう、ときつく布団に指を立てた。
 「あ、ア、ぁ…っ、」
 濡れた音が止むことはなく。次第に激しさを増していくのに、頭の中まで痺れたようになり。布団に埋めていた顔を上げて、深く息をした。
 く、と押し上げられた場所に、びくっと身体が跳ね上がり。そこを断続的に押し撫でられて、無意識に腰が揺れる。
 きゅうきゅうと収縮する襞から零れ出たものが総て舐め取られていくことに、頭の中が真っ白に焼かれていきそうに思える。それでも、快楽が引き起こされることに終りが無くて。
 知った快楽の波に乗って押し流されそうになり、セトが甘く喘いだ。
 「あ、ァ、……ah,」
 けれど、それまで追い上げるように動いていた手が、今度はきゅう、ときつく握り緊め。飛び出そうとしていた快楽を塞き止める。
 「Mm, 」
 
 白く染まっていた頭が僅かにクリアになり。きゅ、と眉根を寄せて男を見上げれば。腰に軽く歯を立てられて、びくりと身体を揺らす。
 「こぉざ、さま…?」
 「ン、もう少し我慢ナ…?」
 はむ、と脇腹を食まれて、ひくんと肩が揺れ、中の指を締め付ける。つる、と指が引き抜かれていく感覚に、くう、と背筋が弓なりになる。
 「あ、…?」
 く、と強い腕に腰を引き寄せられ。ぐ、と押し当てられた熱に、深く息を吐いた。
 「セト、」
 甘い声に呼ばれて、目を強く瞑る。熱い体積がもはや抵抗も無くぬるっと押し込まれていくのに深く息を吐き、満たされていく感覚に震える脚を懸命に堪える。
 
 きゅう、と強く腕に抱きすくめられた。
 「ん、っは、」
 「あなたがなによりイトオシイよ、おれは」
 さらりと髪を掻き上げられ、首元に唇を押し当てられ。告げられた言葉にきゅう、と胸が痛くなる。
 「……すき」
 そうっと告げれば、柔らかく目許を舐め上げられた。いつの間にか零れていた涙を、唇で吸い上げられる。
 「涙まであまいな、せと」
 ふにゃ、とセトが笑えば、くう、とコーザも笑って。ぐ、と緩く腰を揺らした。
 
 「あ、ア、」
 「このまま閉じ込めちまいてェよ、」
 「……して、」
 そうしておくんなんし、と吐息に混ぜて言葉を零す。
 ゆるゆる、と内を突き上げられながら、心臓の上を熱い掌で辿られ。戒めていた手でまた熱をきつく絞り上げられて、身体の奥底から震える。
 「I love you from the bottom of my heart」
 そう甘い声で囁かれて、とろ、と柔らかくセトが笑みを浮かべた。
 「Then love me more, so I’d melt, and that I may be able to fulfill you」
 心の奥底から愛しているよ、と告げられ。返したのは、たった一つの願いだった。
 ならばもっと愛して。溶けてしまって、貴方をもっと満たせるように、と。
 
 さら、と長い髪を一まとめにされ。緩く巻き取るように引かれて、身体を擡げる。
 する、と唇を舌先で辿られ、口を開いて熱いソレを迎え入れた。
 深く絡めあいながら、ゆるゆると小刻みに動かれて、溜め息のように吐息を零す。
 掻き抱くように抱き締められて、その腕に縋った。
 「I do love you more than anything, Seth」
 口付けの合間に囁かれ、うっとりと笑う。
 「And I do believe you,」
 
 火照った唇を舌先で辿られ。またふわりと笑みを深めてセトは自分から唇を押し当てた。
 「You’re more than the World to me」
 貴方が何より大切なのです、と伝え直して、緩く唇を啄ばまれて微笑んだ。
 「だれよりも、お慕いしておりぃすえ……」
 
 
 
 
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